セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

さよなら渓谷 (2013/日)(大森立嗣) 80点

2013-06-29 10:17:43 | 映画遍歴
こういう特異な話っていうのが映画に向いているというか、大森お得意の材料なのである。 冒頭の隣の女の幼児殺しから始まる田舎の出来事がざわざわし不安感をあおる。その騒動にお構いなしに昼間のセックスをしている夫婦がいる。どちらかというと、女上位の体位が続く。その意味を僕たちは後で知ることになるのであるが、、。なかなか斬新な入り方。秀逸だ。 通常の夫婦と思っていた二人だが実はそうではなかった、という設 . . . 本文を読む
コメント

嘆きのピエタ (2012/韓国)(キム・ギドク) 80点

2013-06-27 10:29:25 | 映画遍歴
韓国映画の中でも特にギドクが好きで毎回欠かさず見ている僕。本作も突飛な題材で人間の救済をテーマにギドクが鮮烈に駆け抜けている。 テーマが大きすぎたのか(題名のピエタは宗教的な解釈から少々違和感を僕は感じたが)西洋人にはどうかなあとも思うのだが、大賞を獲っているのだからそこは問題ないのであろう、しかし大仰過ぎる、ちと恥ずかしい。 人間の愛を全く知ることなくただ生きて来た青年と、息子を亡くし復讐に . . . 本文を読む
コメント

百年の時計 (2012/日)(金子修介) 70点

2013-06-20 10:37:55 | 映画遍歴
ご当地映画、低予算という制約の中で、製作者のこういうものが作りたいなあという想いが随所に表れていると映画だ思う。前半部は少々演技的にも美術的にもぎこちないところがあったように思うが、香川の100年を観客も共有するうちに、ずっぽりその世界に入り込んでしまう仕掛けがいいね。 50年前の哀しき恋愛もなかなか琴電といういい素材を使いすこぶる美しい。抒情的である。ちょっと水彩画過ぎるような気がしないでもな . . . 本文を読む
コメント

セレステ∞ジェシー (2012/米)(リー・トランド・クリーガー) 70点

2013-06-19 15:23:09 | 映画遍歴
何か新しそうな映画に思えるけれど、これって全然古いんじゃあないんでしょうか、、。たまたま二人が結婚していて別居中という設定が目新しいとは言えるが、それでもねえ。 結婚生活を続けているのに別居している。特に嫌いになったわけではない。ただ男が口座(所得)をもたず、甘ちゃんだから子供の父親にはなれない。だから別居中で親友同士なんだ、と。したがってセックスはやらずの夫婦であります。 女は男が自分に惚れ . . . 本文を読む
コメント

ローマでアモーレ (2012/米=伊=スペイン)(ウディ・アレン) 75点

2013-06-19 14:43:00 | 映画遍歴
アメリカを離れてロンドン、バルセロナ、パリそして今回はローマ。アレンは単なるヨーロッパ観光をしているのではあるまい、でも何となく超・余裕がありすぎる感がしないでもない。 彼の映画には出演志願者が多いんだろうなあ、今回も主役級のスターが何人もアレンしている。彼らの純粋な映画愛をうまく利用している感も確かにある。俳優陣にしてみれば彼の映画に出ることこそ究極の願望であり、アレンにしてみるとそんな彼らの . . . 本文を読む
コメント

箱入り息子の恋 (2013/日)(市井昌秀) 90点

2013-06-15 14:43:11 | 映画遍歴
彼女いない歴35年なんて結構今の世の中わんさいるのではないかと思われる現代において、究極の恋愛映画を見た。カメラワークがりりしく、繊細でしかも美しく構図も決まっている。そして展開はコメディ調でありながら、これがなかなか深みがあり実にいい。 35歳なんて董が立っているとも思えるけど今どきの若者、結構永遠青年(少年)なんて僕の周りにもざらにいる。だいたいカネもクルマも保持しておらず、外食もせず、酒も . . . 本文を読む
コメント (2)

奇跡のリンゴ (2013/日)(中村義洋) 75点

2013-06-15 13:46:11 | 映画遍歴
予告編で躓いた映画だったが、大好きな中村義洋監督作品、見なければと強い気持ちで見る。映画の方はぜーん然予告編と違い、素直なやはり中村らしい人間が好きでたまらないといった映画であった。 阿部サダヲもいつもより抑えめの普通の演技である。愛妻役の菅野美穂もまだ純な役ができることを示す秀逸演技。友人役で出番も少なかったが池内博之の頬をつたう一筋の涙も美しい。山崎努はさすがの演技で、この人は恐らく演技その . . . 本文を読む
コメント

イノセント・ガーデン (2013/米)(パク・チャヌク) 75点

2013-06-14 15:26:07 | 映画遍歴
繊細な映像と音響の絶え間ない緊張感が2時間続くことの驚き、そしてその至福の持続、、。 まあ言ってみればそれだけの映画なんだけど、これが映画なんだなあ。映画って見る者にも感覚を必要とするという自明のことを解らせてくれる。 繊細サスペンス映画って言っていいのかな、考えたら血が血をうならせるというまさにストーカー家の血族の因縁話なんだよね。こういう映画って過去にもわんさあった気もするが、それを感覚的 . . . 本文を読む
コメント

オブリビオン (2013/米)(ジョセフ・コシンスキー) 75点

2013-06-14 14:41:22 | 映画遍歴
言わずと知れた、SF映画となると俄然頑張り、復活するトム君の新作。でも考えたらトム君と言えるほど、彼も若くなくなってきているなあ。もう50近いのか、顔はそうでもないけどご自慢の肉体は実年臭がそろそろ、、。 今やSF映画では題材が不足しとるんだろうか、この映画はオマージュっぽくしとるが、「猿の惑星」「惑星ソラリス」等々昔の名作はいざ知らず、最近の「月に囚われた男」まで重要なシチュエイションにしてい . . . 本文を読む
コメント (2)

監禁探偵 (2013/日)(及川拓郎) 70点

2013-06-14 13:59:19 | 映画遍歴
ほとんど舞台設定がワンシーンのミステリー劇である。そしてほとんど安楽椅子探偵ごとく真犯人を探す手段はスマホとパソコンという現代ツールのみ。ちょっと無理はあれどこれは面白かった。 結構本格ものの体裁を最後まで保ってるんだよなあ。 男と女はお互いに疑い合う。膨大なデータからある一人の人間の生きていた人間像が浮かんでくるその映画的面白さ。これはまさにミステリーそのものでありますぞ。そして真犯人登場。 . . . 本文を読む
コメント

ある会社員 (2012/韓国)(イム・サンユン) 70点

2013-06-14 13:12:52 | 映画遍歴
どこかで読んだような超驚き設定ににんまりとなる。それを映画にすると結構いちゃもんもつけたくなる部分も多いが、韓国映画だからか意外と違和感がない。日本映画だとこうはいかない。それは正直認めよう。 まあ見ている間は夢中になれて映画館を出れば即忘れてしまう、それこそ娯楽映画の本道だろうが、本作品もまさにそうなのである。いいではないか。この映画から人生の神髄を得ようなんて思う映画ファンもいないだろうし、 . . . 本文を読む
コメント

久々に自作パソコンに挑戦

2013-06-12 20:13:13 | 徒然に、、
インテルの新CPU(1150系)が6月初旬に発売された。実は最近まで使っていたのがインテルの2世代前の1156系である。実に3年半ほど使っていたことになる。だいたい新CPUが出るとスワ買っちゃう今までの馬鹿さ加減に少々自嘲を強いり、特に悪いところがないので珍しくそのままそのまま使っていたのであった。 ある時、新ノートでも買おうかとパソコンページを繰っていると、何と久々に第4世代のCPUが発売され . . . 本文を読む
コメント

くちづけ (2013/日)(堤幸彦) 65点

2013-06-01 15:33:11 | 映画遍歴
舞台設定が民間一戸建ての敷地内からあまり動かなく、また冒頭の、ある勘違いから始まる空騒ぎもいわゆるよくある完全舞台劇展開である。これが最後まで気になり窮屈感が終始漂った。 知恵遅れの人たちの完璧とも言える演技も演劇的であり、それを映画としての映像を通して見ると、どうしてもリアリティ面から虚実っぽく見えてしまう。舞台劇をそのまま映画にしてそれほど面白い作品ではないので、この作品のテーマが拡散されて . . . 本文を読む
コメント

体脂肪計タニタの社員食堂 (2013/日)(李闘士男) 70点

2013-06-01 15:00:25 | 映画遍歴
これだけ俳優陣が安っぽく(失礼、でもほとんど知らない無名俳優が水を得たように頑張ってる)、展開もベタなのになかなか実は面白いというのも、映画という娯楽の神髄を見るような気がする。 低カロリー食を売りものにした作品だけれど、演じるのも低ギャラ俳優たちである。もう題名からして観客も楽に映画を見ようとしている。全然気を張らなくていい映画である。見ている間でさえ、見流してもいいとさえ思ってしまうような映 . . . 本文を読む
コメント