今回はヨーロッパ研修旅行があり、学友たちとののどかな交友がとても楽しく、今までと趣向を変えてグッドな作品となりました。
最初のベネチアでの船からの眺め、そこからミステリオ登場といったところもワクワク感あり、オランダのチューリップ畑に専用飛行機登場なんてさすが。画面に求心させられます。
と褒めては見たものの、他のアメコミものほど肝心のアクションシーンが迫力不足なんですなあ。これはスパイダーマンと . . . 本文を読む
深田監督、新作が出たので公開直後即見に行きました。
なかなかの出来です。ちょっとフランス映画風のタッチで、そう、フランソワ・オゾンというか、流麗で、映画そのものの魅力をたっぷり伝えてくれています。やはり、これが映画なんだと思います。そんな映画の魔力があります。
難しくもなく、ちょっと通俗っぽいテーマですが、これがいいも悪いも我々現代人が抱えている現代の病原なんですね。よーく分かります。
筒井 . . . 本文を読む
朝鮮半島の政治情勢にあまり詳しくない吾輩としては、2時間強、かなりその執拗な政治問答に閉口しつつあったが、それでも俳優たちの熱い思いはストレートに感じていた。それほど、アツイ映画であった。良質の骨太映画であります。
そしてあの、男の真摯な友情を感じるラストシーンは秀逸だ。このシーンのために2時間が設えていたといっても過言ではない名シーンである。胸の中を熱いたぎるものが湧き出てくる。いたく感動する . . . 本文を読む
今話題の演劇作家ピンク地底人3号を初体験。実は、彼の作品を朗読劇で拝見してからいたく気になり、やっと本日見ることができたのだ。平日の午後なのに満席状態。皆さんよく分かっている。
で、劇の方は、これがまた、舞台は家電の運送会社ではあるが、中身はブラックなところもあり、社員が続かない、いかにも現代そのものの闇を厭というほど匂わせている。
そこに就職した一人の男性。だが彼は実は女性であったのだ、とい . . . 本文を読む
文体は確かにシニカルで面白い。安心できる作家である。登場人物が多すぎ、だれが犯人かミステリーとして読む進むと、ほんとその意味では難解だ。
犯人へと至る伏線もほとんどない状態で、やはりこれは本格ものではないのだろうと理解する。
あと、動機がイマイチです。意外過ぎる犯人もそうだけど、こんな動機で人を殺害しようとするだろうか、、。人気作でもあり、また評価も高いので少々冷水を。 . . . 本文を読む
大竹野作品でも上演回数の多い人気作品である。4人の看護婦を登場させ、現代社会の人間の心の闇を鋭く描いている。
男女の退屈な日常。同期という名のもとでの友情という厄介なつながり。そこにリーダー格の女が工作し始めたら、、。
面白いです。殺人光景を舞台でここまでリアルに感じたことは初めてかも。4人の心の闇は明瞭に描かれているので、わかりやすいが、でも人間のなんと弱いことよ。究極的に迷うと、人間は誰か . . . 本文を読む
思いがけず素敵な演劇を見る。演劇をしている人、携わっている人、また見ている人たちにすばらしい劇を届けていただいた。
演劇を創る楽しみ、苦しみ、喜び、かなしみ、それらは自らこの世の人でなくても十分楽屋裏で生き続けている、ということなんですね。
なんと、この劇の中で紹介された演劇はシェイクスピアからテレビドラマの「必殺仕置人(これが楽しかった)」まで加えると、10近くになりました。いやあ、実に楽し . . . 本文を読む
15人の若者。キラキラ光るかれらの目。かれらのまっすぐの背筋。人生まっしぐら。そんなかれらにも人生の果て・真実を知る時が来る、、。
まともに考えてると難しい演劇だとも思えるが、人間とアンドロイド、偶然と必然、生と死、喜び、悲しみ、どうしようもないそれらの営みが一つの空間をわーんわーんと奏でている。
あまりに、ラストが素晴らしすぎて、しばらくその余韻で僕は目の前が見えない。すると、主演の川田氏が . . . 本文を読む
題名から連想されるこのくすんだような淡い色彩の映像。これがこの映画を語っているのだろうか、、。
30代にもなって、離婚も重ねた男がこれほど父親のことを思うのだろうか、と僕なんて思ってしまうが、それはそれでこういう父親から見捨てられたら、実際はホントどうなんだろう、どうなるか分からないだろうなあ、とは思う。でも考えたら、捨てられてから25年も推移してるんだネ。
こればっかりは、こういうことを経験 . . . 本文を読む
おなじみ岬くん。かつての司法修習生時代の事件。
相変わらずとっても面白いけれど、これって、この本を初めて読む人向けに作られてないね。もうこの中山の連作を読みつないでいる人が、岬の若い時はどうだったんだろうって、ないものねだりで生み出した作品のようでもある。
かなり長く割いている岬のピアノ演奏シーンのあの表現は今回はまともに読めませんでした。逆にこの岬シリーズのファンはじっくり読むんだろうなあ、 . . . 本文を読む
岩橋の作品は人を食ったような哲学的作品もあれば、小気味いい軽い作品もある。今回は前者であの通俗的な容貌からは思いもつかない深い作品である。
とは言っても決してムズくはなく、当然エスプリも十分効いている。テーマは人間とロボットの相違とは何か、である。人間だと思っているロボットとロボットと思っている人間がいる。彼らを仕切っていた博士が亡くなると、この研究所では何やら不思議なことが始まる、、。
結局 . . . 本文を読む
オーソドックスな翻訳劇だ。劇の展開が時間軸を左右するので、映画的な面白さもある。テーマは自然と同性を好きになってゆく女性二人の心のひだがよく描かれている。
大道具といい、小道具、衣装、食物に至るまで完全アメリカナイズされており、この作品における意気込みとこだわりを十分感じさせる。
主役二人の女優の熱演もさることながら、脇役の警察官、看護師役の女優も人生をしかと感じさせる演技で、舞台を盛り上げる . . . 本文を読む
これは果たしてミステリーなのか、、。フェルメールの贋作に携わってしまう一人の青年のストーリーだが、なんだかなあ、どう考えても犯罪に加担しているのは分かっているはずなのに、芸術を目指す叙述があふれかえるばかりなので、そこが曖昧で、まどろっこしいなあ、とは思う。
200年前のフェルメールの贋作を製作した画家と同時進行でページが割かれるが、この形式は原田マハの『楽園のカンヴァス』と似ています。あちらは . . . 本文を読む
相変わらずモノクロで攻めるパブリコフスキ 。冷戦を舞台に男と女の本質的な愛を掘り下げる。といっても、この狂おしい愛は古今東西、文学にも映画にも今までいやほど描かれています。
例えば分かりやすいところでイギリスのエミリー・ブロンテが「嵐が丘」でキャサリンとヒースクリフの愛憎を亡霊になるまでとことん描いております。この映画も、お互い見た瞬間に永遠に運命の人となったお二人。まず体から震えるんですなあ。 . . . 本文を読む