セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

GONIN サーガ (2015/日)(石井隆) 75点

2015-09-30 18:03:58 | 映画遍歴
前作があったなんてことも知らないで見たが、この手の邦画ではなかなかの出来。あれだけの前作ストーリーからよくここまで展開させたなあと、この脚本には拍手を送りたいほどだ。 なんと言っても俳優陣の演技がみんな半端じゃなかったね。4人組+安藤のGONIN組はみんな最高の演技をする。 4人組、主役の東出は意外と見せ場がなく地味な役どころで少々気の毒。到底、主役とは思えない。これは演技というより脚本の作り . . . 本文を読む
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チャンス商会 初恋を探して (2015/韓国)(カン・ジェギュ) 75点

2015-09-29 18:25:10 | 映画遍歴
カン・ジェギュといえば、言わずと知れた「シュリ」「ブラザーフッド」の名監督である。ところが前半を過ぎても、後半にかなり入っても普通のコメディ映画の枠を抜けない。どうしたんだろう、とやきもきしていたが、、。 ラスト前20分からは怒涛の展開です。なるほど、韓国映画って、映画の面白さを追求する度肝を抜く方法を知っているよね。 あらゆるところに敷いていた伏線を読まなかった僕がただ愚かだった。そういえば . . . 本文を読む
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劇団冷凍うさぎ 「We are lucky friends」(作、演出・森岡拓磨)(於・ウイングフィールド) 85点 

2015-09-27 18:09:51 | 演劇遍歴
初めて見る劇団である。なんの先入観もなく見たが、もうどうしようもなくよかった!! 驚きと感激で帰りに、役者さんたちの顔をじっくり見るのを忘れて、アンケートを記入後、そのままウイングフィールドの裏階段を下りてしまった。椅子席が希望で、一番後ろだったので、役者さんたちの顔をつぶさに見られなかったのだ。至極残念。 最初は若い人たちのチャライ話かと思いきや、見事人生の機微をパラレルワールド風に、一人の . . . 本文を読む
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かのうとおっさん「いいなずけ陰陽師」(作、演出・かのうとおっさん)(於・HEP HALL) 80点

2015-09-27 17:35:12 | 演劇遍歴
いつもとてつもなく面白く、からっと楽しめる劇団である。今回はストーリーは詰め込み過ぎたぐらい十分あり、またいつも強靭の布陣だった嘉納みなこ、有北雅彦のお二人がストーリー上、少々脇に回っているせいかいつもの爆笑には至らなかったように思えた。 けれど彼ら以外の12人がなかなかの個性派ぞろいで、逆に彼らの演技力がぐいぐいと客席に伝わってくる。舞台って、面白いもんですね。ちょっとしたことで劇の色合いが変 . . . 本文を読む
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夏をゆく人々 (2014/伊=スイス=独)(アリーチェ・ロルヴァケル) 75点

2015-09-23 18:23:15 | 映画遍歴
イタリア映画にしては、常に僕たちが見て来たローマ文明とはかけ離れたこのド田舎の生態がこの作品のキーであり、また問題提起でもあります。 敢えて徹底したリアリズム(男も女も家の中とはいえ下着丸見え状態)を表現することに少々驚く。自然体で生きてゆくことを表しているのだろうか、この父親が言うように「世界の終わりが近づいている」ことと何か関係があるのだろうか、、。 ミツバチが死んでしまうような除草剤を役 . . . 本文を読む
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Contondo「夜と星と風の物語」(脚本・別役実 演出・紺野ぶどう)(於・SPACE9) 85点

2015-09-22 20:07:23 | 演劇遍歴
大好きな別役実作品。彼の作品には常に不条理が付きまとう。人の営みのどうしようもない哀しみ、苦しみ、諦観が表現される。ところが本作はサンテグジュペリものなので、いつものそれとはかなり違う。 サンテグジュペリと宮沢賢治をミックスした感もある透明感が全編漂う。素晴らしい出来である。 対面式席空間である。最初座った席、1mぐらいしか離れていない向かいの席に若い青年が座っている。7,8名ぐらいが座れる席 . . . 本文を読む
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浪花グランドロマン「月下美人」(作・演出・浦部喜行)(於・難波宮跡公園内 特設銀色テント) 80点 

2015-09-22 18:23:10 | 演劇遍歴
最後のテント公演だという。考えたら今まで多くのテント公演を見たが、浪速のそれは見ていない。いざ馳せ参じました。 当日時間を1時間も間違え、早く難波宮跡公園に着く。もちろん受付もしていない。テントの周囲を回ると、役者さんたちがのんびり舞台支度をしている。天気も良く、意外と涼しいので、生の役者さんの素顔が見れる。 考えたら大阪に住んでいるのに難波宮跡公園に来るのは初めてである。歴史好きの僕なのに、 . . . 本文を読む
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魚クラブ「Kのトランク」(作・大竹野正典 演出・昇竜之助)(於・パシフィック・シアター) 75点

2015-09-22 18:03:25 | 演劇遍歴
24,5年前に上演された劇の再演らしい。ある日朝起きたらお兄ちゃんがトランクになっていたというカフカ風の出だしである。 カフカものとは違い、家族はそれはたいそうお兄ちゃんを大事にし、彼の気持ちになろうと自ら段ボールに入って全員、生活をし始める。そんな家族の生活が不思議な心情とともに描き出される。 パンフを見れば20数年前の宮崎勤の連続殺人事件の家族の思い云々とは書かれているが、劇を見ているだけ . . . 本文を読む
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黒衣の刺客 (2015/台湾)(ホウ・シャオシエン) 85点

2015-09-21 20:41:36 | 映画遍歴
久々のシャオシェン作品だ。アクションに挑戦はしているが、そこにはまさに正真正銘、シャオシェンの世界が存在する。 さらにリー・ピンビンの耽溺的でもある、これでもかの映像美、画面を引き締めるドゥー・ドゥージの録音技術が驚異的だ。 セリフが極端に少なく(妻夫木なんてほぼノーセリフ)、映像からストーリーを酌んでくださいという展開は、題材が中国の古代であるからにして、少々きついものもあるが、大体この映画 . . . 本文を読む
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御子を抱く(2014)(石持 浅海著・河出書房新社) 75点

2015-09-16 17:54:40 | 読書遍歴
お気に入り石持の書き下ろしミステリー。登場人物が多いから、なるほど冒頭に登場人物紹介があり、これは助かった。いつも思ってるんだが、ミステリーには文庫版同様、このような人物一覧があったほうがいいと思う。なぜないのかな? と、あまり関係のないことを書いてしまっているが、本作は石持にしては結構長いほう。それにしては読ませる。時間的には2~3時間で読んでしまうのではないか。 それほどミステリーっぽくは . . . 本文を読む
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月曜劇団のコントっぽい劇短編集2(作・西川さやか 演出・月曜劇団)(於・Free Studio KONPIRA ) 75点  

2015-09-15 20:11:33 | 演劇遍歴
久々のコント劇だ。東京にいたときはかなり見ていたが、関西では少ないのだろうか、見る機会が少ない。演劇でも笑いを取るのはかなり難しいのに、まさに正真正銘、コントでは観客から笑いを取らないとコント劇とは言えなくなるのだ。 コント劇では珍しく80分の長丁場。大変だったろうなあと思う。生みの苦しみもあったろう。 最初は少々硬かったような気もしたが、そのうち観客と一体となりくすくす笑いが出てくる。映画が . . . 本文を読む
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しあわせへのまわり道 (2014/米)(イザベル・コイシェ) 70点

2015-09-14 21:25:02 | 映画遍歴
「死ぬまでにしたい10のこと」以来見続けているイザベル・コイシェ作品だが、どうもなかなか中だるみが続くね。この作品でちょっと息を吹き返し始めたと思ったが、、。 まあ、それほどドラマチックなものはこの映画にはありません。女が安心していた夫から三下り半を突き付けられ(早い話が若い女に走っただけだが)、おろおろする。未練だけが残り毎日が虚ろで何も手につかない。(早い話が年寄りになっての失恋だ) たま . . . 本文を読む
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世界で一番いとしい君へ (2014/韓国)(イ・ジェヨン) 70点

2015-09-11 20:53:25 | 映画遍歴
いわゆる難病ものだ。両親が17歳の高校生というのがちと目新しい。 息子のためにガムシャラに働く両親。でも稼ぐといっても若い二人には限度がある。早老病という珍しい病気でテレビに特集されることになり、多少の金が入ってくることから新たな悩みも、、。。 進行が息子のパソコンによる記述というのがいい。明るいし、何より両親に対する絶対的な愛情が込められており、親がいかに息子を大事に育てていたかがわかる。い . . . 本文を読む
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相互確証破壊 (2014 石持 浅海 (著) 文芸春秋 ) 75点

2015-09-05 20:50:20 | 読書遍歴
お、どうしたんだろうと思うばかりのセックス描写が目に付く。石持では結構珍しいことではないんだろうか、、。7編の短編集なんだが、でもこの過激なセックスシーンがミステリーとして重要な要素とすべてなっているのがミソ。 あれほど激しいセックスをして身も心も一つに溶けていると思わせといて、即殺人に至るなど、心やさしい僕には理解できないことだが、でもその鋭敏さにしびれます。 最後の男装のセックスという挿話 . . . 本文を読む
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大阪大学劇団六風館「ふくすけ」(作・松尾スズキ 演出・片山裕子)(於・芸術創造館) 75点

2015-09-05 20:26:42 | 演劇遍歴
それほど基礎を積んだわけではない学生劇団だろうか。出し物は松尾の現代アングラ劇。これは難しいぞ。人生のアカも知り、血を出すことの痛みをいやというほど経験していないととんでもない劇になってしまう。そもそもやるほうにも見るほうにも余裕がないと難しい演目なのだ。 それは冒頭の裁判シーンで露見する。何人かのセリフの発声がなってないのだ。声を出すということの本質的な練習をどれほどしてきたのだろうか、と少々 . . . 本文を読む
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