セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

風ヶ丘五十円玉祭りの謎(2014 東京創元社 青崎 有吾著) 60点

2014-12-27 09:48:33 | 読書遍歴
「体育館の殺人」が快作なだけに期待したが、短編集であることが原因か、それとも都合が良すぎる解決篇が目立ってしまうせいか、ミステリー的にはイマイチだと思われる。 それより若い人の会話とそのしぐさ、いかにも高校生の青苦しい爽やか感が僕にはとても面白かった。でもそれじゃ単なる軽い読み物でしかなくなっちゃうよね。 ミステリーとして上梓するのであるならもっと本格モノから勉強して推敲してください。 . . . 本文を読む
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わたしたちに許された特別な時間の終わり (2013/日)(太田信吾) 70点

2014-12-26 13:43:52 | 映画遍歴
この何かしら洒脱な題名に惹かれて鑑賞。通常ドキュメンタリーは見ないのだが、久々の第七芸術劇場へ向かう。最初は無理に作ったかのような人工劇。不思議な出だしである。そして本編、あるシンガーの閉ざされた世界を僕たちは垣間見ることになる。 若いときに賞を貰ったのがきっかけで音楽の道を志すことになる壮太。彼には後輩のキーボードを担当する蔵人がいた。僕たちは二人の、音楽を目指す厳しく真摯な青春ロードを見続け . . . 本文を読む
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毛皮のヴィーナス (2013/仏)(ロマン・ポランスキー) 80点

2014-12-25 15:33:23 | 映画遍歴
舞台劇。二人芝居。そして出し物はマゾ。人間とは不可思議なもの?演出家はポランスキーそっくりの男優アマルリック。風変わりな気まま女はポランスキーの妻セニエ。おお、何とこのシチュエイションだけでもう十分Mでございます。 やはりセリフだけでどんどんシチュエイションが変わるこの映画、膨大なセリフ量、ワンシーンワンカットの多用(実はそうでもないところがポランスキーの成熟したところ)等々で、実はうすうす解っ . . . 本文を読む
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フューリー (2014/米)(デビッド・エイヤー) 80点

2014-12-25 13:35:26 | 映画遍歴
思ったよりなかなかの作品でした。プラビが高倉健ばりの役をこなしているが、結構決まっている。対するローガン・ラーマンも僕たちの視線で戦争を体験しており、実はこの映画は彼を通して、戦争を知らない人類への啓蒙映画としての役割も果たしている。 ローガン・ラーマンの挙動は一つ一つ僕たちの姿である。急に目の前にこの人間を殺せよと言われても異常者でない限り即殺戮するのは無理であろう。そんな水平な視点でこの映画 . . . 本文を読む
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ゴーン・ガール (2014/米)(デヴィッド・フィンチャー) 80点

2014-12-18 15:29:29 | 映画遍歴
さすがアメリカのミステリーの常道だけあってお話が超面白い。めずらしく的を得たアフレックの旦那像、悪女極めつけ美女ロザムンド・パイクの迫力、そして余裕たっぷりまた俗っぽいコメディをふんだんに入れたセリフ回しなど、エンターテイメントでありながら秀逸なミステリーに仕上げ見ごたえがある。 何とも怖い話だが、中盤で何とネタばらしが行われ、逆にそこからが別の話のようにイキイキするところが素晴らしい。 ロザ . . . 本文を読む
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インターステラー (2014/米)(クリストファー・ノーラン) 75点

2014-12-18 14:14:44 | 映画遍歴
ノーランって最初の頃「メメント」で売り出した人ですよね。「インセプション」といい、時間軸迷宮が好きなんだ。するとどうしても「2001年宇宙の旅」「未知との遭遇」「フィールドオブドリーム」が気になってくる。やりたくて仕方なくなってくる。 でも肝心の宇宙ものにしては映像では「ゼロ・グラビティ」の足元にも及ばない。テーマとしては「2001年~」に全然近づけない。3時間も映画を見させておいて、ロケットに . . . 本文を読む
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メビウス (2013/韓国)(キム・ギドク) 70点

2014-12-18 13:43:54 | 映画遍歴
最近のギドクはかなり変わってきたかなあ。というよりもう映画ではやることがないのか、彼の持つ本源から夢遊しているかのようである。本人は真剣でも他人から見れば戯言なんてことあります。そんな感覚でしょうか、、。 ただこの映画、全くセリフがないのに映像と音響だけで観客をぐいぐい引っ張ってゆくその演出力は大したものです。たまげました。さすがギドクです。 でも、こじつけたように(起承転結を意識して?)仏教 . . . 本文を読む
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東京日記(12/9~11)、その2。

2014-12-13 15:33:33 | 書きとめ日記
今週は2泊で東京へ。安く上げようとちょっと東京の東寄りのホテルに宿泊。これで多少は安くなる。(こんなところでケチっていても他ではどんどん使っているのに、という矛盾はある。) まず最初はホテルへ、空港から直行。午後2時過ぎに着いたのだが、早すぎるので荷物だけでも預けようと思っていたのだ。ところがフロントでチェックインできますよとの快い返事。荷物を部屋に運びすぐ出ようとしたのだが、ちょっとベッドに横 . . . 本文を読む
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東京日記(12/1~2)、その1。

2014-12-13 14:55:18 | 書きとめ日記
冬の忙しいひと時、いつもこの時期には東京に遠征している。旧友と忘年会を交わしている。ところが今年については運悪く(いいというべきなのか)仕事が入り込み、二週続けての東京巡回と相成った。 また悪いことに行く前にちょうど風邪をひいてしまい(考えたらこの時期に風邪をひくことが多くなった。俺も年かなあ。(年だけど))、体調が悪いままの悪巡業となってしまった。 東京に行くからには大阪にないものをまず見て . . . 本文を読む
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ハム・トンクス 第2回公演「First Contact」 (作・演出・宮本勝行 於・下北沢シアター711)  85点

2014-12-13 14:03:19 | 演劇遍歴
うーむ、これは面白い。何もないような希薄な話なんだけどこの空気感が新鮮だ。脚本もこんな空気感を主観とする話、よく書けたなあと感心。この劇はどうやって演出に臨んだのか、けいこづくりをしたのか、とても興味がありますなあ。 何でもない話が、何でそうなるの?といった展開なのだが、とてもユニーク。この劇の面白さはみんなの努力ももちろんあるが、その中でも佐藤あかりの自由奔放な演技が目立つ。ものすごい素質を持 . . . 本文を読む
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BOCA BoccA第4回公演 「Bon Voyage!!」(作・演出 ヒサトミユキ)(於・OFFOFFシアター) 70点

2014-12-13 12:02:21 | 演劇遍歴
東京演劇鑑賞も2週目に入る。場所はまた下北沢。ここは演劇のメッカ。このOFFOFFは今から売り出しの劇団がやっと日の目を見る登竜門のような劇場だと思っているのだが、今でもそうなのだろうか、、。 さて、出し物はコミカルそれでいて多少シビアな内容である。冒頭から枕経が聞こえるとっぴな構成。死んだと思っていた男がむっくり起き上がる。どうやら生前葬らしい。 やろうとしていることは好感が持てるのだが、ど . . . 本文を読む
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突劇金魚 第16回本公演『漏れて100年』(作・演出サリngROCK)(於・こまばアラゴ劇場) 75点

2014-12-05 15:33:58 | 演劇遍歴
伊丹で見逃して東京まで追っかけ演劇。考えたら突撃金魚の作品は最近あまり見ていないのだった。個人的にはサリngROCKさんのファンでもあり、渋谷見物がてらいざ東京まで、、。 90分ほどの劇なのだが、照明もずっと暗く俳優の表情はあまり見えずじまいだった。100年か100%なのか分からないが一歩ずつ一人の男の人生を伝ってゆく展開。登場人物は4人。しかし最後には男も食べられて青鬼だけが残ってゆく。 何 . . . 本文を読む
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天幕旅団「夜よ、水際に揺らぐノートルダムの夜よ」(作・演出:渡辺望)(於・SPACE雑遊) 75点

2014-12-05 15:20:59 | 演劇遍歴
東京で見る久しぶりの演劇。場所は新宿3丁目。外は雨。中央に舞台が設営してあり、観客は四方八方どこからでも見られる仕掛けが施されている。 何かどこかで見たことのある話だなあと思っていたら、昔見た映画「ノートルダムのせむし男」だとすぐ納得。なるほどこういう話だったかなあ。 悲しいストーリーだが、強い愛の昇華の話と受け止める。童話的で素敵だ。何故だか冒頭とラストのシチュエーションがオスカーワイルドの . . . 本文を読む
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