セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 75本、 演劇 48本

ザ・ウォーク (2015/米)(ロバート・ゼメキス) 75点

2016-01-31 22:11:16 | 映画遍歴
何を隠そう僕は高所恐怖症である。最初からこの映画、ちゃんと見られるかどうか自信はなかった。でも、ジョセフ・ゴードン・レヴィットの新作。ロバート・ゼメキス。そうだ、何も考えずに見に行こう! 話は意外とイージーな展開で、それほど思索的な展開にしていない。思い立ったら止まらなくなるある青年の顛末記である。 あの、ツインタワービルに忍び込む時もそれほどスリル感はなかったが、やはり400メートルの空間で . . . 本文を読む
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さよならの手口(2014)(若竹七海)(文春文庫) 80点

2016-01-25 17:06:56 | 読書遍歴
考えたら若竹の本は本当に久しぶり。僕とは合わないものだと思い、いつもパスしてました。ところがたまた今回読む羽目になり、女中年探偵葉村昌。男並みに筋骨はすぐれ(恐らくそうなんじゃない?何回入院してもまさに不死身でっせ。)行動力は早い。そして巧みな推理力。僕はちょっとチャンドラーのフィリップ・マーロウに思いを寄せましたね。 そう、ハードボイルドであります。 話としてはこれっと言って新味はない。葉村 . . . 本文を読む
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凪の司祭(2015)(石持浅海著)( 幻冬舎) 75点

2016-01-25 16:44:20 | 読書遍歴
書くたびに何か新しいところが見られるミステリー作家、石持浅海。今回はなんと若き女性が一人で大規模商業ビルで有毒カビによるテロを実行するさまを執拗に描いている。 もはやこれはミステリーとは言えませんな。何と言えばいいのか、犯罪小説に娯楽をペイストしている感があります。 女は最初、子供のいる乳児室を狙う。そこで10数人が一瞬に死亡する。そこからこのテロ物語は始まるのだが、やはり一番安全であるべき乳 . . . 本文を読む
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劇団サニー『もう音はいらない』(作・演 玉澤千歩)(於・can tutku) 70点

2016-01-24 21:02:13 | 演劇遍歴
はっきり言って最近は音楽を聴いていなくて(聴いていても自分の好きなジャンルばっかり)この舞台の登場人物たちの年齢からはひょっとしたら半世紀ほど違うし、かなりずれているのかもしれない、、。 昨年買ったCDが斉藤和義と若旦那ぐらいで、それも新しいウォークマンに入れて電車なんかで聴いているぐらいで(ハイレゾなんか年齢から全く関係ないのに)、昔の音楽好きな時代からするとお恥ずかしい限りのつたない音楽人生 . . . 本文を読む
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ステージタイガー「アップ・ダディ・ダウン」(作・演出 虎本 剛)(於・近鉄アート館) 75点

2016-01-21 21:18:50 | 演劇遍歴
ほんと、久々のステージタイガー。以前真夏に見たときは老体の僕でも血潮がたぎる感覚を覚えたもんだ。今回はヤング高校生たちとのコラボ。これを見ないでどうする、、。 登場人物は相変わらず多いけど、大阪のどこにでもある商店街という設定はありきたりではあるが、でもそこにはやはり人間の匂いが満ち満ちている。テーマだと思われる人間の成長についても、大人になったからと、とうていそのまま人間がすっぽり変わるわけで . . . 本文を読む
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ピンクとグレー (2016/日)(行定勲) 70点

2016-01-19 21:29:11 | 映画遍歴
アイドル映画の体裁の映画だが、行定のこと、菅田もいるし、見せてくれるのではないかという期待のもと、映画館に馳せ参じました。 前半はでも少々甘ったるい展開で、やはり対象層を意識しているのでは、とも思いましたが、例の「カット」以降、脳裏が困惑し、しばらくはしっかりと映像を見ることに徹することができませんでした。映像を見ながらも一方の脳裏がこれはと、考えているのです。 何かスマホでバックグラウンド自 . . . 本文を読む
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「星読島に星は流れた」 (2015)(久住 四季 著) (東京創元社) 80点

2016-01-19 19:06:09 | 読書遍歴
このミステリーを読んでいると、いわゆる本格モノは現代では描くことはもはや難しいのではないかなんて思っちゃいますね。 孤島に6人の招待者。その島は隕石が偶然にも何回も落ちる島だという。そしてこの天体観測の集いに殺人が起こってしまう。 設定からはまさに僕の好きな本格モノです。しかし、1/3を過ぎても殺人は起こらない、、。 でも素敵なんです。僕が個人的に天体宇宙もの(宇宙物理学)が好きなのも影響して . . . 本文を読む
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無名劇団「恋人がビッグフット」(作・みずしまみほこ 演出・島原夏海)(於・ウィングフィールド) 80点

2016-01-18 21:05:30 | 演劇遍歴
金魚鉢に一匹の金魚がいる。金魚とか水族館の魚たちはみんなそんなところに住んでいるが、実際は楽しいのだろうか、どう考え、何を感じて生きているのだろう。そんなセリフがあった、、。この演劇では4,5の挿話が用意されている。 中学生の男の子。親の言うままに勉強ばかりさせられて、金魚のごとく窒息しかけている。この金魚は可哀想だからって川に放すと、死んでしまうという。捨てようと思ったが、家に持って帰る。 . . . 本文を読む
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「沈黙のエール」(横関 大 著) (2013)  85点

2016-01-16 21:18:59 | 読書遍歴
ぼくはあまり本を読んでいて泣いてしまうことはないのだが、この本のラストでそれが舞い込む。部屋で読んでいたわけではなかったので、処置に困惑する。 思いがけない犯人像も面食らったが、まあよしとしよう。それよりもなあ、あのラストはなあ、(ちとしつこいかなあ)、冒頭のシュークリームはずっと覚えてはいたんだがねえ。 最近のミステリーでは広く深くファンを包み込むいい作品でした。掘り出し物だ。こういうのが当 . . . 本文を読む
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「人間の尊厳と八〇〇メートル」 (2011)深水 黎一郎 (著)  75点

2016-01-16 21:08:08 | 読書遍歴
5つの短編集。最初の表題でもある「人間と~」が特に秀逸。日本推理作家協会賞受賞作なのも納得感大。緊張感といい、その思想ともいえる綿密な対話は所詮は賭け事とはいえ、ものすごく大きい。久々に短編を読む楽しみを感ず。 最初の1編を読むとあとはちと普通っぽい。ながしても読めるほど。この辺りも深見の魅力の一つなのだろうか。 かなりのインテリと読む。 . . . 本文を読む
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二十歳(ハタチ) (2014/韓国)(イ・ビョンホン) 60点

2016-01-16 20:51:23 | 映画遍歴
最初の方で二十歳とは人生の折り返しだという。それは正しい。年齢の半分が折り返しではない。実にながーい10代(11歳から19歳)は実は人生へのTRY&ERRなのであります。でもこの映画はそう言いながら、彼ら3人は軟弱のまま2時間浮遊する、、。 . . . 本文を読む
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カラ/フル「夕空はれて~よくかきくうきゃく~」(作別役実演出オダタクミ)(船場ユシェット座) 85点

2016-01-16 20:27:20 | 演劇遍歴
別役の定番を行きそうな不条理劇。普通の人間(一応主役たる営業マン)からはなぜそうなるの、という連続から最後にあッと驚く悲劇が用意してあった。 これは面白かったなあ。90分。緊張した時間の流れ。途中はあれっと思われるダンスがあったかと思うと、それからは佳境ののクライマックスへまっしぐら。 7人の役者が皆それぞれ立派。役に入り切っている。素晴らしい舞台だ。しかも30人ぐらいしか入らない狭い空間。俳 . . . 本文を読む
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オフィス イースト クラン「なまあたたか」(作・演出 有野黒樹)(於・アトリエS-pace) 75点

2016-01-12 22:31:19 | 演劇遍歴
会場に入ると何と舞台の上はゴミ屋敷状態。新聞紙、ゴミ袋等が散乱している。劇とはいえ、正月早々気持ちが尻込みします。劇が始まるまで観客は目の置き所がない状態です。 でもよく見ると中央に盛り上がった新聞紙の山が二つほど。ひょっとしたらこの中に役者がいるのではないか、という密かな好奇心。幕が開く。その好奇心は当たる。二人の男がむっくりと起き上がる。 一人はむさい中年青年だ。何とランニングにトランクス . . . 本文を読む
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劇団太ロウ「机上の空論」(作、演出・小濱健太郎)(於・ウイングフィールド) 75点

2016-01-12 20:28:30 | 演劇遍歴
なかなか秀逸で興味深い題名だ。だいたい演劇においては、あまり題名を気にしないんだが、今回はなぜか面白がったものである。 そして幕は開き、一人の青年がまさにデスクらしきものに座っている。ここはどこよりも心地がいいと。人類が難を逃れ辿り着いた聖地のごとく、、。 そこに現代若者を象徴するような無気力で少々ニヒルな青年が机上を頻繁に訪れる。人生懐疑論的な若者はだんだんと中庸な市民へと変貌してゆき、そし . . . 本文を読む
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演劇空間 WEAVE CUBE【 旅猫リポート】(脚本 : 有川 浩演出 : 愛甲 みなこ)(於・十三 Black Boxx) 80点

2016-01-11 21:27:17 | 演劇遍歴
語り手が猫である。彼の名はナナ。ナナからみた主人サトルの物語である。しかしサトルの心情がセリフを通して観客に伝えられることはない。ナナの主観を通してそれは行われる。 主役はサトルとナナであるが、サトル役は俳優にとっては難しい芝居である。サトルの数奇な悲しい運命はナナを通して伝えられる。僕たちはサトルの身体を通して、彼の哀しみと苦しみ、喜びを得ることになる。 それを川田はきちんとやり遂げた。だい . . . 本文を読む
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