セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

かもめ (2018/米) (マイケル・メイヤー) 85点

2023-06-30 18:23:46 | 映画遍歴
随分と演劇・映画で「かもめ」を見てきたけど、この作品が一等分かりやすく、情緒感も優れていた。 チェーホフはこの戯曲を喜劇と称している。今までずっとその意味が分からなかったが、今回何となく分かった気がする。人の気持ちはすべて一方通行、この作品ほどこれに該当するものはない。人生はコメディなんだ。 . . . 本文を読む
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ハッピーアイランド (2016/日)(渡邉裕也) 70点

2023-06-30 11:08:06 | 映画遍歴
福島ってそういえばハッピーアイランドですね。やる気なしの青年がふとしたことで福島の農家で様々な人間の営みを見続け、自分を確立してゆくサクセスストーリーです。ハッピーアイランドへの思いと共に、風評をはじめとする生の人間の中身に入っていく。見るべき映画です。 . . . 本文を読む
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記憶屋 あなたを忘れない (2020/日)(平川雄一朗) 60点

2023-06-27 20:22:34 | 映画遍歴
ちょっと気恥ずかしいような少女小説の世界を垣間見る。悪い記憶が消せたら、というテーマで駆け巡る映画世界。これが韓流だったら、どっとこの世界に溺れ込むんだろうけど、この手の話は日本映画だとよほど演出が冴えていないとのめり込めない。凡作かなあ。 . . . 本文を読む
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異端の鳥 (2018/チェコスロバキア=ウクライナ)(ヴァーツラフ・マルホウル)  90点

2023-06-25 22:10:08 | 映画遍歴
人間の生きる行為という事を考えさせられる。ユダヤ少年の苦難の歴史、彼をむしろ黒子にして、我々人間の存在の奥底に潜む悪意という逃れることのできない想念を引きずり出し、そして暴く。何と人間は暗黒の生き物なのか、と。 . . . 本文を読む
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ライダーズ・オブ・ジャスティス (2020/デンマーク=スウェーデン=フィンランド) (アンナス・トーマス・イェンセン)  70点

2023-06-25 18:45:05 | 映画遍歴
北欧の映画なんだけど、エンタメ・アクション映画にしちゃうとこんな作風になるのかな? それにしても 途中やってはいけない間違いで人を殺しておいて、あの展開はお気楽すぎるのではないか。人の営む偶然は計算できないなんて、当たり前すぎて苦笑さえできませんでした。でも2時間、退屈させない演出、俳優陣の演技は見どころはありました。 . . . 本文を読む
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月灯館殺人事件 (星海社FICTIONS)(2022北山 猛邦 著)  85点

2023-06-23 18:03:35 | 読書遍歴
うーむ、これはすごい。まさに本格ミステリーそのもの。雪に閉じ込められたクローズドサークル、西洋式7つの大罪、密室もの、首のすげ替え、そして展開はそして「誰もいなくなった」、、。これを340ページに詰め込んだ読みやすい文章。 本格好きの吾輩がこれを読むときどれだけ大切にページ送りしたことか。最後の1行で第ドンデン返しなんてあまり記憶ないけど、すごい小説です。 またまたニンマリさせられました。 . . . 本文を読む
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PLAN 75 (2022/日=仏=フィリピン=カタール)(早川千絵) 80点

2023-06-19 20:14:54 | 映画遍歴
75歳以上は死ぬことを勧めるといったいわば半強制安楽死をコメディではなく、正々堂々まともなドラマと成し得た作品です。3人の視点から見つめた生と死の慟哭は我々観客に思いがけない衝撃を与える。テーマへの切込みに拍手する。 . . . 本文を読む
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オパンポン創造社「幸演会」(作・演出 野村有志)at independed2nd   80点

2023-06-18 17:27:29 | 演劇遍歴
演劇一筋の野村が20周年、そして東京進出を記念して今までの演劇生活をフィクションだが、自分の演劇歴をかじりつつ一人の男の人生を形成した骨太の作品です。 演劇人7名のそれぞれの生き方をつぶさに丁寧に描写したのがいいね。演劇内では昔こういうドロドロした関係がよくあるとは聞いていたが、現代でもそうなのか、と言いたいとところだが、そこはフィクションと野村は割り切っている。 演劇陣にも演劇好き観客にもと . . . 本文を読む
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ダウントン・アビー 新たなる時代へ (2022/英=米) 70点

2023-06-16 20:37:04 | 映画遍歴
古き良き時代への哀悼を持ちつ、それでも人間同士のはぐくみを夢見た映画人のオマージュが読み取れる。出演者はごった煮のように溢れ、話も尾ひれを持ちながらそれぞれいい具合で完結する。あまりに、あっけらかんなので二ヤ笑いする。 . . . 本文を読む
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『行く先/後世』(2021/仏)(ルーダ・ベン・サラ=カザナス) 65点

2023-06-14 20:27:00 | 映画遍歴
現代の若者の現実を描いている。流れるままに、から自分の目線で現実を切り開いて行ける、までの成長期映画。でもこの映画の偉いところは「カネ」の本質をきちんと描いているところ。 女の子が彼と同棲し始めるのを躊躇するのもカネだし、生活するために本を書くのもカネのため。その意味でもまさに現代性を表している。即物的なのだ。 . . . 本文を読む
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あなたを、想う。 (2015/台湾=香港)(シルヴィア・チャン) 70点

2023-06-14 20:18:53 | 映画遍歴
静かな自分探しの映画です。台湾の緑島という島がいい。海、波間、岩。そこに育った兄、妹。離れ離れになってもいつかはたどり着ける。あまりの境遇の哀しみに続く思いがけないラスト。静かな涙が流れる。恋人のボクサーは少々付け足し。 . . . 本文を読む
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凱里ブルース (2015/中国)(ビー・ガン) 75点

2023-06-13 18:36:48 | 映画遍歴
2作目から見たが、この処女作は2作目の原型か。カメラの舐め方、詩情、展開などにそれを感じる。けれど、見る方も我慢を強いられるのも事実。そんな大陸的な大きさがビー・ガンの持ち味だ。中国南西部にの道路には中央分離帯がない、、。 . . . 本文を読む
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ロングデイズ・ジャーニー この夜の涯てへ (2018/中国=仏)(ビー・ガン) 85点 

2023-06-12 22:13:25 | 映画遍歴
ビー・ガン初見。噂通りの舌を巻く快作。全編漆黒の画面にゆらり動くカメラ。酔いそうになるほど。ストーリーはそのうち夢と現実と混濁しどうでもよくなる。何と言っても映像ですな。全編ポエムです。 豪雨。水。林檎。緑色の本。ザボン。卓球。ラケット。松明の炎。古びた時計。回転家屋。線香花火。うーん、もう一度見たい。 . . . 本文を読む
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大切な人を想うとき (2018/韓国)(コ・フ) 75点

2023-06-12 18:51:57 | 映画遍歴
韓国映画で、最近都会的なスタイリッシュな映画を見ることが多く、たまにこんな生活感豊かな庶民性の溢れた映画もいいものだ。途中出て来るのど自慢の歌が日本のド演歌にそっくりなのもほほえましい。いい映画です。 . . . 本文を読む
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クレヴァニ、愛のトンネル (2014/日)(今関あきよし) 70点

2023-06-12 18:34:01 | 映画遍歴
高校教師と生徒との禁断の恋。ある不幸を抱えたまま、20年の歳月を経て、、。というめちゃロマンチックな映画です。もうこの歳ではこんな映画見れんだろうと何度も思ったが、なんと最後まで見てしまう。ラストの意外性は美しく、また主題歌もよかった。まだ俺も捨てたものじゃない。 . . . 本文を読む
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