セントの最新映画・小演劇100本  

観賞数 2021年 映画29本 演劇13本

楽園のアダム (2021 周木 律 著) (‎ 講談社) 70点

2021-10-22 10:57:30 | 読書遍歴
ミステリーとして読むと、換言すれば、通常の連続殺人事件として読むと、とんでもない真相に突き当たります。最後にあっと驚かされる真相はさすが度肝を抜かされますが、そういう意味ではこれも立派なミステリーというべきなんでしょう。空白も多く、読みやすく、読むのにそれほど苦労は要りません。 もうミステリーもあまねく開発されつくし、書きづらくなっているのが現状なんでしょうか、、。 でも、僕らの身の回りにはい . . . 本文を読む
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黒牢城(KADOKAWA  2021)(米澤 穂信  著) 80点

2021-10-17 08:14:15 | 読書遍歴
米澤 穂信 、あっと驚く戦国ミステリー。440ページで結構長いが、4つのミステリーに分かれているので、読みやすい。あの、高校生の甘い清廉な心情を書いてきた米澤がジャンルの全く違う戦国ものへの挑戦はかなり驚いた。 登場人物が話す言葉の美しいこと。映画等でしか聞けない言葉だが、とてもいい。現代の言葉との差異に唖然とするばかり。 ミステリーとしては、少々強引な気もするが、まあこれはいつものこと。面白 . . . 本文を読む
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007/ノー・タイム・トゥ・ダイ (2021/英=米)(キャリー・ジョージ・フクナガ) 70点

2021-10-13 09:12:54 | 映画遍歴
クレイグシリーズは全部見ている。ラストという触れ込みなので、見落とすことのないように背筋を伸ばしてみる(大げさか)。冒頭からの入りは007シリーズでも出色の出来。ワクワクさせる。これは筋金入りだぜ! ところがその後気づいたら、なんとジェームズ・ボンドのファミリー映画・哀切ものに辿ってゆく。え、こんなの、007か、とこちとら、とても心おののく。 クレイグへのオマージュは分かるが、007愛好家とし . . . 本文を読む
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近畿大学舞台芸術専攻30期生『プンティラ旦那と下男のマッティ』(作・ベルトルト・ブレヒト 演出・松本修)at東大阪市文化創造館  75点

2021-10-13 08:57:39 | 演劇遍歴
3時間に及ぶブレヒトの演劇の魅力を十分見せつける充実作だ。主題としては資本家と労働者を隔てる黒く重い河。それを意識してか、かなり楽しく明るい色調に徹しているので、見ている間はそれをちらほら感じる程度だ。 出演者の生演奏も入り、ダンスもあり、舞台上からの二人の立小便もあり、なかなか思い切った若者らしい溌剌さを感じる。実に練習たっぷりのいい舞台だ。 卒業公演なのでみんな一つの輝く地点を目指している . . . 本文を読む
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空白 (2021/日)(吉田恵輔) 80点

2021-09-25 19:27:04 | 映画遍歴
ある事故が、被害者と加害者を作る。人間の本源に迫る問題作だ。苦しい時間が続くも、最後にかすかな微光が見える、、。 誰にでもどこにでも起こり得る事故だ。万引きで逃げる少女と、追いかけるスーパー店長、少女を引いてしまう女性、さらに巻き込まれるトラック。まさに一瞬にして人生が変わる地獄絵図だ。 少女の父親が被害者であり、しかし加害者ともなって関係者を追い込んでゆく。一番責められるべき父親が実はそれを . . . 本文を読む
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硝子の塔の殺人(知念 実希人 著)(‎実業之日本社 2021) 80点

2021-09-21 20:25:23 | 読書遍歴
今年の本格ミステリー小説の話題をさらう筆頭でしょう。500ページの長丁場、冒頭部から主人公が殺人をする叙述ものと思いきや、否そんな単純なものではありますまいと、ページを繰る吾輩。 話はあり得ぬ密室が続き、真犯人はこれぞと思わせといて、二転三転最後にひねりを加え、最後はさらに屈伸を加え、この超本格ミステリーは終わります。 やはりこれだけのミステリーを書けるということは、われわれ凡人には及ばぬ才能 . . . 本文を読む
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傷痕のメッセージ (知念 実希人)(2021 角川書店) 80点

2021-09-20 11:40:26 | 読書遍歴
まず自分の遺体を解剖するまでの臓器に加えられたメッセージとは何か、というミステリー提示に度肝を抜く。でも意外とそれは簡単に謎解きされるのだが、文章も読みやすく、ああという間に最終章へ。いいミステリーの極意である。 真犯人のひっかけもしてあるし、28年前の連続殺人が現代によみがえるというう設定もよろしい。簡単に警察機構の説明もしてあるし、読み見ごたえがあります。初めての作家だが、これからが楽しみで . . . 本文を読む
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マスカレード・ナイト (2021/日)(鈴木雅之)  70点

2021-09-17 19:42:52 | 映画遍歴
このシリーズ第1作、原作もよかったんだろうけど、ホテルという素材の蘊蓄も新鮮、しかも木村・長澤のコンビが心地よくミステリーとしても秀作だった。そして本作2作目。同じ題材なんだけど、ちょい期待しすぎかな。楽しみは大勢の旬の俳優陣をじっくり見られるところ。ファン冥利に尽きます。 . . . 本文を読む
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あの日、君は何をした (小学館文庫) (まさき としか 2020) 80点

2021-09-07 11:36:08 | 読書遍歴
読み始めるとページを自然と繰っている自分がいる。秀作ミステリーの常だ。最初の事件から15年の歳月が過ぎ、全く関係のないと思われた事件が結合してゆく。 書き込みも見事で、なかなかの力量だと思う。真犯人が思いがけない人なのと、冒頭の謎が最後に説明され、ミステリーとしては有望の作家だと思う。ミステリーはこうでなくてはね。 ところで、そのミステリーを解く三ツ矢刑事、自分の事件の謎は次回へ、ですかね、、 . . . 本文を読む
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五番町夕霧樓 (1963/日)(田坂具隆) 70点

2021-09-05 21:31:00 | 映画遍歴
当時のキネ旬3位ということで、また古い映画を観にシネヌーヴォに行ってきました。最初の字幕で木暮実千代がトップだったので、え、佐久間じゃないのか、と不思議がる。 京の故郷に人生の原点を求める薄幸の幼馴染二人の話だが、前半は昭和最後の廓話でなかなか活気がある面白い展開で、丁寧な描写を見せる。佐久間は美しい。岩崎加根子も初々しい。でも、やはり字幕トップの木暮の、水を得た魚のような立ち位置、振る舞いが妙 . . . 本文を読む
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ドライブ・マイ・カー (2021/日)(濱口竜介) 80点

2021-08-21 19:34:31 | 映画遍歴
3時間の長尺をじっくりチェーホフで仕上げる芸達者な粋な映画です。原作は読んでいないが、村上とチェーホフがせめぎあっている感じで、最近の日本映画では類を見ない純文学映画(?)を呈していてなかなかイケる。 あまり村上が得意でないのでこの映画にモノ言うには少々おこごましい気もするが、村上のセックス観がどうも少年っぽく、ざわざわ気になるのであります。特にこの作品ではテーマとしては芯となるべきで、この部分 . . . 本文を読む
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1秒先の彼女 (2020/台湾)(チェン・ユーシュン) 90点

2021-08-14 18:42:37 | 映画遍歴
最近見かけなくなっていた純愛ラブストーリーです。この手の映画は韓国にお家芸ともいえる秀作が多いが、台湾もまた違った味わいを見せ、多彩な脇役陣の魅力をバックに王道のラブストーリーに仕上げている。 普通冴えない路線バス、郵便局、私書箱などをツールに、2時間退屈させない脚本、演出は見事の一言。なかでも脇役が全員面白、おかしく、楽しんでいるように、まるで水を得た魚のように画面から伝わる。 主流はコメデ . . . 本文を読む
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復讐者たち (2020/独=イスラエル)(ドロン・パズ / ヨアヴ・パズ) 70点

2021-08-12 17:13:17 | 映画遍歴
題材からして見なければと思い、コロナ禍の映画館に行く。情念のような強い思いを感じ取ると思いきや、むしろそれは同志アンナにそれを見る。イスラエル建国に躍起するユダヤ旅団との葛藤も面白い。むしろエンタメとも取れる作品でもある。 . . . 本文を読む
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ラスプーチンの庭 中山 七里 (著)(2021 角川書店) 65点

2021-07-31 11:10:05 | 読書遍歴
いつも読むシリーズ物とは違う種類だったけど、かなり中庸のミステリーでした。思いがけない真犯人というほどではないが、それでも見えない糸を辿るとこうなってゆくという叙述にははっとさせられます。でも動機もあまり納得できないし、中山もたまにはこういうミステリーを書くんだ。でも相変わらず読みやすいですよ。   . . . 本文を読む
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復讐の協奏曲(2020 講談社 )(中山七里) 80点

2021-07-25 10:03:04 | 読書遍歴
奇想天外な設定の続く御子柴弁護士もの。今回は弁護士事務所の女性に殺人の嫌疑がかかり、ということで、相変わらずの読みやすい、展開が面白い、ラストは法廷で真実が、と及第点。そして今回はさらにあっと驚くラストが、という風に、とにかく読者を飽きさせない展開にいつも感心する。 ただね、凶器があれだと、いくら何でも警察は誤認逮捕をするのかな、と思っちゃいましたけど、、。でも、ちょっと粗削りだけど面白いから許 . . . 本文を読む
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