セントの最新映画・小演劇150本  

観賞数 2018年 映画83本 演劇66本。

悪徳の輪舞曲 (中山 七里 著) (講談社 2018) 85点

2018-11-19 20:55:11 | 読書遍歴
これは凄い。凄いです。冒頭にあのトリックを見せつけといて、、。 いやあ、こんなにダイナミックなどんでん返し。久々にミステリーファンをうならせます。ページ数も少ないし、完全に一気読みです。ミステリーはこれでないと、ね。 でもいつも思いますが、これほど理知的な御子柴礼司がなぜ猟奇的な少年犯罪を犯したんだろうか、、。これがこのシリーズの一番の謎ではないのか。 久々にミステリー的にすかっとしました。 . . . 本文を読む
コメント

探偵は教室にいない (川澄 浩平 著) (2018  東京創元社) 70点

2018-11-19 20:23:08 | 読書遍歴
高校生学園もの、日常の謎。今流行りです。 このイメージでダントツなのは(僕の好みで)米澤穂信の古典部もの。この作品も設定は似ていなくはない。北海道の自然に恵まれているところ。高校生の男女4人。サークルもバスケ。で、同種の安楽椅子ものである。 でも、全然違うんだよなあ。浅いし、幼稚だし、高校生のほろ苦く甘酸っぱい感覚がない。リアルじゃないのだ。要するに造られた青春がここにあります。ナチュラルじゃ . . . 本文を読む
コメント

ジャブジャブサーキット『ビシバシと 叩いて渡る イシバシ君』(作・演出:はせひろいち)(於・ウイングフィールド) 80点

2018-11-18 22:41:59 | 映画遍歴
一見、ミステリー仕立てという触れ込みだが、まったくミステリーではない。設定はとある廃校に偶然集まってきた人たち。みんないわくありげだが、実際そうではなかったり、何でもない風にいて実際は完全に裏があったり、いわば現代風不思議怪談でもある、のかなあ、、。 何かありそうで実際は何もないのだから、劇は最後までストーリーそのものを持たず、そのため通常の演劇のように(?)ラストにドラマチックな何かがあるわけ . . . 本文を読む
コメント

ジョニー・イングリッシュ アナログの逆襲(2018/英)(デビッド・カー) 80点

2018-11-15 17:15:14 | 映画遍歴
還って来たビーン。ようこそ。そしてまたあの変なおじさんが、デジタルの世界に背を向け、完全アナログで007張りの活躍を見せる。よくぞ戻ってくれました。 何か初期の007の雰囲気がわんさかあふれてる。もうそれだけで観客席は感無量。とにかく90分、考え、詰め込み、100%観客に上質のコミカルサービスを提供している。それが嬉しいね。 俳優陣もエマ・トンプソンのような名優をそろえ、贅沢。本人も充分楽しん . . . 本文を読む
コメント

ガンジスに還る (2016/インド)(シュバシシュ・ブティヤニ) 80点

2018-11-14 08:38:52 | 映画遍歴
78歳の父親が死期を悟る。そして、「解脱の家」に移る。その日常をガンジスの面影に寄せてカメラは寄り添ってゆく、、。 10年以上もその家に住み着いている人もいれば、短く逗留したのちにこの世を去る人もいる。そんな営みをじっくりと時にはユーモラスを交えて描いてゆく。 特に変わったこともなければ、続いてゆく日常。どこにでもあるような家族の姿がそこにある。ガンジスの川の流れのように人の営み、人生は緩やか . . . 本文を読む
コメント

冷たい檻(伊岡 瞬 著) (2018  中央公論新社) 70点

2018-11-13 11:14:01 | 読書遍歴
500ページ近い長編。登場人物が多く、最初捌き切れない感もするが、警官二人の行動が面白く、読み繋げる原動力となる。 ただミステリーとしてはおおざっぱな感じもしなくはなく、ただの読み物の域を出ないかなあ。作りものじみていて、親近感がない。 それでも冒頭とラストのシチュエイションは読者をハートフルにするテーマで心がほころびる。伊岡の面目は立った。 . . . 本文を読む
コメント

劇団伽羅倶梨『MIREN』(作・演出 徳田ナオミ) 80点

2018-11-12 18:13:11 | 演劇遍歴
いつも見ている伽羅倶梨劇団。もう10年以上?しかし、いつも出し物は人情ものでいて、新鮮。そして心にしなやかに、またずっきりと入り込む。これはもうナオミさんの日頃の精進以外の何物でもない。そんな感じが今回特に思った。 何たって、演技している役者さんたちの観客を思いやる気持ちが動作、特に表情に溢れている。演技をしようと思っていただけではあんなハートフルな情景を創れない。彼らから観客に常にメッセージが . . . 本文を読む
コメント

TheTimelessLetter「Yellow Fever」(作 リック・シオミ・演出 前田アキヒロ)(於・芸術創造館) 80点

2018-11-11 17:53:06 | 演劇遍歴
前田アキヒロ氏は翻訳ものがお好きです。これまでの劇はセンスあるコミカルでいて、楽しい。そして深い人生劇もある。今回はミステリーじみた探偵ものだが、僕はまともに犯人当てを推理していたものだから、ちょっと外れてしまいましたが、それでも楽しく明るい劇であります。 いつもながら舞台づくりが豪華で精緻。こんな舞台は終わった後、解体するのが惜しいでしょうなあ、そんなことをまず考えてしまう。贅沢な大道具であり . . . 本文を読む
コメント

極東退屈道場「808ダイエット」(作・演出 林慎一郎)(於・アイホール) 80点

2018-11-10 18:56:09 | 演劇遍歴
舞台の奥に大きく掲げられている大坂の808橋地図。ずっと思ってたんだけど、東が上にある。その架空線上には大阪城が。現代の地図とは随分感覚が違うが、当時は大阪城を東西に発展していたせいだろうか。 これに目をつけた林は西方浄土とミックスすることにより、不思議な大阪噺を見せてくれた。 林の作品は能との融合劇でも知られるように、奇想天外な宇宙的な構想に身近な話をくっつける。これがまたたまらないほど面白 . . . 本文を読む
コメント

ライ麦畑で出会ったら (2015/米)(ジェームズ・サドウィズ)  65点

2018-11-10 08:39:27 | 映画遍歴
期待して観たせいなのか、随分とのどかで主人公の心象が見えてこない。全体にオブラートをかけた感じで、突っ込まないところが苛立たしい。 サリンジャーも一高校生にサービスし過ぎで、鼻白む。題名が良過ぎたかなあ、、。 . . . 本文を読む
コメント

デス・ウィッシュ (2018/米)(イーライ・ロス) 75点

2018-11-08 18:34:41 | 映画遍歴
「狼よさらば」のリメイクらしいが、見ていないのでなかなか楽しめた。 僕はこういう復讐劇&仕事人的な映画は好きです。あれだけ映像を撮られていて、たまたまなんだろうけど、顔が映っていないというのも実にありえないと思うけれども、またその後の殺人も撮影されているんだけど、これまた犯人が分からないなんて、遺留品ぐらい残してるだろうと言いたいところだが、それを言い出したらこの映画は終わりです。 例えば瀕死 . . . 本文を読む
コメント

億男 (2018/日)(大友啓史) 75点

2018-11-07 18:11:48 | 映画遍歴
生きているとこれがなければ生活できない主体であるオカネ。それを一体全体何者?と突き詰めた作品です。あまりに日常的な対象物なので、こう理論的(?)に提示されると、フムフムそうだなと思えるも、何か騙された感もしないではない。 予告編ではあまり関心が湧かなかったが、かなりコケてるという口コミだったので見てみると、こんな面白くないテーマを堂々と真正直に捉えようとしているところは偉い。それをメジャー系のエ . . . 本文を読む
コメント

氷菓 (2001 角川文庫)(米澤 穂信 著)  80点

2018-11-04 21:19:16 | 読書遍歴
もうずいぶん前の高校生生活、あの熱くてしかし冷えた空気を感じる部室にいて、17才にして一瞬に人生を分かったと思っていたあの頃。 あれから歳月だけは過ぎ、仕事も終える年齢になっても、まだあの頃のことを思い出す。 この小説は軽やかなミステリーではあるけれど、青春のみずみずしくも、辛い気持ちを見事に表現している。これがシリーズ化しているなんて、夢のような事件です。 完全に米澤のファンになりました。 . . . 本文を読む
コメント

げきだんSー演s ?[「辛い」という字に「一 」をたす](作・演出 関川佑一)(於・アトリエS) 80点

2018-11-04 17:53:14 | 演劇遍歴
1,2回目とは全然違う色合いを見せた劇でした。調べたら初めてのオリジナル作品ということで、違って当然ですね。全く違ってたんで、ちょっと驚きました。 話はどこにでもあるようで、とても身近で、そしてテーマもある家族の出会いと死を伴う別れの話です。あまりに普通の話なんで、逆に少々驚くが、しっとりとしたいい味わいを持っている劇であります。 題名の意味は劇中で知りました。なるほど。そうなんですね。でも幸 . . . 本文を読む
コメント

ハコボレ「はこづめ」(作・演出 前田隆成)(於・ウイングフィールド) 80点

2018-11-03 20:26:41 | 演劇遍歴
設定が遠い未来の話ではあるけれど、意味深の現代青春群像劇とも言える。一つの箱に3人が真実を隠しながら生活を送っている。しかし、その日々はいつまでも続くことはなかった、、。 ラスト近くの10分ぐらいから、怒涛のように今まで静かだった穏やかな川が激流に変貌する。もう彼らには時間も、青春も、かすかな希望も、そして未来さえなくなってゆく。その最後の時間を彼らはロックを演奏し、彼らが一体となって共有しなが . . . 本文を読む
コメント