セントの最新映画・小演劇150本  

観賞数 2018年 映画40本 演劇35本。

屍人荘の殺人(今村 昌弘 著) (2017 東京創元社) 80点

2018-06-19 18:12:28 | 読書遍歴
昨年のミステリー3冠という傑作の誉れ高い作品です。ページ数も少なく、登場人物も学生が主だから読みやすい。 ミステリーでそこまで期待するのはどうかと言われるかもしれないが、でもあまり登場人物が深く描かれていないので、みんな人間的な掘り下げ方が浅いこと。そして、本格ミステリーの要素のすべてはクリアしてるんだけど、伏線の張り方が少なく、あれだけで真犯人を探求できるかって、ちょっとなあという感じもなきに . . . 本文を読む
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『それまでの明日』(原 尞)(2018 早川書房) 70点

2018-06-16 22:57:54 | 読書遍歴
ホント久しぶりの沢崎登場。これをファンは待ってたんだね。と、そろりそろりとページをめくる、、。 相変わらずのチャンドラー雰囲気の会話。これを読みたくてこのシリーズを楽しみにしてたんだ。 ところが途中で結構退屈気味になる。ミステリー色が薄く、だんだん一気読みから離れてゆく。 途中のヤクザや刑事との会話もなんだかなあとまで思ってしまう。これほど沢崎を14年も待っていたのに、ファンとして何たること . . . 本文を読む
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diorama「preserved summer」(作 本条真由・演出 本条真由・仲保樹) (於・Stageplus) 80点

2018-06-16 18:52:31 | 演劇遍歴
旗揚げ公演である。いつも新鮮な気持ちになり、期待が高く、ドキドキする旗揚げ公演は好きです。劇団の方は逆に大変なんだろうなあ、そんなきらきら感もありました。 客席は狭いのに詰め込んで、詰め込んで、これはきついわ。小さなスペースに体の大きな男性が座り込み、それから劇を見る喜びとシンプルな体に触れる(当たる)せめぎわを90分過ごしました。関西では随分久しぶり。東京ではしょっちゅうだったけどね。 で、 . . . 本文を読む
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それから (2017/韓国)(ホン・サンス) 85点

2018-06-15 21:18:12 | 映画遍歴
モノクロ映画だ。少々薄めの色調。美しい。はっとする。出だしは朝食を食べながらの妻からの繰り言シーン。男は女の顔を見れず心は宙を舞い、逃げ惑う、、。僕らはもう完全にホン・サンス世界に入り込んでいる。 相変わらず左右に動かしたり、寄って広げてゆく独特なカメラワーク。現代では珍しいむしろ古さを感じさせる感覚だ。相変わらずのホン・サンス節が炸裂する。 ところが今回サンスは時系列的に面白い不思議な取り組 . . . 本文を読む
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30年後の同窓会 (2017/米)(リチャード・リンクレイター) 80点

2018-06-15 20:33:45 | 映画遍歴
「さらば冬のかもめ」風ロードムービーです。おじさんたちの青春はまさにベトナム戦争での死を賭けた闘いのもとで育まれたもの。それは30年の歳月を過ぎても風化することはなかった、、。 いい話なんだ。でもそれらは常に死をまとっている。20歳頃だった彼らはすでに初老の年代。上りは少なく、これからは駆け落ちる急な下り坂が待っているはず。 2日前に息子を亡くした男の掛け声でまた昔のよりを戻していく過程が素敵 . . . 本文を読む
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空晴「となりのところ」(作・演出 岡部尚子)(於・HEPホール) 85点

2018-06-10 21:31:17 | 演劇遍歴
上演時間いつもきっちりと90分。これ、映画もそうですが、人間の見られる時間の基本タイムです。そしていつも人間の、人と人の機微を忘れ去られた時を遡るかのようにじっくり見せてくれる空晴ワールド。いつもいつも感心して見てしまいます。 今回はいつもの勘違いからくる挿話が淡く、いつもほど強調していない。さらりと描いて、爆笑には持っていかない工夫がされていると思った。前作を経て、山を越えたのか、ちょっと方向 . . . 本文を読む
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うんなま『ひなんくんれん』【作・演出 繁澤邦明】(於・アイホール) 80点

2018-06-10 20:28:02 | 演劇遍歴
かなり好きな劇団うんなまの最新作です。前作は結構むずい感じでしたが秀作でした。この劇団はテーマによってコロコロ劇風が変わるので注意が必要だ。 今回は避難訓練の話。マジ、30年以内に遭遇するという南海トラフの話から始まり、両親は外国へ旅行するがテロにも遭遇する。地震対策として、水、電気、ガスなどどれが一番重要か、など問われる。 うんうんそうですね。と、感心して聞いていると、何だか繁澤氏の企みに引 . . . 本文を読む
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THE EDGE「妄想恋愛小説家」(作・演出 盛井雅司)(於・ライブハウス 地下一階) 80点

2018-06-09 20:03:43 | 演劇遍歴
まあ、よくあるパターンの恋愛論劇ではあるが、狭い劇場に大勢の俳優たち。しっかりお作った観客席。手作り感が漂い、親近感がある。 盛井氏ワールドをどれだけ堪能できるか、それがこの演劇の決め手である。彼の一人パワーでは行き届かないところを他の俳優陣が見事手助けしてる。このチームワークがシンプルな恋愛群をしっかり締めている。 見ていて楽しいし、よくできていると思う。でもあの狭い地下のライブハウス、大勢 . . . 本文を読む
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レディ・バード (2017/米)(グレタ・ガーウィグ) 70点

2018-06-07 21:20:10 | 映画遍歴
何か年代が違い過ぎるのか、女性視点がよく理解できないのか分かりませんが、あまり乗れませんでした。特に新しい映画とも思えませんでした、し。これはひょっとしたら危険な兆候か。 . . . 本文を読む
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ビューティフル・デイ (2017/英)(リン・ラムジー) 80点

2018-06-07 20:48:29 | 映画遍歴
感覚的に入ってゆく傾向の強い僕としては、好きな映画かなと思いました。でも、これが女性監督だとは、ねえ。すべてにおいて過剰な作りです。中でもホアキンそのものが過剰で、どんどん膨らんでゆきます。 最初は「レオン」そしてそれから「タクシードライバー」を連想し、少女売春を根に現代の暗黒を探るという展開です。音楽も強烈で、ホアキンが乗り移ったかのようです。 あまり謎解きを真剣に考えない方がいい映画のよう . . . 本文を読む
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万引き家族 (2018/日)(是枝裕和) 80点

2018-06-03 20:24:42 | 映画遍歴
カンヌ最高賞ということで早速鑑賞。題材的には今までのテーマを再現、という感じでしょうか。特に集大成とまでは思わなかった。それほど、今までの自作をあちこち散りばめた感が強い。 敢えて言えば、僕の好きな「誰も知らない」が一番強く関係性を主張する。男の子と女の子、そして親から簡単に捨てられる子供たち。その余韻が今でもこの作品に強く漂う。 基調は世間から、すなわち我々市井の人間から忘れ去られた人々たち . . . 本文を読む
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SHOW-COMPANY「セレンディピティ」(作・演出 阪上めいこ)(於・クレオ大阪中央) 80点

2018-06-02 18:43:26 | 演劇遍歴
ミュージカルといっても時折踊りと歌が入る程度で、がんがんミュージカルではない。テーマが人の心の癒しと関係を問うものなので、ヤクザの組長でさえハートフルな人間に転身してしまう魔法をかけられ、子供にも楽しめる作品となっている。 そんなハートフルな物語とオオサカを結び付けたユニークな脚本が地元ファンに人気のある原因なんだろうなあ、なかなかしっとりして読後感も素晴らしい。稽古も十分しているようで、セリフ . . . 本文を読む
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妻よ薔薇のように 家族はつらいよ III (2018/日)(山田洋次) 80点

2018-06-01 21:00:27 | 映画遍歴
確かに熟成度が高い。もうあたりきりで使い古しの人形の家ノラが今回の主人公であります。卑近過ぎます。身につまされ過ぎます。いい加減見たくもない話です。でも、2時間きっちりと現代の寓話にしてしまう山田のしたたかさに僕らは唸るだけでいいのか、、。 自転車に乗っている夏川結衣は少しふっくら顔になってきています。もう若くはないです。ということはそれ以上に僕もずっと年を取ってきているんだなあと一瞬思う。山田 . . . 本文を読む
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海を駆ける (2018/日=仏=インドネシア)(深田晃司) 60点

2018-06-01 20:27:13 | 映画遍歴
今一番気になる深田の新作。だが、なんと、これは、どう評価すればいいのか。昔、園子温がたまにこういう珍作を作っていましたが、深田も彼の創作欲が広いのは分かるけど、今回はちょっと深みが足りませんでした。 いろいろ問題提起はしているけど、まるで繋がらない。そして悪戦苦闘してラストに。最後は題名通り実際「海を駆ける」んだが、これはキリストの「海を歩く」を連想しますよね。 海を歩くキリストを見て弟子たち . . . 本文を読む
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モリのいる場所 (2017/日)(沖田修一) 80点

2018-05-28 20:31:13 | 映画遍歴
大好きな沖田作品。今回は画面に大写しの昆虫がたびたび出現する。主人公モリから見た庭の自然の営みがありのまま映されるのだ。他愛ない映像の連続なんだが、画面から息吹を観客はもらう。映像から自然の恵みをもらうという稀有な作品である。 ラスト、モリ邸をカメラが高みから俯瞰する。人間の営みも全く昆虫のそれと同化し、人間の優位さなんて全くないなあなんて感じさせる。素晴らしい自然賛歌映画であります。その呼吸感 . . . 本文を読む
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