セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

カラフル (2010/日)(原恵一) 80点

2010-08-27 14:45:28 | 映画遍歴
絵がきれいだ。特に玉電とか激安スニーカーショップを巡る東京の小トリップの色使いがみずみずしく、魅せられた。身近な町にもいろんな色があるんだなあと、まさに題名通り感銘いたしました。 こういう死後に到る審問所の話は興味あるし、面白い。アニメだからこそリアルでもある。そして話は全く知らない中学生の身体に棲み込んでしまう魂の話だ。6か月の命。さてどう生きてゆくのか、、。 と、設定はとてもワクワクするほ . . . 本文を読む
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ぼくのエリ 200歳の少女(2008/スウェーデン)(トーマス・アルフレッドソン) 80点

2010-08-27 10:56:53 | 映画遍歴
この作品のユニークなところは人間とヴァンパイアとが共棲しているということである。人間としてエリを養う男。愛するエリのため血を求めて町を流離い、定期的に住処を変えている。 エリは経年齢化のためか目立って衰えてきた男の仕事ぶりを責めてさえいる。そんな一見コミカルに見えてしまう冒頭シーン。 しかし、作品はエリより照準をオスカーに合わせている。オスカーの孤独感、生きることの諦観まで感じられる映像を通し . . . 本文を読む
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瞳の奥の秘密 (2009/スペイン=アルゼンチン)(ファン・ホセ・カンパネラ) 80点

2010-08-26 15:14:44 | 映画遍歴
男と女の愛の時間。結婚して一緒にいるのが当たり前になってから特に何も感じなくなっているのが通常だろうけれど、この映画のように愛妻を突如亡くした男が辿り着かねばならなかった愛の巡礼歳月。それは果てしもない人間の心の遠吠えを聞いているようだ、、。 映画はその殺人事件をベースに、秘められた愛の姿をオーバーラップして行く。何と、こちらも25年をかけた歳月をかけてやっと獲得したひとひらの花びらのような心も . . . 本文を読む
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キャタピラー (2010/日)(若松孝二) 80点

2010-08-20 15:10:28 | 映画遍歴
この映画は、ある夫婦の濃密な話とも取れるし、こういう夫婦・村組織いわゆる国民ムラを形成してしまった大日本帝国の犯罪話とも取れる。【若松孝二】の叫び声は執拗で、くどく、ストレートだ。 夫の脳裏に浮かぶ悪夢は何度も同じ映像が出現し、それは稚拙さも持ち合わせているが、それでもそのストレートなほとばしりは有無を言わせぬ強さを持っている。 この作品は反戦というテーマを超えてある夫婦を描き切っていることに . . . 本文を読む
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ヤギと男と男と壁と (2009/米=英)(グラント・ヘスロフ) 70点

2010-08-20 13:36:27 | 映画遍歴
このトンデモないジェダイ計画をあの「スター・ウォーズ」の【ユアン・マクレガー】が語ってゆくという出だしはとてつもなく期待させるものがあるが、名高い名優たちがかなり乗り気で演技を滑らしてゆく下りが、日本人には距離感を感じさせるものがあるのか、その余裕さに逆にタジタジとなってゆく自分。 ジェダイ計画とはつまり超能力開発計画のことである。まあ、実際現実に存在するだろうことは想像できるが、こう茶化して . . . 本文を読む
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iPad購入記

2010-08-15 10:56:39 | 徒然に、、
先週木曜日ふと梅田のヨドバシに寄る。何となく売り場を歩いていたら最近発売のiPadなるものがあった。 今結構ノートを所有しているが、出張に行くときなど1キロちょっとの重量のノートを持ち歩いている。ノートでは1キロというのは最軽量でこれ以上のものはないというのが現状。 旅行中は他に荷物もあり、ほんとノートなんか持って行く気にもなれない。しかし、ホテルでノートがあると便利なのは言うまでもない。今は全室 . . . 本文を読む
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光媒の花(道尾秀介著 集英社 2010) 85点

2010-08-13 10:39:09 | 読書遍歴
6章に分かれる短編集だが、それぞれ関連性はあり、全体としてもよくまとまっている。前半がミステリーっぽいいわゆる道尾らしさが全体にあふれ、ちょっとしたトリックも行使し秀逸。むさぼるように読む。 後半は兄弟愛というか、人間本来の愛についての叙述が多くなり、前半とは好対照とも思える雰囲気。これほど細かなそして暖かい道尾を読むのも久しぶり。最終章はいかにもそれまでの集大成といった感じでこの小さな空間だけ . . . 本文を読む
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グッドモーニング・プレジデント (2009/韓国)(チャン・ジン) 80点

2010-08-12 13:18:31 | 映画遍歴
【チャン・ジン】の作品は今まで3本見ていて評価はすべて4。結構心に沁みるいい作品が多い。中には『ガン・トークス』のようにカッコよく洒落た作品もある。目指すところが恐らく僕と合ってるんだろうし、何より映画に対するセンスが抜群に優れているのだと思う。 この作品も3代の大統領をオムニバス的に描いたものだが、視点が大国的な大きさを有しており、まるで西洋の国の大統領を描写しているように優雅で余裕がある。こ . . . 本文を読む
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ガールフレンド・エクスペリエンス (2009/米)(スティーブン・ソダーバーグ) 80点

2010-08-11 15:23:27 | 映画遍歴
『トラフィック』以外、僕と相性の悪い【ソダーバーグ】の新作。さて今度はどんな作品を、と思っていたら何と40年ほど前に時間を遡ったかのような懐かしきアート映画であった。 所は文化、経済の中心地ニューヨーク。所得多きビジネスマンは高級エスコート嬢を得て日夜仕事に励む。男たちと接するチェルシーもある意味すべて男たちと対等だ。へりくだることなく報酬は受けるが、ただ悩みを聞いてあげるだけの女の子ではない。 . . . 本文を読む
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演劇を今週は3本。

2010-08-08 13:57:39 | 書きとめ日記
恐らく初めての経験だと思う。何と演劇のハシゴを月曜日に。金曜日にはまた演劇を1本。結局週に3本も演劇を見てしまったことになる。これは僕の長い演劇鑑賞歴史でも初めてのこと。 まあ、たまたま見たい演劇が重なったことと、大体僕は平日しか演劇を見れないのだが、3本の内2本は平日の昼間の上演だったからなのである。3本の内、空晴はずっと追いかけている劇団だが、他の2劇団は初めて。でも、演劇という何かを作り出 . . . 本文を読む
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インシテミル(2007 米澤 穂信・著 文芸春秋) 75点

2010-08-08 13:07:55 | 読書遍歴
冒頭から時給112000円で応募する12人の若者たちという設定に惹き込まれる。そして暗鬼館での7日間の恐怖。そして連続殺人。彼らは無事脱出出来るのか、手に汗を握る展開だと思ったが、中間は結構一本調子。人が死ぬごとにようやく僕の胸も高鳴り始める。 12人だからミステリーの常道、一人づついなくなり最後に誰かが残る、あの展開を想定していたら、そんなベタなこととはならず、意外と最後はみんなが富みを得て終 . . . 本文を読む
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DRYBONES第4回公演 「オカリナJack&Betty 」(作・演出 竹内銃一郎) 75点

2010-08-08 12:54:50 | 演劇遍歴
冒頭からチェーホフの「ワーニャ叔父さん」の集団朗読。この劇団のやる気を見る。 普通の家庭のリビングに10年前の小学校の教室、そしてバラバラ事件を担当する警察の捜査本部が舞台設定。 演劇では珍しく競馬がネタになっている。誰か好きな人でもいるのだろうか、結構オタクぽくて面白い素材。トウショウボーイがオタスエマンと言われていたなんて知りませんでした。 みんな関東人なの?と思えるぐらいきれいな標準語。今 . . . 本文を読む
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 空晴第六回公演「ボクのサンキュウ」(作・演出 岡部尚子) 80点

2010-08-05 16:13:07 | 演劇遍歴
劇は相変わらず熱狂的で家族的なファンで埋められ、しかも空晴始まって以来の9人出演という魅惑的な構成。期待は否が応でも高まりました。 出演者が9人全員男性なのに母性を考えさせる秀逸な現代劇で、笑いと涙で場内の暑さも忘れました。 客演の方々の実力のほどはもうスゴイとしか言えないです。 でも、上瀧昇一郎さんの抑揚のある人間味溢れる演技は客席の心を釘付けにしてしまい圧巻でした。 舞台の広さが今までの倍はあ . . . 本文を読む
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ステージタイガー旗揚公演「ボディ&ビルディング」(脚本・演出:虎本 剛) 75点

2010-08-05 15:58:07 | 演劇遍歴
いやあ、とにかく人数がすごいのって、15人ほどが狭い舞台を占めている。話は少々うらぶれたボディビル場で出来事です。いかにもヘンな話なんだが、もうみんなの汗とつばと何より想いが狭い客席にジーンと伝わってきて、2時間近く場内は熱い体育館の雰囲気でした。 僕はこの演劇初めてだったんでいつもこんな肉体系の舞台をしているのかどうか分かりませんが、練習中も大変だったんだと思います。しかも大阪の真夏の上映。 . . . 本文を読む
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ボローニャの夕暮れ(2008/伊)(プピ・アヴァティ) 80点

2010-08-05 14:37:59 | 映画遍歴
ちょっと不思議な映画なんですね。まずベースはイタリアの戦争末期の解放期。レジスタンスとムッソリーニ体制側との闘争。そしてレジスタンスによる体制側への処刑。日本では想像できないぐらい激動期でもあった。 そんな不安定な時代に、娘可愛さのためボーイフレンドまで買収するぐらい娘を溺愛する父親。美貌であるがゆえに家庭の鞘に納まらない妻。そんな母親を無意識に嫌悪する娘。そして情緒不安定な娘は恋愛騒動を起こし . . . 本文を読む
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