セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 79本、 演劇 51本

空晴「明日の遠まわり」(作・演出 岡部尚子)(於・HEP) 80点

2019-08-31 20:16:41 | 演劇遍歴
もうかれこれ20年以上見ている劇団で、僕の演劇人生の基流となる劇団である。彼らと知り合ったのが、彼らが20代、ということは僕の40代ということになる。その彼らがすでに40代になっているのだ、、。 毎年見ているのでしかとわからないが、彼らにも肉体の変貌はある。男性陣は見事に風流になってきているが、代表の岡部さんはここ2,3年大変貌を起こしている。今日も素敵で妖艶である。 さて劇の方はというと、こ . . . 本文を読む
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海のホタル【遊劇舞台二月病】(作・大竹野正典 演出・中川真一)(於・」ウイングフィールド) 80点

2019-08-25 19:55:09 | 演劇遍歴
今年大竹野作品を何本見ただろうか、、。彼の作品でも事件もの(この種類が一番多いような気もするが)は演出によってかなり印象が違って見える。 今回はシリアス調に演出している。他の作品に見られるような時代を強調したコメディタッチにはならない。あくまでリアルに徹している。重く、いや重苦しく、壮絶でさえある。 他の作品と違い、同じ事件ものでも、今回はカネのために自分の息子まで殺害するのである。この部分が . . . 本文を読む
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黄色団「クワッド・リフト」(作・演出 近藤輝一)(於・IKSALON 表現者工房) 80点

2019-08-18 21:56:11 | 演劇遍歴
大阪の猛暑、寺田町を歩く。汗が飛び散る。駅から10分程度で劇場へ。ちょっと間違えたらどこに行くかわからない大変なところにある、と思う。前回は迷い迷って1時間。今回は試練が効いて問題なく到着。それにしても暑い。熱い。劇の方も篤い!! 4人のある会社員による何か不思議な演劇である。シュールで、現実的で、それでいて愚弄的で、コミカルでさえある。とにかくセリフ量が半端じゃない。2時間弱、俳優たちはこの膨 . . . 本文を読む
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イノセント・デイズ(早見 和真 )(2017 新潮文庫) 80点

2019-08-15 16:23:54 | 読書遍歴
よく書かれてる。しかも、ミステリーの形式をきちんと取り入れており、まずまずの本格といっていいミステリーです。 長尺なんだが、嘘ら言のない文章が読ませます。一日で読み切るという超一気読みです。それほど秀逸な作品であることが分かるでしょう。 よくある再審請求結実という凡庸な結末を採らず、死刑執行直前において彼女が初めて自分に勝ったというテーマは本当に感動します。最近稀な拾い物のミステリーです。 . . . 本文を読む
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『ピータールー マンチェスターの悲劇』(2018 マイク・リー) 75点

2019-08-14 19:57:39 | 映画遍歴
お気に入りマイク・ リーの新作。今までの作品とは180度違えた歴史人間劇。登場人物は多数で、主人公はこの作品に登場するすべての人たち。それほど徹底した不感情移入作といえようか、そこにあるのは距離を置いたリアリズムである。 200年前の出来事ではあるが、現在世界のどこにでも起こっている政治状況を見つめた作品である。やはり今起こっている香港デモだったり、北京の天安門虐殺事件を思い起こさせる。&nbs . . . 本文を読む
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おまえの罪を自白しろ(真保 裕一 著)(2019  文藝春秋) 75点

2019-08-12 23:17:09 | 読書遍歴
面白いし、わくわくさせる読書の醍醐味が味わえるも、ただあのラストの犯人のあっけなさに少々違和感も覚える。いかにも感も漂いますなあ。 ただ、政治を娯楽として語るストーリーテラーとしてはさすが一級品です。読ませてくれます。 . . . 本文を読む
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伊藤えん魔プロデュース「百物語2019」(作・演出 伊藤えん魔)(於・independed2st) 75点

2019-08-12 23:11:35 | 演劇遍歴
夏の定番といえばえん魔さんの夏物語。今年は、臓器移植専門の病院でのホラーです。 こう書けば、どういう展開か見えて来るでしょう。 そうなんです。いやいや臓器を提供させられた女性の怨恨騒動。 こういう 肩に力が入らない演劇でも不思議とみんな、熱演する。キチンと演技してる。立派です。けれど、話としては見え透いてるので、、。  演劇より、後半の極みもの映像 の時間が長く、 劇場を出ると、2時 . . . 本文を読む
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ため息に溺れる (中公文庫)(2018 石川 智健 著)  70点

2019-08-08 10:29:56 | 読書遍歴
読みやすいし、プロットは面白いし、主人公の女刑事のつぶやきも素敵で、なかなかの作品でした。ただ、解決篇がすべて技巧の連続で、いかにもの感もする。 でも一番謎だった、2回の刃物処理が斬新でしたね。だが、自刃と他人歯との区別は現代法医学では簡単に区別できるのでは。また、あの殺人誘導もできすぎてるし、、。 ばあ、真夏の夜の読みものとしてはまあまあです。 . . . 本文を読む
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恋に笑いに涙あり フルポンの夏休み(劇団フルーツポンチ)(作・片山 穂郁他・演出 早野 梨奈) 75点

2019-08-05 23:17:28 | 演劇遍歴
青春の明暗。前半の劇はとても楽しく、明るく楽しい。まさに青春している人しか書けないし、演じられない。そんな輝きがもう老成した吾輩にはまぶしすぎる。ラストはかわゆいすぎる。でもそんな輝きを見たいがために演劇を見ているのだ。ナイス演劇だ。 後半劇。ぐっと色調が変わり、現代のブラックを執拗に描く。この変わり身にハッとする。どうなるんだろうと心配するが、まあ時間軸をさかのぼりまとめている。青春の暗部がま . . . 本文を読む
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マーダーズ(2019 長浦 京 著) (講談社) 75点

2019-08-04 09:09:07 | 読書遍歴
日本ではあまりないクライム小説で、このあまりに特異な設定とストーリーに魅了され前半まであっという間だが、如何せん登場人物が多すぎてそのうちごっちゃになってしまいました。で、前のページを繰ったりして、人物を確かめたりしていたら、ペースがかなり落ちていきました。 ラストにかけての展開はちょっといかにも感が漂うが、それでもこういう小説が日本に誕生したことは褒められていい。冒頭に登場人物説明があれば断然 . . . 本文を読む
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