マンションに入っている人たちの厭な話なんだよね。登場人物が見事みんなどこか欠点を持っていてしかも俗物。小説の主人公としては気持ちが乗らないいやあな小説である。
しかしこれが読み始めたらやめられない一気ものだからこの作者、読者のいやあなつぼを心得ている。一応スリリングなホラーものとも言えるんだが、しかしどこか小さなスケールで、小さくまとまっている。
ところがこれが厭で仕方ないのに自然と先に先にと . . . 本文を読む
今年の梅雨入りは少々気が早いのではと思ってしまう。長年生きているとだいたい季節の変化は体で覚えているが、天気図を見ていても梅雨前線は日本列島の遠く南に控えておりまだまだ上がってくるような気配もない。最近の雨模様は西からの低気圧が繰り返し来ていることによるものだと思われるが、こういうのも梅雨入りのファクターになるのかなあ、、。今年はさらに超強力な台風が季節外れに日本列島を窺っているが、、。
話は変 . . . 本文を読む
今年の芥川賞の作品である。風貌から生い立ちから文体まで随分両極端のお二人で、それだけでまず話題になったことは間違いない。だいたい僕は芥川賞に感心はそれほどでもなく、通常は作品を読むことはないのである。ところが今年に限っては読んでみたくなった。やはり西村氏の賞獲得という触れ込みが原因だろうが、何となく気になるオッサンなのである。
作品の方はというと、「きことは」とは貴子さんとと永遠子さんとの合成語 . . . 本文を読む
随分と凝った映画作りで、映画オタクのための映画とも言えるぐらいの重層的な造り込みだ。何と、この映画は人間が死ぬ時に思い浮かべるタラレバの世界を何通りも映像化して見せるのである。
例えば、最初は結婚を繰り返しているのかなあと思っていたら、それらはタラレバの世界なのである。しかも自分の幼児の両親の離婚もタラレバしているので輻輳しており、一体全体(数えてはいないけれども)何通りの人生を映像化しているの . . . 本文を読む
『レスラー』が静なら本作は動、と対照的な作品です。シンメトリーがお好きな【アロノフスキー】、今度は鏡を使い、人間の内部を解体し、うごめく。そう、人間の脳裏には実にさまざまな万華鏡がからみ合っている、、。
冒頭の電車で映る同僚バレリーナが自分の姿の裏返しといったところから鏡ごっこが始まる。それはチャンスをもぎ取った者に絶対現れる脳裏現象なのだ。驚愕、喜び、絶頂、即現れる不安、けれど欲望だけは際限な . . . 本文を読む
愛の映画だなんて、そんな生易しいものではないだろう。この映画は、男と女のある一つの出会いと別れの話であり、それを風景として映像化した息の詰まりそうな厭な映画でもあります。
ある一日の夫婦の生活。まだ若そうな二人なのにいかにも倦怠期真っ最中のようでもある。そんな鈍い日常の流れも愛犬の失踪でプチっと糸が切れたように、女は新しい空気を吸いたいと男に背を向け始める。
男はまだ未練があり、女に揶揄し付き . . . 本文を読む
ある人物の巨額の遺産相続にかかわる物語だ。子供時代のキャンプファイアーに参加した5人に「あること」を思いだした一人に全額それが相続されるという。そんな奇抜な設定のミステリーにやはりふとその本を手にしてしまう人が多かったはず。
ところが300ページぐらいの小説なのに読んでも読んでも人が死なない。まあ人が死ぬだけがミステリーじゃあないですが、ちょっとそこらのミステリーではないことにそのうち気づくこと . . . 本文を読む
冒頭の連続幼児殺人事件の偽装から始まるこの映画。悪徳警官モノといってしまえばそれで終わりだが、どうも主人公がぐにゃぐにゃしていて気持ちが彼に入って行かない。そのためか、主人公がどんどんどつぼに入っていく展開も心が離れていく、、。
これだけ登場人物が全員悪者といった設定はある意味、キタノ映画を思い起こさせるが、この映画、そのたたみつける演出は見事だが、キタノのような美学には乏しい。それはキタノのよ . . . 本文を読む
連休が始まり、近くの遊園地や緑豊かな公園で遠方から来た家族ともども毎日遊んでいます。あっという間に連休も終わりました。遊んでいると時のたつのは早いものです。
バラも次々と咲き始めています。この写真はチャールストンという種類です。黄色から赤色そしてピンクと色が変化する不思議なバラです。昨年はうどんこ病で真っ白でしたが、今年は勢いがいいです。
Aさまのご意見を聞き、元肥に油粕と骨粉を入れました。そ . . . 本文を読む