セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

search/サーチ (2018/米)(アニーシュ・チャガンティ) 80点

2018-10-31 19:53:04 | 映画遍歴
上映時間のほとんど、映画館の銀幕がパソコンモニターであるという至近性、日常性、さらに指の動きに伴う心理までを、見慣れた画面に収束するやたら人間的な映像群でありました。こういうものは最初にやった者が勝ちです。 まあ、見終わった後では、突っ込みどころの多い代物ではありますが、(捜索場所の誘導など)ミステリーらしくちゃんと伏線も用意してあり、意外な犯人も出現し、なかなか錬られており秀逸。 さらに、あ . . . 本文を読む
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あいあい傘 (2018/日)(宅間孝行) 75点

2018-10-29 20:35:16 | 映画遍歴
宅間孝行初めての監督作品でしょうか?冒頭からのモノクロの映像といい、アニメの色彩の良さなど導入部が素敵です。 カットバックの多用は少々気になったが、それでもこの作品のキーとなる謎解きの伏線なんだからとしっかりと見る。 市原の例の頑張り演技も一本調子で少々鼻についたが、ラストでうまく収めてくれる。倉科カナは雰囲気はいいが、役が大きすぎる感じもしないではない。結局いいところ取りは原田知世に全部回っ . . . 本文を読む
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音量を上げろタコ!なに歌ってんのか全然わかんねぇんだよ!! (2018/日)(三木聡)  60点

2018-10-29 20:17:22 | 映画遍歴
期待してなかったんだけど、でもそれほどでもの感想が妥当か。 冒頭からの10分は、やはり練りに練っている感じがして面白かった。(あれって、「キャリー」のオマージュ?)ここで精力を使い尽くした感のあるそれからだが、ふせえりと松尾スズキに救われる。肝心の阿部サダヲにこういう役柄だったらという期待もむなし、エネルギーを感じないし、吉岡里帆って、どう考えてもシンガーに思えないし、どうも盛り上がらない。麻生 . . . 本文を読む
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WakuWaku 「一号棟一階南角にその保健室はある」(於・高槻現代劇場) 70点

2018-10-28 20:44:33 | 演劇遍歴
シニアだけの年齢構成による現代の教育を問う劇でした。 達者な人もいればずぶの素人っぽい人もおり、それが結構魅力となるユニークな劇団です。教育とはいえ、それほど深いテーマを追求したものではなく、演劇の勉強の基本を勉強したいという理念で出来上がったような劇でした。 演技する方も楽しんでるし、観客も知り合いが多いような雰囲気で、純粋に演劇を観ようとしていた僕は少々引きかけたが、それでも彼らの熱心さは . . . 本文を読む
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棲月: 隠蔽捜査7(2018 今野 敏 著) (新潮社)  85点

2018-10-27 22:02:07 | 読書遍歴
相変わらずスピーデーで、気持ちよく、痛快で一気読みのできる数少ないミステリーであります。通常のミステリーとは謎解き部分が少ないが、読ませる熱意と努力はたいしたものだ。 本作は敢えて難しいハッカー事件に立ち入り、見事精密で面白い読み物にしてくれた。途中での竜崎が温かみを感じる人間になっている描写は特筆ものだ。彼もそこらの人間と変わらない血の流れを持っているということだ。 ラストの、竜崎が警察署か . . . 本文を読む
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劇団太陽族「ト リ ビ ュ ー ト」(作・演出 岩崎正裕)(於・ウイングフィールド) 80点

2018-10-27 20:36:17 | 演劇遍歴
ビートルズの音楽に啓蒙されて出来た4編の短編。軽妙でコミカルなものから何やら深いものまである。何せ大阪中央郵便局前で、盆踊りまでやるんだから。一種の夢の中状態である。 音楽はビートルズにしては激しいものからポップスなものもある。聞きほれていると小さくなり劇が始まる。そのリフレイン。でも心地よい。 それほどテーマ性がある劇ではない。むしろ散文でいうところの随筆と言おうか。自由である。だから冒頭三 . . . 本文を読む
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散り椿 (2018/日)(木村大作)  75点

2018-10-24 20:40:05 | 映画遍歴
思ったよりよく出来ていた。途中説明調になるのが惜しいが、ミステリーじみた妻の遺言など男女の愛を芯に据え、映像美を堪能するとともに、加古隆の音楽も壮麗で十分楽しめた。ただ、西島のあの死に方といい、ラストの予定調和は少々鼻白む。 全員手書きのクレジットは面白い試みだ。スタッフ陣のこの作品への愛情を感じる。 でもつくづく思う。こういうメジャー映画では例えば演技派新井浩文や柄本時生のちょい役で意味のな . . . 本文を読む
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(StarMachineProject「Heimat-ハイマート-」(映像・作・演出 赤星マサノリ)(於・HEP) 80点

2018-10-24 20:08:44 | 演劇遍歴
一体故郷はどこにあるんだろう。ふるさととはいったい何なんだろう。 詩劇というか、ポエムなんだろうなあ、コミカルでいて哀しくてやはりおかしい。ずっと故郷というひとつのテーマを追求している。 想像していた以上に映像はそれほど驚かせるものではなく、むしろおとなしめだ。俳優のクローズアップなどが多い。 バランスの取れた俳優の布陣で、劇は深く流麗に進行する。途中流れる「うさぎ追いしあのころ、、」がなか . . . 本文を読む
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あん (2015/日=仏=独)(河瀬直美) 80点

2018-10-21 08:47:32 | 映画遍歴
河瀬直美作品にしてはとても素直で、人物に寄リそうように撮っており、入魂のドラマとなった。 疑似家族ともいえる3人に次第にフォーカスしてゆくが、彼らがしっかりと見つめるのは自然の木々であり、ひとの営みであり、大きな流れの人生であった。風にそよぐ木々。1年を通して描かれる桜。徳江はソメイヨシノとなり、いつまでも彼らと共にある。 この、いつもは怖いとまで思える木々のそよぎの河瀬の映像が今回は実に優し . . . 本文を読む
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あの頃、君を追いかけた (2018/日)(長谷川康夫) 75点

2018-10-20 18:57:25 | 映画遍歴
数年前に見た映画のリメイクです。題名だけ覚えていて、すこぶる素晴らしい青春映画だとの印象があった。見ている間、知らない俳優ばっかりだし、結構新鮮だ。場所設定も地方ののどかな感じが出ていて、意外と見れる。 そして、ところが、例のラストの結婚式シーン。あのとてもみずみずしい感動シーンを急に思い出す。前作同様怒涛の涙が溢れる。ああ、そうか、このリメイク映画の原点はこのシーンにあり、なんだ。それからは、 . . . 本文を読む
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コーヒーが冷めないうちに (2018/日)(塚原あゆ子) 60点

2018-10-20 18:44:12 | 映画遍歴
話は突飛で、とてもファンタジック。冒頭の波瑠のエピソードも快活で躍動感がある。しかし、それ以降、、、 何だか、リズムが感じられない。いい俳優陣を使っているので、彼らに頼っている感のおとなしい演出。なんか、嘘っぽい。(もちろんこういう話だからリアリティはなくて当然なんだが、それでもしらける展開) あの席に陣取る石田ゆり子をもうちょっとうまく生かせなかったかなあ。(現世に帰れない彼女の苦悩ぐらいは . . . 本文を読む
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血槍富士 (1955/日)(内田吐夢) 80点

2018-10-18 22:25:00 | 映画遍歴
ラストの20分までは、通常のロードムービー。お侍が下々の暮らしもいいなあと思ったところから、お侍の否、内田のパッションが爆発する。それからはもう見事というしかない。お手盛りのテクもリズムもみんな捨てて、内田は怒涛の荒れ野に驀進する、、。 . . . 本文を読む
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たそがれ酒場 (1955/日)(内田吐夢) 75点

2018-10-17 18:37:07 | 映画遍歴
グランドホテル形式を採った映像は日本映画にしてはモダンで冴え渡り、西洋映画を見ているようであった。新東宝映画というのも貴重で映画素材的にも、俳優の豪華さからももっと評価されるべき映画だと思う。 ただ、ラストの説教がこの形式のリズムを壊しているし、途中津島恵子のストリッパー舞踊シーンは度胸がなさすぎ、いかにも退屈。当時はあんなもので喜んでいたのだろうか、、。 とはいえ、当時の世相もよく分かるし( . . . 本文を読む
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イコライザー2 (2018/米)(アントワン・フークア) 75点

2018-10-17 18:25:45 | 映画遍歴
結構こういう仕事人の話って、好きなんだ。前作も身を乗り出してみた記憶があるけど、今回はそれほどでもなかったかなあ。でも、やはり凛々しくカッコ良い。デンゼルはこの監督と相性がいいんだろう、メチャ乗ってる。前半が良過ぎて、ちと後半がだれる。   . . . 本文を読む
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日日是好日 (2018/日)(大森立嗣) 85点

2018-10-16 18:36:11 | 映画遍歴
この映画の題名の意味を、主人公たちと一緒に考える旅をして来ました。彼女たちと同じようにやっと僕も分かりました。この2時間そして二十四節気のいとおしいことよ。どこにでもいる普通の女性のスケッチなんだけど、茶事を通して陰影深く、これぞまさしく人生。 . . . 本文を読む
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