奈良の方向に生駒山が美しいです。 . . . 本文を読む
ジョー・ライトでなきゃこの映画見てませんって。現代におけるアンナの意味合いを考えるに、とかこんな古臭い題材をどう料理するの、というのが多少の興味でした。で、ライトはこれを劇中劇でうまく逃げたんだね。
映画的にもやはりこの手法は面白いんだよね。アンナの話は架空であり、しかも劇中劇=ミュージカルのようなモノ。それほどシリアスに構えないでも見られます、と。うーん、そうすると安心かな。
映像は、それは . . . 本文を読む
主人公のフィリッポが背も高くなく、どこにでもいそうな若者で新鮮だ。海も青くいい。しかし、映画の根本は難民をどうするかという政治的テーマに絞られてしまい、映画的には不満が残る。
書き込みが足りないのである。本土からやってきた3人組の若者たちも特に触れあいもなく不完全で(あの男ども二人は幽霊か)、女性が帰る見送りシーンもただワンカットがあるという感じ。ここでは若者の青春を湧き立たせなければならないは . . . 本文を読む
冒頭、映画ツールのはじまり、根源的なモンタージュが示される。人生とはその役柄を演じることである様式の様々なエピソードが10以上も映像化される。人生とは虚飾であり、われわれが生きていることはすなわち仮面の世界である。そして映画はそれを虚像として我々に示す、、。
この映画は、人生とは、という人間を考察したものではない。ましてや人生の悲哀をつぶやいたものでもない。人間を通して100年以上描き続けた映画 . . . 本文を読む
やはり両足切断後のCG映像がどうしても目に付いてしまう。しかしほんとに自然で驚いてしまう。話の方はというと、まあ障害者でなければ普通の恋愛映画なんでしょうね。しかし導入部からのカットを多用した編集が映像感覚を研ぎ澄ませ、魅せる。
男の僕はどうしても(女性もそうかもしれないが)両足のない人とのセックスが(興味深いというわけではないが、)何故か印象に残った。映像では通常のセックスと受け取ったが、やは . . . 本文を読む
何も期待せずにただただ下北の演劇を楽しもうと見た舞台。これがよかったんだなあ。僕の知らなかった炭鉱場でのスカブラという職業。ふーむ、こういう芸があったんだ。なるへそ、とそりゃあ面白い。一気に魅入られる。
11人ほどの出演者。みんな個性的で、それでいてみんな生き生きしてる。目いっぱい稽古したんだなあっていうのが分かる。それほど熱いものが観客席に伝わってくるのだ。こういう時が演劇の醍醐味。そしてこの . . . 本文を読む
予告編を見た時からイヤあな映画だなあと見るのをためらっていた。こういう冤罪モノってそもそも嫌いなんだよね。で、いろいろ避けてたんだけどけれど、結局見てしまった。2時間ずっとイヤあな感覚は付きまとう。それは見てしまった後でも同じ、、。
ふとしたことなんだ。女の子が男にちょっと振られたような感覚を持つ。幼児といってもそれは大人と全く同じ。女の子は裏切られたと思い復讐をする。わけの分からないただ恐らく . . . 本文を読む
一応本格モノに入るんだろうけれど、肝心の犯人探しにはほど遠いし(読者があれだけの材料で犯人を特定するのは不可能)、ラストの途中辺りで犯人を明かすも、恐らく最後はとんでもない犯人を、という通常のミステリーの夢はないままにジ・エンド。
孤島で起こる連続殺人、「そして誰もいなくなった」感覚なんだがどんどん逸脱し、この探偵は未然に犯罪を防ぐところに究極の喜びを見出すというモチーフのため、なかなか派手さが . . . 本文を読む
立派とういうか、至極大層な題名であります。中上健次の原作であるとは知っていた。とすると例のたぎる、血のおののきを描いたものなんだろうと推量する。そして時代はかなり現代から遡っているようである、、。
どうやら中本一族の命を取り上げて来た産婆が語り部となって物語は進んでいく。美貌であると同時にその呪われた血筋が自分の身を滅ぼしていく半蔵の話がなかなか魅せてはいる。
中本、中本と産婆は叫ぶが、どうも . . . 本文を読む
テレビ等でちょこちょこ見てはいたけれど、初めての舞台となる入江雅人の集大成演劇を昨夜観る。冒頭言っていたけれど関西公演は初めてだそうだ。そういえば出し物は東京のあちらこちらが出て来る。
僕は社会人の半分を東京で過ごしていたから彼の東京話もなじみがあるが、地の関西人はどうだっただろう、とか言う心配事はけれど即なくなった。
彼は根が関西人に近いんだ。東京に住んではいるんだろうけれど、関西人特有の反 . . . 本文を読む
移民の話なんだよね。中国系の女性はほとんど身売り同然の状態。売春婦をカフェカウンター係に変えただけの状況であると言っていいだろう。旧ユーゴ出身の男は移民者ではあるけれど、出稼ぎ系移民だろう。
そんな二人が詩を通じ、男と女といったものでない大きな愛を育んでいく。しかし、中国系への移民への進出を嫌った地元民が二人を追い詰めていく。
まあそんな話なんだが、ちょっと人工的でございます。ヨーロッパ系のア . . . 本文を読む
冒頭の、車の運転席の二人の長いカットは、何気ない会話の積み重ねに急に別れを告げる女の重さに耐えきれなくなり、映像はファーストクレジットに急転。なかなか面白い新鮮な映像で気に入る。
ところが自分の家に戻り、くだくだどうでもいい日常的なセリフが蔓延し、そのうち映画としてはセリフはそれほど重要でなく、その奥に潜む夫婦の重い残滓を観客は見つめていく作業を余儀なくされる。どうも予算が潤沢でないのか、それ以 . . . 本文を読む