5人の子供たち。小六。男の子4人、女の子1人。廃ホテルで基地を作り「~ごっこ」。ふざけ、遊び、自分を解放している。
ところが目に見える5人は立派なおとな。20年は経っているはず。服装も今の状況を物語る。ところが話す内容は子供の言葉。まさに子供の、残酷な世界を綴っている。
現代からそのまま20年前にタイムスリップした大人たちがランドセルを担いだり、アイスを賭けたり子供の生態に戻っている。何の説明 . . . 本文を読む
演劇では結構見ている赤堀雅秋の映画第1作。俳優も豪華。さりげない日常に潜む狂気を映画でも臭わせてくれるか。
冒頭の堺雅人の、汗まみれの包丁一つをビニール袋に入れ、街をさまよい歩く姿は本当に迫力がある。映画的演出だ。ドキドキする。見事な導入部だ。
しつこいばかりの亡き妻の電話メッセージのリフレイン。受けるはずもない山田孝之の便秘セリフ。わけのわからない同僚田口トモロヲのキモサ。結局皆目分からなか . . . 本文を読む
「ふがいない僕には空(くう)しか見えなかった。」
二人の恋愛をシャッフルで視点を変えて見せる、今やもう当り前になった映像も特に新鮮ではない。(一部全く同じ映像をそのまま流したのには少し閉口気味)
二人がどの時点から本物の恋愛に変わろうがそんなこと(特に僕にとって)どうでもいいことだ。(この映画にとって)本物の恋愛にそもそもどういう意味合いがあると言うのか、何てさえ思ってしまうふざけた僕なのだが . . . 本文を読む
淡々と人を信じ、愛し、人との関わりあいに喜びを感じそして自分も死んでいくということ。家族に恵まれなかった孤独の人にも本当の家族はいるものなのだ。それは血の繋がりを超え本当の人と人との信頼関係にまで行きつく。
家族の光景については、古くは小津安二郎が「東京物語」で執拗に追求した作品がある。「血縁より血縁でない人にこそ真実の愛情をかけ、かけられる矛盾」を大きなテーマに掲げた作品だったが、当作品もスケ . . . 本文を読む
甘い、甘~い映画だけれど、人生の最後を自分で決め、緩い走馬灯の8日間で自分の歳月を思い出していくといった切ない芸術映画風の凝った映画です。全編その甘酸っぱさが漂い、いかにも青春のもろさを感じ取れる作品となっている。
男と女。添え遂げられずにそれぞれの道を二人は歩む。けれどその思いは歳月を過ぎても弱まることをしない。むしろ幻想を追っているから強くなってくる。一応それぞれ子供を成し生活は保っているが . . . 本文を読む
こういう設定は僕は大好きだ。日頃は日常の一般人を装い、実は政府転覆をたくらむテロリスト集団の集まり。そのミッションの話。
ところが、石持だけにド派手からは程遠くある郊外での合宿での殺人事件の謎。ほとんど館内での出来事という閉塞感もあり、緊張感が常に漂っている。そしてさらにまた人が死んで行く、、。
ページ数が残り少なくなっているのに殆ど進展は見られない読者への圧迫感など、石持ちはこの作品類に絶対 . . . 本文を読む
相変わらず独立独歩のホン・サンスの新作。彼の映画は何ていうか文学に私小説というジャンルがあるが、それと良く似ており、私映画とでもいうべき代物ではないか、と思う。
独特の文体なのである。まさに古き良きゴダールがいた時代のヨーロッパ映画の香りを持つ愛すべき作品群である。
二人の男がマッコリを飲みながらいわば女の品定めをしている。まさに男視線の映画である。男から眺めた女の映画である。いつものパターン . . . 本文を読む
何か出だしから三池ではないような計算した映像作り、その展開にはっとする。いつものちょっと不用意な(失礼)荒いタッチが見当たらないのだ。ラストの執拗なクラスメート大殺戮を見るまではずっと非三池である。
原作は未読なので内容についてウンチクを言うつもりはないが、敢えて言えばラストの皆殺しが僕には一番面白くないと思えた。ちょっとバトルロワイアル風な仕込みの印象(全然設定は違うのだけれど)、そしてその異 . . . 本文を読む
ちょっと間隔の開いた劇団伽羅倶梨の秋公演。この劇団は自前の劇場を持ち地下鉄・JRにも意外と近くしかも平日の昼間の公演も在りなので、僕はもう何年も常連の観客である。
昨日は千秋楽でいつも通りのちょっと早い時間に行ったのだが、劇場前にはもう20名近くの行列があった。これは初めての経験で少々驚く。前回の公演がなかったので客は首を長くして待っていたのだろう。
椅子席がいつもより多く、安心する。考えれば . . . 本文を読む
アフレック、こんなに映画のことを考えていたなんて、、。好きなんだよね。映画少年だったんだろうな。そんな彼の思いが全力満開している。
まず出だしのアメリカとイランとの関係を超分かりやすく映像で説明したのは大正解。日本人たる僕はほとんど忘れていたもんね。アメリカ人だってヤングなんかはほとんど知らないのでは。この導入部があるとないとでは全然この映画に対する興味が違ってくる。
そしてさらにドギモを抜か . . . 本文を読む
期待していたわけじゃないが、予告編から見なければと思わせた映画の一本。そりゃあ、停戦が決まってからあの12時間は極限状態の人間をズタズタにしています。
ただ戦争映画として、いろんなエピソードもあり、主役のシン・ハギュンが密偵だったりするものだから 、重層的な展開になるのかと思っていたらそれは肩透かし。だいたいチャン・フンの作品、今までの2作も意外とキレが良くない。換言すれば視点が見えない、という . . . 本文を読む
イギリス映画って市井の生活が見事に描写されているのが多いよね。この映画も最初そうなのかなあと思って見ていたけれど、どうも珍しく馴染めなかったかなあ。
男の寂寥感はまあそんなとこ。人生最後とは行かないけれど、60前で連れ合いを亡くし仕事もない男の日常ってそんなものだろう。八つ当たりをされる近所の人たちがある意味気の毒でならない。
一方、生活は上級クラスだが、肝心の連れ合いがDVで愛情さえ真実存在 . . . 本文を読む
この映画を見てあっと思ったこと。1.設定が現代ではなく、何故か幼児期の満州の思い出が基底にあるという時代性のある話だということ。
2.良く考えれば長尺な映画だけれど、彼女が検事に会いに行く一日の話を脳裏に映る映像(回想)として捉えているという面白い撮り方をしていること。
3.ハイライトは前作の法廷ではなく検事室の取り調べにあり、あたかも観客たる我が身が検事と対峙していたように思えてしまったこと . . . 本文を読む
久々に仕事を終えて駆けつけて見る演劇。場所は西宮。時間に余裕がないので劇場に入る時はぎりぎりで、近くでカレー店CoCo壱に寄り、急遽腹ごしらえをした。
ぎりぎり開演に間に合った久しぶりのメジャー演劇。しかも一番前の席でこれ以上の幸せはない。期待は膨らむ。午後7時ちょうどに劇は始まった。普通は10分ほど遅らせて始まるのが通常だが、きっちりの始まりにまず驚く。(メジャーはそうだったかなあ?)
スト . . . 本文を読む