セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 73本、 演劇 45本

劇団飛煌機大人さ(作・演出 舟木祐人) atフジハラビル 75点

2023-04-30 16:58:10 | 演劇遍歴
若き青年たちによる独特の演劇である。60分と上演時間は短い。大人になること、このまま大人の世界に入ってしまうこと、幼児体験、地震・津波などの災害。様々な厚いイメージが青年たちを立ち止ませる。 よくしゃれた個展などを展覧するこのフジハラビルでやるだなんて、なかなか皆さん乙なもの。センスがいいね。この独特な会場の雰囲気の元、青春前夜の大人への慄き、怖さ、どよどよしたものがセリフを通して、動きを通して . . . 本文を読む
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せかいのおきく (2023/日)(阪本順治) 80点

2023-04-30 09:59:29 | 映画遍歴
阪本の新作だ。この人の作品群がそのまま私の映画歴ともなる。さて、今回は珍しくエコをテーマに、江戸末期の文明砲がとどろく時代の市井の人々を描く。 題名。「おきくのせかい」ではなく、「せかいのおきく」。このことで人が文明を見つめるすべをもつことで、世界の広がりを経験したことを示している。 さてその彼らは一体全体どういう人たちか。糞尿を回収し、それを農家に売りさばく、市井といっても末裔のひとたちだ。 . . . 本文を読む
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あゆみ企画「螢の光」(作・角ひろみ 演出・高橋恵)at総合芸術館 85点

2023-04-23 17:07:12 | 演劇遍歴
何気ない日常が変質するその怖さたらものすごい衝撃。何でもない普通の夫婦がある日、妻が蒸発する。その日からありふれた日常が非日常に変わり、それはホラー感に迫ってくる。 それを90分でしっかりまとめた力量感のある演出はさすが高橋恵氏。ずぶずぶと私の日常感さえ自信がなくなって来たぞ、のし。 目の前に繰り広げられる非日常はいつか、夫の白昼夢のようにも思えてくるし、これはまさに不条理劇とも言えよう。 . . . 本文を読む
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青の帰り道 (2018/日)(藤井道人) 80点

2023-04-22 21:38:38 | 映画遍歴
18歳から23歳に至る若者たちの青春群像。とはいえ、彼らは決して甘い人生をついばんではいなかった、、。 現在の若者を鋭く見つめた作品です。それぞれの生きざまには苦悩以外の何物でもない人生模様がくっきりと陰影を与えている。なかには夢破れ、途上にして死を選ぶ若者もいる。 その若者の死から彼らは苦しみ、もだえ、そして何かをつかんでゆく。そのためにゆうに5年を費やす。人生とは、を、若者のひたむきな視線 . . . 本文を読む
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劇団六風館「ある日、ぼくらは夢の中で出会う」(作・高橋いさお・演出・星美鈴)at阪大学生会館 75点

2023-04-15 20:20:10 | 演劇遍歴
ユニークな演劇だ。何気なく不条理だし、何となくおかしい。それでいて何だか悲しいし、変に楽しい。脚本がとても面白くできていて、観客はそれについていけないほど。 何だか難しいかなと思い始めたら四阿後になって、超どんでん返し劇になりエンド。これはすごい。颯爽感さえある。 ただ、六風館にしては、ちょっとセリフのゆとりがなく、珍しい。学生劇だと言わせない彼らの伝統があるからなあ、、。 でもいい一日だっ . . . 本文を読む
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ロストケア (2023/日)(前田哲) 65点

2023-04-05 08:39:25 | 映画遍歴
高齢化社会における介護について、一考察を提言した作品であります。当然、老人ホーム殺害事件などを連想してしまうが、、。 まず刑務所に入りたがる女性高齢者が執拗に検事に迫るシーンが印象的だ。それは現代社会の過酷さを訴えているのだが、身勝手な人間だと言い切っていいのだろうか、、。 そして、42人もの高齢者を殺戮した松山と実の父親を見殺しにした検事(でも、孤独死のどこが悪いのだろうか? 母親も体よく施 . . . 本文を読む
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名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件(白井智之 著)(新潮社  2022) 80点

2023-04-01 19:46:56 | 読書遍歴
秀作との評判高い本格ミステリー。舞台が外国に移ってから、外国人の名前が出始めてから、スピードが止まる。でも、表紙の裏に登場人物の名が出ているので、何とか読み切る。 りり子さんが素敵で、まさに断然主人公なのだが、まさかあんなことに。この辺りの白井の大胆ぶりに酔ってしまう。 話は二転三転、面白いです。人民教会は当時、世界的に衝撃を与えた事件なので、僕自身気にはなっていました。まあ、詐欺の蘊蓄も興味 . . . 本文を読む
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名探偵のいけにえ―人民教会殺人事件(白井智之 著)(新潮社  2022) 80点

2023-04-01 19:37:26 | 読書遍歴
秀作との評判高い本格ミステリー。舞台が外国に移ってから、外国人の名前が出始めてから、スピードが止まる。でも、表紙の裏に登場人物の名が出ているので、何とか読み切る。 りり子さんが素敵で、まさに断然主人公なのだが、まさかあんなことに。この辺りの白井の大胆ぶりに酔ってしまう。 話は二転三転、面白いです。人民教会は当時、世界的に衝撃を与えた事件なので、僕自身気にはなっていました。まあ、詐欺の蘊蓄も興味 . . . 本文を読む
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