冒頭から映像がどんよりして、荒く、この作品のテーマを鋭く表現する。そこにジェレミー・レナー が現れ、家畜を守るためハンターとしての銃声を放つ一撃。このシーンが、この映画の本質を表わしているかのように、、。
やり切れない映画である。でも目を背けてはいけないアメリカの現実でもあるのだ。映画は、そのアンタッチャブルの世界をこれでもか、これでもかと、ぐいぐい迫り来る展開である。力強い。その思いは全編映像 . . . 本文を読む
実際生き残った人たちが証言し、その様子を再現する映像。予想していた映画ではなかったため、ちょっと驚き。
やはり実在者に遠慮したんだろうか、ドラマの方は話の再現に過ぎず、映画的高揚からは程遠い。この手法は何故か劇映画としては残念な結果に。とは言えこのエピソードをじっくり劇映画に徹すれば秀作になったはず、と思いたい。
また、危険を冒して彼らをかばったドイツ人たちの心根にもっと深い造詣を与えてほしか . . . 本文を読む
林遊眠さんの2時間を超える一人舞台。ト書きまで自分でやってのけるので、ストーリーが分かり易い。
それにしても一人で10人以上、それもほとんど男の荒くれ男を演じ切るのだから熱演というより、猛演です。その彼女、まだうら若き美しい女性なんです。
話は大航海時代、カリブの海、海賊の話です。怖いし楽しいし、夢やロマンがいっぱい。けれどしっかり確かな人生を見せてくれる。そこが素敵です。ラストなんかちょっと . . . 本文を読む
結構好みの樋口作品。読んでみて、さすが文章が軽妙で、かなりエスプリが効いている。硬直した新本格モノより、最近はこの手の読ませるミステリーが好きである。トリックより、さりげなく人間を書いてもらいたいのである。
ただミステリーとしてはどう考えてもあの人間を犯人だとしたら、伏線が足りなさすぎる。要するに犯人当てからは、とてもずれ過ぎてる。アンフェアである。
それでも面白い。こういう動機もアッと驚くが . . . 本文を読む
劇団第一主義の演劇というより、やはり岩橋さんのイメージが強烈で、それが随所に現れ、まるでオリゴ党の演劇を見ているようでした。でもこればっかりは仕方がないではあるまいか。
この一見、ムズい劇を分かり易く仕上げた脚色(?)と演出は出色ものです。出演者が全員魅力十分に生き生きとしている。現代における神とは何か、という結構卑近なテーマを前面に出す。
今回の一番のポイントは教祖を女に変えたことでしょう。 . . . 本文を読む
夏が来ると思いだす。大阪女優の会の戦争に対する思いをシュプレイルコールで行う劇である。
今年はでもいつもと違いめちゃ面白い作りとなっている。映像を屈指し、テーマを明確にする。そしてイメージをいつもより強くシンプルにする。朗読劇であるはずなのだが、脚本は全員手に持っているものの、ほとんどがセリフを覚えているのだろう、しっかり通常の劇と化していた。
メンバーも若い女学生風からもう達観している女優さ . . . 本文を読む
まあ、ストーリーは子供でも楽しめる内容になっているから、とやかく言う必要はない。2時間強、CGでない恐竜が見られるシーンの醍醐味。迫力が画面をみなぎっている。これだけでもう映画料金に文句は言えません。猛夏に見る映画にぴったし。楽しめました。 . . . 本文を読む
ある日朝起きたら二人は夫婦になっていたと認識する。夫婦になるのではなく、もう夫婦になっていたのである。
セックスなどしたからではなく、二人は起きたら横に相方が寝ていて夫婦なんだと思うのである。それから男の兄と女の姉がやってくる。二人は別居中の夫婦である、、。
いわゆるカフカの「変身」を思わせる展開で、これは不条理劇なんだろうなあ。会話は日常的で軽快で安易だが、実は観客は夫婦って何なんだろうと自 . . . 本文を読む
旗揚げ公演だという。しかし、なんのなんの脚本がしっかりしてるし、うまい。そして何気ないとある田舎の出来事が、現代社会の光と闇を明確に浮き彫りにしている。雇われ区長が一人籠もる辺りから俄然面白くなる。ユニークである。
いやあ、観客をわしづかみにするテクはかなりの才能があると見た。モモコさん、見た目普通の可愛い女性としか見えない人だが、人は見かけに寄らないものですね。
俳優陣もみんな的確に演技をこ . . . 本文を読む
まだまだミステリーを楽しめるという意味でとことんファンに娯楽を提供してくれる、そういう意味では素晴らしい作品である。
今回の出し物で一番驚くのは、転生というミステリーではタブーに近い題材を、本格の神髄に据え付けたことである。しかし、これをきっちり描いていることにとても好感が持てるのである。ユーモア的なものに逃げず、しっかりミステリーの醍醐味ともなっている。
かなりの長丁場だが、後半は裁判シーン . . . 本文を読む
今、急に大人気の画家をモデルにした労作であります。忘れ去られていた画家であるが、その現代における意味合いとはと考えていた僕は、大いにテーマが違っていたので少々驚く。
絵を描くきっかけとなったのは妻の自死であり、妻の弟との葛藤がそれに輪をかけるという深い伏線がどうも僕には奇妙に思えて、なかなか馴染むところに行かなかったが、それでも読み物としては、一人の男の人生を川の流れに模して描く筆跡に読み進める . . . 本文を読む
冒頭のテロシーンは恋人がイケてるし、なかなかよろしい。だが、、
あの恋人、撃って欲しいがごとく急に立ち上がり標的の的に。と、こう素人っぽい演出が随所にあり、あきれ返ることも多いが、不思議と最後まで飽きず見られるのはなんでだろう、、。
特にラストのあの海中爆撃なんて、最近は漫画でもやらない馬鹿な手法だが、何を考えているのかなあ、急にB級映画からさらにC級映画に身を売ってしまってる。
と、恐らく . . . 本文を読む
だいたいSW系の採点は甘い吾輩であるのに、今回はどうもそうはいかぬという思いです。何故かのう、、。
いつも何も言わずとも、目の前の映像はそりゃあハリウッドであるかにして壮大な花火がめくるめく展開しているはずだった。その映画的美学にうっとりしているだけで、映画料金も気にしないし、このシリーズは吾輩でも童心に戻ることができる数少ない映画なのだ。
ところが、今回はハン・ソロの話なのに、主役アルデン・ . . . 本文を読む
最近のアメリカ映画では、ちょっと迫力に欠けた映画作りという印象をもちました。
人物の描き方も掘り下げられてないように感じたし、途中までは多少の退屈感も生じる。実話をベースにしているから気を使ったんでしょうかね。凡庸な印象が残ります。
ラストの仲間たちの写真を見て、みんな若いなあと思うものの、それほど映画の中では紹介されなかったので、それだけに終わってしまう。
ただ、あの山火事のシーンは何度も . . . 本文を読む
12年の長きにわたり活躍していた劇団の解散公演である。20歳過ぎで始めた彼らもももう30歳代半ば。色々考えたんだなろうなあ。このまま演劇を続けるにも一大決心がいる年齢である。青春の時は過ぎ、今からは何をするにも責任が重くのしかかる年齢である。
劇は6編のコメディ劇。というより寸劇。下ネタもありめちゃ面白い。千秋楽なのに子供がやけに多い。大人と同じように笑ってる。内容がそれほど分からなくても、年齢 . . . 本文を読む