全体に映像が粗く、色彩も凡庸で、内容もぐうたら青年の妄想じみた不倫劇などでとりたてて韓国映画の新しい息吹を感じることはなかった。
俳優はそれぞれ演技的にも頑張ってはいるが、如何せんこのストーリーでは観客に好感を持って受け入られるはずもなく(道徳的に問題があるというのではなく、あまりにその恋愛自体がつまらないのであります。)ただ男のうじうじとした空周りとつまらない閉塞感しか感じなかった。
主題はもっ . . . 本文を読む
ものすごい映画を見てしまった。まず、北欧のドグマ映画のように音楽は一切ない。1カット1シーンの連続。全篇緊張感の漂う気を抜けない映画になっている。
ファーストシーン、リュ・ヨンフィのきついまなざしが工場跡のような建物のブルーの窓枠の向こうから見える。この映画は構図が縦横のアウトラインが強く色彩も鮮やかで、まさに全篇絵画のようだ。
その作家風孤高の映像に僕は震える。映像でどんどん押し通していくこんな . . . 本文を読む
「春の海ひねもすのたりのたりかな」。蕪村のポエムがこの映画の心を言い表す。たそがれるためにこの南の島に引力に引かれるように集まってくる人たち。
うーん、僕もこの映画で、南の島に行くことなく映画館の客席でたそがれるときを味わっていました。仕事、家族、その他さまざま生業から逃れたいと思うのは誰でも同じこと。そんな不思議で当たり前の人間として戻るときを2時間他の観客と共有できたこともうれしい。
この映画 . . . 本文を読む