何か、ちょっと映画的過ぎる感じはしたもののまさにフランス映画といえる良い雰囲気。
粋なところも好きだなあ。
しかし、あの二人がなぜ心中しなければならなかったのか最後まで分からないし、まず雰囲気ありきの映画と見た。
ちょっと背伸びした映画のような気もしたが、、。
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華麗な殺人狂想曲。
ジュリアン・デュヴィヴィエでもこんなに楽しい作品があったんですね。
最期のほうはどんどん人が死んでゆき、計7人がというめちゃくちゃな展開になるが、50年前の作品なのだ。これはすごい才気煥発な映画だと気づく。
こんあ、コメディータッチもてなずけるデュヴィヴィエはすごいと思う。
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ポランスキーの、あのディケンズの名作の映画化(今まで名匠が何回も映画化しているのに、、)である。
で、見終わってから一番思ったのは、この映画のテーマがどこにあるのか分からないということであった。
恐らくディケンズは社会の底辺層へのたゆまない愛情と危惧、また絞首刑さえ見世物的に楽しもうとする民衆への断罪あたりがテーマなのだろうが、ポランスキーにかかってはそれは一切なく、見事に均等な演出振りなのだ。流 . . . 本文を読む
セミドキュメンタリー風の演出タッチは中国の大自然とすこぶる合致し、ダイナミックな映像を提供してくれる。しかも、父親と息子の絆の話なのだ。人間の永遠のテーマでもある。
演出的にはそれほど脚本もないような展開が少したどたどしさを感じ、逆にそれが魅力となっている。素人の俳優たちを起用したことの効果がはっきり浮き出ている。素晴らしい感動作となっている要因だろう。
しかし、この映画、欠点も多くある。
ま . . . 本文を読む
こういうでっち上げはまあよくあることかなと思えども裏をそれほどチェックしない構造というものが存在していたことの方が驚く。一流雑誌なのである。
ハナシそのものは僕たちに目の前に見せられても、「あ、そうですか、、」というしかない代物だね。捏造をやったことの何をこの映画はテーマにしたかったのか、最後まで分からなかった。
同じような題材でも「大統領の陰謀」とは全く視点が違う。
人間に何を描きたかったのか、 . . . 本文を読む
思いがけず静かな、人生へのたたずまいを感じさせるいい映画を見させていただいた。80分しか記憶が持たないからこそ接する人は博士に対して純になれる人とそうでない人がいるんですね。
数学というより素数という素朴な凛としたハナシなので、清らかさが全編を包む。
その博士にも人間としての道を外した過去があった。愛も人間それぞれの心の中にある素数の高まりである。愛がなければ人間は生きてはいけない。
素晴らしい . . . 本文を読む
丁寧な映画作りなんだろうけど、題材が数学の証明ごとにからむ人間劇なので全体的にドラマの盛り上がりに欠け平板になってしまったのは惜しい。
まずパルトロウが数学を研究する天才にはどこから見ても思えない。ここはもう少し固めの女優のほうがよかったのではないか。それと、ホプキンスも軽すぎる。存在感を出せてない。勿体無い。ギレンホールは自然だが。
そもそも舞台劇なんだよね。映画化は難しいのかなあ。
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飛行機の機内で娘が消失してしまう、というプロットがこの映画のすべてである。乗客の中に犯人がいるのか、母親のヒーロー振りが見所ではある。
以下ネタバレに近い。
確かに謎が謎を呼ぶ中断辺りまでは面白いのだが、真相を知らされてからは(唐突に観客に知らされる展開)もういつものハリウッド版に成り下がってしまう。
とにかくこの映画はプロットだけで支えられている映画なので、犯人の起こしているクライムプランは . . . 本文を読む
アメリカ製作とは思えないきめ細かい心の襞を描いた上質の映画だ。むしろ韓流の影響を受けたのではないか、と思われるほどのピュアさ。
子供のため家族のために一時の愛のほとばしりさえ思いとどまろうとする相手への思いやり。今時忘れていた人間本来の抑制心、こどものいたいけな親への思い。何より人間が人間を敬うことの素朴な素晴らしさが画面から伝わってくる。
その映画作り、演出、演技とも素晴らしく、最近にない上質の . . . 本文を読む
韓国の映画でホラーは全く怖くないといつも思う。
何か、意味を取り違えているのではないかと思う。
それぐらい怖くない。当然それほど面白くない。安っぽいかというとそうでもない。
この欠点を知っているのか、女優がとてつもなく美しい。ほとんど美しい。美しすぎて違いが分からなくなる。
ラストは完全「キャリー」を試したかったんですね。
結構、映画を勉強してるんだけどなあ。
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イギリスの貴族たちの優雅な時代の恋愛劇だ。娘たちの婿探しの話なのだが演出も上質でエレガントなので映像の美しさと共に画面に没頭できる。現実とは違う夢の中のハナシとはいえテーマは男女の強い愛。シンプルなハナシなのである。新しさはないものの女性が求める男性への憧れのすべてがここにあるように思われるのはある意味、この男性が白馬に乗った王子様だからでしょうか、、。
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そんなに古い話ではないアメリカでのセクハラ問題劇。その内容にはこれが事実だとしたらあまりのひどさに驚いてしまうが、アメリカとは僕らが思っているほど自由が何でもあふれている国ではないことが分かってくる。
クライマックス、働いている女性だけでなく男たちも真実を吐露し原告に参加するシーンは人間への尊厳さえ感じるほど感動的だ。
父親の転向には少々驚くが、至極人間的でこの映画のキーとなっている。
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まあ、よくこれだけの登場人物を集めながらしっかりと等分に持ち場を用意し、それを他者に繋げる脚本はピカ一。見ていてだれるところのないのも素晴らしいところ。三谷はホテルの中という閉鎖的な空間をかなり開放的に広がりをもたせた映像に仕上げている。
今までの作品では一等映画的な作品といえる。今までの映画って(「みんなの家」「ラジオの時間」)面白いけれど結構映画的でなく、舞台劇と言おうか、閉鎖的で映像を駆使し . . . 本文を読む
いやあ、面白かった。そういう映画ってファーストシーンから何かあるよね。この映画もそのカメラの長回しがかなり個性的で最初からわくわくした。
映画へのオマージュもいっぱいあるし、(アデルの恋の物語、ベニスに死す、他映画ファンならではの会話が満載)よく柳町光男が現代の若者を的確に描いたなあと感心。
傷つきやすいが、結構自己防衛に強い現代若者の実像をえぐって見せる。
それにしてもラストの不条理殺人事件の迫 . . . 本文を読む
うーん、最後まで乗らなかったなあ。
題材はちょっと漫画的だけど、まあ理解はできる。俳優もいい。
でも、演出がぎこちないなあ。平面的過ぎる。深みが全くない。絵空事の物語が次々と画面を流れている感じだ。
見終わって主要登場人物すべてが疑問符となって浅い印象を残す。
何故?の繰り返し。
もうあまり馬鹿馬鹿しくて考えるのも面倒になってくる。
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