昔懐かしきスタンダード画面。モノクロ。けれど構図がびしっと決まっていてすこぶる美しい。淡々としたしかしシャープな演出に、そしてそのテーマにめずらしく戸惑う。人間の愚かさ、悲哀、生と死、そして希望、、。
ポーランドで終戦後、共産主義運動と共にユダヤ人狩りが行われていたようなことも知らず、自分自身の知識のなさと冷酷な歴史の事実の前にがく然とする。 イーダは18歳になる。修道女に . . . 本文を読む
結構あちこちで賞を獲得している映画。イタリア映画ではめずらしいなあ、是非見なければといそいそ映画館へ。
最初の4,5分の現代ローマの夜の乱痴気騒ぎはどうしたものかと考えたが、あとは人生そのものを映画で考えるという真面目な映画作りであった。
ローマという3000年を通じて人生を見るという視点からはどうしてもフェリーニを連想させるが、まだまだ甘いかなあ。人生は電車ごっこだの、麒麟のトリックのような . . . 本文を読む
あまり見ないインド映画。題材に惹かれ観賞。出だしからこの監督は映画の文法をきちんと知っているのが分かる。最初の2,3分で観客の気持ちを画面に釘づけにする。いい映画だけに感じる予感である。
通勤電車は何人かがドアから外に溢れ出ている。暑いだろうに事務所の天井は大きなファンがゆっくりと回っている。何か戦前の日本を彷彿させるものがありますね。この親近感というか、なじみ深いものがあります。
弁当箱に入 . . . 本文を読む
韓流の一番ダメなとこを連ねた映画でしょう。イケメンとヤクザ世界と純愛。それを題材にすれば一編の作品ができるなんて勘違いしてませんか?それにしてもこんな作品に観客席がびっしりなんて、こちらの方が現代の恐怖です。この世の果てです。 . . . 本文を読む
それぞれの視点で事件を描写した構成は良くあると言ってもやはり面白い。結構人が死んでいくが、トリックも説明調で実現可能かどうか不明だし(特に別荘での水死)、ラストのあっと驚くひねりも小説的には面白いが、現実に父親の職業がK事なのに娘が知らなかったというのかなり無理があり過ぎ。(公務員なんですぞ)
元弁護士という実務上の話展開は確かにユニークで新鮮である。しかし、現弁護士が犯罪をしてしまうという設定 . . . 本文を読む
待ちに待った道尾の新作。しかも400ページ。そして字がぎっしり。読みごたえはありそうとほくそ笑んでページを繰る。
久々ではないかなあ、こんなミステリー風の小説は。文章は練れていて美しい。地方の聴きなれない言語までが律を成している。緩やかで哀しい物語である。ちょっとした勘違いが悲劇を重ねる様はちょっととも思うがでも面白い。
主人公の自殺を意識した想いと、9歳のけなげな息子との心の結びつきが感銘を . . . 本文を読む
4時間の演劇というのは初めての経験。場所も通常の演劇場ではないことも分かっていたので、自分の体が持つかどうかまず心配であった。
そして、大阪の猛暑の中、まず場所探しにエネルギーを使う。何回もそのビルの前を行きつ戻りつ、やっと見つけたのは始まる15分前。劇場内に入ると結構みんな席に着いていた。
演劇スペースがものすごく狭くどうやって演じるんだろうなあと興味深々。お目当てはいつも演劇集団からくりで . . . 本文を読む
重く、耐えがたく、きつい映画だが、僕たちは目をそむけてはならない。人間はどんな環境でも愛さえあれば家族の絆をさらに深め、生きて行ける。ラストでは理不尽な現実に憤りを感じるが、それでもかすかに希望を感じ取ることのできる秀作となった。
凧が空を舞う。美しい。薄い青空だ。カメラは凧を追いかける。すると浮浪人風の男がそれを拾う。恐い出だしである。
今までいろんな映画を見て来たけれど、強烈に覚えている映 . . . 本文を読む
こういう映画が見たかった。あまり人に見てもらいたくない。自分だけが知ってて、時々自分の秘密の引き出しからそっと取り出してみる、そんな映画だ。
プルーストの「失われた時を求めて」に関係するということで最初身構えたが全然そんな必要はない。確かにあのハーブおばさんはプルーストという名前だったが、、。
2歳で、あることが起こり失語症になってしまった青年の話です。画面は全編絵本です。それも映画とは思えな . . . 本文を読む
急に歌が始まるミュージカルはあまり得意ではない。その時気持ちが乗っていれば倍増になるが反対だったら引くだけだ。でも今回はそれがあまり気にならなかった。ただ、3話の話が人工的なんだよなあ、、。
父親に隠し子がいて夫婦に亀裂の兆しが、今まで何故24年も分からなかったんだろうか。
妹の彼氏は軍でも仲良し。というか、一緒に帰還した仲である。彼が公衆の面前で妹にプロポーズしたのに「ノー」の理由が「友達で . . . 本文を読む
この映画でいろんなことが勉強できます。地方の小藩、中藩、大藩を幕府がどう見ていたのか、参勤交代も藩の浪費を画していたとはいえ、結果として260年間の平和、そして絶大なるインフラ整備をもたらしたということ等々、なかなか興味深い。
映画は時代を表すなんて言いますが、この映画をこの現代に当てはめれば磐城城主は中小企業社長、将軍吉宗は巨大企業の社長といえましょう。メーカーのいうことには何でも楯ついてはな . . . 本文を読む
予告編が素晴らしく、特に荘厳な音楽に惹かれました。もう一度聞きたくて、、。けれど
本編ではあの音楽は流されたんでしょうか?全く耳に聴き覚えがありませんでした。だらだら続く15年前の父と母の悲劇も息子に帰結しなかったし、謙さんの博士の存在も一体全体希薄だし、ムートの形状もきもかったし、全然波に乗れませんでしたなあ。
考えたら地球上であのゴジラとムートが出現し、バンバン戦ったらこの映画の映像のよう . . . 本文を読む