初めてのジャングリング演劇。木下サーカスなんかで見たことはあるが、演劇とどう融和させるんだろうかと、興味津々で観る。
とても静かな演劇で、観客席も上演前から物音ひとつしない静謐な空間になっていた。そして始まると、そこには男の子と女の子との淡い恋と成就が描かれていた、、。
ジャングリングが二人の心情等を描写する一大要素になっていた。おのずから優しく、中には激しいものも出現する。二人の出会いとその . . . 本文を読む
チョン・ドヨン、チョン・ウソンという超一流俳優が共演、というだけで見てしまう吾輩。話の成り行きからこれは面白くないわけがないわい、とイキがって映画館へ。
肝心のチョン・ドヨンがしばらく出てこないので、あれ?ドヨンって若返ったのかなあ(相変わらずきれいなお姉さん方たちが出演してました)、と不思議に思っていたら、出るわ出るわ、危ない女社長役で。これからはドヨンの独り舞台のような疾駆する映画となっとり . . . 本文を読む
これが第30回鮎川哲也賞受賞作か、というのが読後の本音。犯人が5色の服に見えるというとびっきりの謎は、全然たいしたことではなく、お粗末であると思う。
そして真犯人も、ほとんど登場していなく、こんな真犯人でいいのか、アンフェアではないのか、と吠えたい気分。
鮎川哲也賞って、結構ミステリーの分野では秀作ぞろいなのに、ホント、こんな受賞作でいんでしょうか、、。
この作品をよしとする人も多いとは思い . . . 本文を読む
前評判がよく、期待していました。映像は思っていたより、緻密でクリアな映像、茫洋としたロングショットはそれほど見られず、映像だけの監督ではないと思った。
ただ、評判のワンシーンワンカットの多用は必然性をそれほど感じず、物語の底流に流れる息づかいを感じさせるものではなかったように思えた。
4人の兄弟の物語、そしてある中堅都市の再生のうごめきをテーマにしているが、今まで見た中国映画の既視感もあり、そ . . . 本文を読む
注目すべき作家のデビュー作。ひょうきんな、実に人間性豊かなエリ沢氏の魅力がこの作品群のすべてである。5編の短編、すべてバライティに富んでおり、しかもユニークで面白い。
中でも「サーチライトと誘蛾灯」で第10回ミステリーズ!新人賞という触れ込みなので、かなり期待して読んだが、この作品だけの質で賞を取ったわけではないと感じた。一連の主人公の魅力がそうさせるのであろう。
そして何を隠そう、ミステリー . . . 本文を読む
「巴里マカロン」を先に読んでしまったので、最初のころの小市民派をじっくり読む。
意外や、もたもたしている感じもあり、マカロンとの相違に驚くばかり。5編の謎が提起されるが、それほどのものでもない。途中から出現する盗まれた自転車がストーリーの軸となるが、あっと驚く謎でもなく、ちょっと期待しすぎたかな?
とはあれど、ふたりの小市民派への葛藤がよく分かり、ファンとしては知っておかねばならないプロセスな . . . 本文を読む
真剣に人間を見つめるまなざし、カメラ、俳優たち、そしてスタッフたち。この汚れてしまい、まるで奈落に進みゆくような現代において一脈の光を放つ秀作です。
「東京物語」を2度見るきっかけとなる二人の出会いが面白く、美しい。その二人が2度とも電車の音にかき消されるセリフ。ここで教えます。紀子「いいんです。あたし年取らないことにきめてますから」でした。
大震災後の避難風景もきっちりと再現されていて見事。 . . . 本文を読む
米澤 穂信のミステリーの、特に主人公がヤングのもののすがすがしさと言ったらほかに比類がない。ファンもすこぶる多いと思う。読んでいる間は清涼な風が吹いている。
とはいえど、あまり得意ではないお菓子系の題材である。全く分からずけれど知らない者としては意外とこういう高級菓子店などにも行くことはないだろうとは思うが、知識として知っておくこともまたためになるかもしれぬ。
小説としては机上の、ある意味あり . . . 本文を読む
本格を目指している頼もしい存在です。今回も3つの事件がそれぞれ単体と思いきや、意外なところで連結する。その面白さ。これはミステリーの醍醐味ですなあ。
でも、第1番目の事件、どうも変なんで、あれで警察がそのまま起訴にまで行くのが不思議だと思ったが、まあ、これは重箱の隅でしょうか、、。
かなり才能のある作家だと認識す。次作がもう楽しみ。 . . . 本文を読む
短編5編だけど最近読んだ本では断トツに素晴らしい。何がって、ミステリーの形式を取ってはいるが、そこに描かれているのは人間の透明感に漂うやさしさ・哀しさ・いとしさである。
最近、ミステリーでも、あり得ない話を基本的にストーリーとして描いていくような作品が多いが、(例えば、不死の人間が出たりするような)ああいうのは、何とも慣れないのであります。
この作品のような実際生きている人たちの営みを、たとえ . . . 本文を読む
映画評論家の間ではなかなか話題の作品で、批評家連盟賞なども取っている。こういうのには僕は弱く、映画歴長いのだけが取り柄なのだが、すぐ見てしまう。さて、、
最初の方で、枝が隣家に伸びたレモンを隣人が勝手に収穫している。目で非難すると、「挨拶したけど、玄関に出てこなかった」、と。そしてこの関係は、イスラエルとパレスチナを暗喩していることに気づく。
ざっとこんな感じでパリ、ニューヨークそして自国に戻 . . . 本文を読む