セントの映画・小演劇 150本

観賞数 2024年 映画 62本、 演劇 40本

スマグラー おまえの未来を運べ (2011/日)(石井克人) 80点

2011-10-29 13:16:45 | 映画遍歴
マンガが原作らしいが、結構リアル感が蔓延し、今や現実そのものが悪夢かどうか分らない現代においては、映画だからと捨ておけない何かがある面白い作品だと思う。 中途半端に大学を卒業し、ただ何となく演劇を目指していた若者が挫折し、普段よく行くパチスロ屋で騙され、借金を背負ったがためにどんどん世の裏街道を歩く羽目になる出だしは、他人事とも思えず変にリアル感はあった。 世の中には裏の稼業も結構あるというこ . . . 本文を読む
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シャッフル (2011/日)(及川拓郎) 75点

2011-10-28 15:30:42 | 映画遍歴
二転三転どころか四転五転する展開にあっと驚くどころかそのうち慣れてくるが、とにかくサービス精神旺盛である。舞台劇の映画版なんだよね。映画なのにまさに舞台設定がそのまま再現されていて、何も映画で撮る理由はとまで考えてしまうが、映像を通してこの面白い物語をみんなに見てもらいたいのでしょう。それほど野心的な脚本である。 密室五人劇なのだが、やはり【市川亀治郎】の怪演ぶりがやたら目につく。 それほど余裕 . . . 本文を読む
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法隆寺の殺人(篠田 秀幸 2001角川春樹事務所) 70点

2011-10-28 14:45:18 | 読書遍歴
歴史上の学説論争はとても面白く拝見しました。聖徳太子がまず実際上の人物なのかどうかというところから怨霊説まで紙面をかなり割いて、それはそれは楽しくページを繰る手も自然早くなる。 しかし、(資料篇に篠田氏の論評ではなく太子論の抜粋だということが書かれてあるが)肝心のミステリー部分がどうもすっきりしない。連続殺人事件なり、読者への挑戦なりがそれなりに楽しいが、カレー事件を模倣したような成り行きはちょ . . . 本文を読む
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あいつの声 (2007/韓国)(パク・チンピョ) 75点

2011-10-22 14:15:56 | 映画遍歴
【ソル・ギョング】 が出てくるも顔が広くなっていて最初誰か分らない。太ったなあ(全然関係ないけど)。彼のアナウンサー生活と家で息子と過ごす妻との家庭が並行して写される。どうも骨のあるアナウンサーらしい。悪は許せないという。また警察批判もする。人気アナだ。 誘拐が始まるまで、その家庭とテレビ局とそしてアナウンサーを恨んでいるらしい犯人の姿がじっくりと描写される。どこにでもいそうな太っちょの男の子は . . . 本文を読む
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猿の惑星 創世記(ジェネシス) (2011/米)(ルパート・ワイアット) 75点

2011-10-22 13:08:26 | 映画遍歴
CGはかなり秀逸でどこかミスを探そうとしていたがその夢は大いに破られた。かなりのCG大作でありまする。映像は思ったよりすごいです。 僕たちは一連の猿シリーズの連作を知っているからラストが重要になってくるが、別にこの映画、単なる文明批評だと捉えて観賞してもそれ相当の評価は出てくる娯楽作品であります。 結構突込みどころはあれど、そんなこと言ってたら人類滅亡へまで繋がりません。けれど、あの製薬会社の . . . 本文を読む
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印象派美術展歩き ひろしま美術館~京都市美術館(ワシントン・ナショナル・ギャラリー展)

2011-10-21 13:30:20 | 書きとめ日記
広島に行く用事があったのでいつものように記念公園まで歩きひろしま美術館に寄る。ここの美術館には世界有数の印象派大家の作品が所蔵されている。それぞれ作家の点数は少ないが選りすぐりの名品ばかりだ。そのため広島に来て時間があればいつも来ることになっている。 そろそろ広島にビジネスで来ることもなくなるかも、という気持ちが今年の場合は例年とはちょっと違う気持ちを抱かせる。けれどいつも迎えてくれる絵画たちは . . . 本文を読む
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A級MissingLink+三角フラスコ合同公演「限定解除、今は何も語れない」他 於ウイングフィールド 80点

2011-10-21 11:10:53 | 演劇遍歴
何の前知識もなくふらりと演劇を見た。考えたら劇団二つの合同公演だから何らかの意味があるはずなのだ。合同公演と言うのも知らずただ演劇を見るという行為をした。 鹿が捕らわれている。農業をしている人は作物が荒らされるからと殺そうとする。しかし可哀想だからと逃がしてあげる人もいた。そこからこの不思議な演劇は始まる。 白い舞台に周囲に椅子が数脚。そこに俳優が控えている。この形式は最近多い構成だ。俳優が舞 . . . 本文を読む
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エンディングノート (2011/日)(砂田麻美) 80点

2011-10-20 15:21:43 | 映画遍歴
この映画、予告編で見た時、死期を知った猛烈サラリーマンが自分をしっかり残すために誰かに委託して製作した映画だと思った。冒頭、その私の声が女性であることに違和感を覚えるが、その声が彼の次女であり、また監督でもあることを徐々に知ることになる。 そうこの映画は死期を悟った男の自主的な映画ではなく、ずっと前から日常的に父親を撮っていた娘の映像集であったのである。毎日普段からカメラを向けられていると、男は . . . 本文を読む
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ステイ・フレンズ (2011/米)(ウィル・グラック) 65点

2011-10-20 13:42:32 | 映画遍歴
恋愛・感情NGを基本にセックス・フレンドとして付き合うことにした二人がやがて、というある意味古典的なラブコメである。別にこういうテーマはどうでもいいというのが僕の本音だが、こういう映画を見て現代のカップルが感心するのだろうか、という疑問も一方では浮かんでくる。 別にセックスフレンド関係の二人は巷に溢れるほどいると思う。そういう二人が恋愛関係に発展するというのは世の道理でもあると思う。好きだけで結 . . . 本文を読む
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ライト・グッドバイ(東 直己 早川書房 2005) 70点

2011-10-20 13:17:54 | 読書遍歴
このところ東の作品を読んでいる。若きころよく出向いたススキノが何となく気になって読んでしまう。しかもいかしたカクテルなどをちびり飲んで人生を考える。(まあ、小説ではそんな静かな時間帯はないが)そんな雰囲気を与えてくれるこの作家のテーマが好きだ。 今回は警察がどうしても手が出せない女子高生行方不明事件の被疑者と親友になってくれという頼みである。そしていやいや会うと、彼が一番好まない種類の男であった . . . 本文を読む
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初陣 隠蔽捜査〈3.5〉(今野 敏著 新潮社 (2010)) 75点

2011-10-07 10:51:10 | 読書遍歴
隠蔽捜査、竜崎署長の親友(?)伊丹刑事部長を主人公とした要するにスピンオフもの。全部で8話あるが、どれも伊丹が難問に困り果て竜崎から助言をもらうと言った、結局は竜崎が主人公の8篇である。 冒頭の福島警察関係は現在放射能関係で問題が多すぎるが、平和な時代の福島である。であるから、こんないい所でこんな問題が起こってしまってと、本当に心配もしまた気の毒である。会津と薩摩、長州とのお国柄も面白く興味深く . . . 本文を読む
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ミケランジェロの暗号 (2010/オーストリア)(ヴォルフガング・ムルンベルガー) 85点

2011-10-06 13:09:38 | 映画遍歴
よく出来た脚本ですね。人間の人生が一転二転するところがシニカルでユーモアがあり、人類史上でももっともな悲劇のホロコーストを底辺に控えながらのこのコメディタッチは秀逸の一言。人間の大きさまで感じさせます。 ある一枚のデッサンで歴史が変わろうとしているんですね。それと同じく人種の相違と言うだけで人が生き死にする地獄も目の前にある苛酷な事実。それをモチーフに人間の愚かさ、哀しさ、大きさ、愛の強さ、友情 . . . 本文を読む
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ゴーストライター (2011/仏=独=英)(ロマン・ポランスキー) 80点

2011-10-05 15:28:32 | 映画遍歴
この何か俗っぽい題名からは何も浮かばない。ましてや、英国の暗い湿度の体感は微塵にも感じられない。まるでサスペンスの王道とでも言える娯楽作品なのだが、じわじわ追われるその閉塞感から【ポランスキー】の心情が推し量れる展開とも見える。 ポランスキーはアメリカから追われている。芸術家にして犯罪逃亡者でもある。その彼が堂々とヨーロッパ資本で作品を作っているということもすごいが、特にこの映画、アメリカ批判を . . . 本文を読む
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天国からのエール (2011/日)(熊澤誓人) 70点

2011-10-05 13:38:58 | 映画遍歴
ベタすぎる題名。ベタな展開。ベタなラスト。でもそのベタさがこの映画の魅力でもあるのかなあ、、。 だいたい題名からしてこの映画が既にどういうものか分かるでしょう。こんなやり方は普通は危険でもあると思う。でもそれを敢えて通したスタッフたち。そうこの映画はベタで通したけどベタの良さが随所見受けられる作品でもある。 まずあの可愛い【桜庭ななみ】が女子高生役。これが結構違和感がなく不思議。あのよく育った . . . 本文を読む
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親愛なるきみへ (2010/米)(ラッセ・ハルストレム) 70点

2011-10-02 12:52:08 | 映画遍歴
なんかそぐわない題名だね。「DEAR JOHN」だから、手紙の「拝啓」だとかいう意味なんだ。配給会社の手抜きと言うか、最近流行らなくなった英語字読みの羅列でもよかったのに、、。 2週間と言えど一生を規定してしまう恋というものがある、ということ。これは素晴らしい。というか、うらやましい。恋愛ってこうありたいとは思う。いろいろ屈折はあれど、最後には本当に純粋な男と女は結ばれる。これが日本流の赤い糸と . . . 本文を読む
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