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Sightsong

自縄自縛日記

メアリー・ダウマニー+マイルス・ブラウン『The Narcoleptor』

2019-12-15 11:04:09 | アヴァンギャルド・ジャズ

メアリー・ダウマニー+マイルス・ブラウン『The Narcoleptor』(Nosferatunes、2018年)を聴く。

Mary Doumany (harp, voice)
Miles Brown (theremin)

30分弱のサウンドにおいて、このふたりがみせてくれる空間の拡がりに感嘆する。

テルミンは、(当然のことだが)サウンドへの宇宙的な味付けなどではなく、全体を支配するエーテル流の創出器として機能している。それが大きく揺蕩うなかで、メアリー・ダウマニーのハープが仕掛ける響きもまた自由に泳動し、音が届く空間をさらに拡張している。ヴォイスとのつながりも良い。

はじめてメアリーさんを知ったのは、たしかFtarriにおいてである。観客として隣に座ったメアリーさんは、初対面のわたしに、演奏が終わるなり「いまかれらは熱い砂漠を耐えて歩いていた」とか「いまかれらは細い峰を落ちないように歩いていた」とか幻視した内容を話してきて、おもしろい人だなと思ったのだった。音楽はもっとおもしろい。

メアリーさんはまもなく再来日する。


廣木光一+ナスノミツル+芳垣安洋@本八幡cooljojo

2019-12-15 07:03:51 | アヴァンギャルド・ジャズ

本八幡のcooljojo(2019/12/14)。

Koichi Hiroki 廣木光一 (g)
Mitsuru Nasuno ナスノミツル (b)
Yasuhiro Yoshigaki 芳垣安洋 (ds)

全編フリー。

廣木さんはこんなギンギンにアグレッシブな演奏もするのかという驚きがあった。しかしそこは廣木さんであり、勢いや全体の流れの一部に堕してしまうことはない。取り出して提示するものは研ぎ澄まされていて、冷たいと同時に熱い。

ナスノさんはサウンド全体を覆い、また内部からも駆動するグルーヴ。そして芳垣さんは常に瞬間加速器を持っていて、ここぞというときに超濃密にブーストする。

いやカッチョいいな。ファーストもセカンドも時間を忘れるほど楽しかった。廣木さんと芳垣さんは数年前に何かのギグでいちど共演したのみ、廣木さんとナスノさんとはこの日がはじめて。つまり企画の妙である。

●ナスノミツル
JOJO広重+ナスノミツル@荻窪ベルベットサン(2019年)
植村昌弘+ナスノミツル+坂口光央@千駄木Bar Isshee(2014年)
本田珠也SESSION@新宿ピットイン(2014年)

●芳垣安洋
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
大前チズル『Royal Folks』(2017-18年)
オルケスタ・リブレ@神保町試聴室(2017年)
MoGoToYoYo@新宿ピットイン(2016年)
ネッド・ローゼンバーグ@神保町視聴室(2014年)
大島保克+オルケスタ・ボレ『今どぅ別り』 移民、棄民、基地(1997年)