Sightsong

自縄自縛日記

HIROKI BAND@南青山ZIMAGINE

2019-08-25 08:47:55 | アヴァンギャルド・ジャズ

南青山のZIMAGINE(2019/8/24)。

Koichi Hiroki 廣木光一 (g)
Nobumasa Tanaka 田中信正 (p)
Masaharu Iida 飯田雅春 (b)
Kazuko Habu 羽生一子 (ds)

このメンバーで悪いわけはないのだが、期待を上回る興奮と満足。

最初はミンガスの「Goodbye Pork Pie Hat」から始まった。ちょっとしたドラムスの変化によってピアノが音風景を変えたのには目が醒めてしまった(暑くてぐったりしていた)。続いて、「I Remember You」をクールジャズのコンセプトで書き換えたという「Remember Jojo」。それはまさにトリスターノ~コニッツ、またタイトルの通り高柳昌行の解釈を踏まえた再解釈で、淡々と研ぎ澄まされた廣木さんのギターと他とのユニゾンが良い。飯田さんは「Our Love Is Here To Stay」を引用したような気持ちの良いソロを弾いた。

廣木さんのオリジナル「白いシクラメン」では田中さんのここまで拡がるかという煌びやかなピアノに驚かされる。シコ・ブアルキの「ウ・キ・セラ」は飯田さんのベースソロからはじまった。それはあたたかく残響を効かせていた。羽生さんは頻繁にギアを入れ替えた。

セカンドセットはスティーヴ・スワロウの「Ladies in Mercedes」から。繰り返し快感という地獄に向かうスワロウらしい曲、これにHIROKI BANDのサウンドはとても合っているように思えた。題名のまだないオリジナルのあとのやはりオリジナル「Otaru Shibuya Yokohama」では、みんなノリノリで、羽生さんがシンバルの上を叩くことによる尖ったパルスが刺激剤となった。

驚いたことに、ここで「涙そうそう」。先日の終戦記念日には、廣木さんは一日中YouTubeで夏川りみのクリップを観ていたという。と照れながらメンバー全員が一緒に出て、不協和音もはさんだピアノソロ。音をぎちぎちに詰め込んだベースソロではメロディを風のように使ったりもした。最後のオリジナルではふたたび目が醒めるドラムソロ、それは硬く光る切子グラスを思わせた。

廣木さんや飯田さんと、齋藤徹さんの話をすこし。飯田さんの初吹き込みは徹さんの『アウセンシャス』だった。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●廣木光一
廣木光一+渋谷毅『Águas De Maio 五月の雨』(2018年)
廣木光一+永武幹子@cooljojo(2018年)

高田ひろ子+廣木光一@本八幡cooljojo(2017年)
安ヵ川大樹+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
吉野弘志+中牟礼貞則+廣木光一@本八幡Cooljojo(2016年)
廣木光一+渋谷毅@本八幡Cooljojo(2016年)
Cooljojo Open記念Live~HIT(廣木光一トリオ)(JazzTokyo)(2016年)
廣木光一(HIT)@本八幡cooljojo(2016年)
廣木光一『Everything Shared』(2000年)
廣木光一『Tango Improvisado』(1995年)

●飯田雅春
廣木光一(HIT)@本八幡cooljojo(2016年)

●田中信正
森山威男 NEW YEAR SPECIAL 2019 その2@新宿ピットイン(2019年)
纐纈雅代トリオ@新宿ピットイン(2017年)
森山威男3Days@新宿ピットイン(2017年)
喜多直毅+田中信正『Contigo en La Distancia』(2016年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
廣木光一『Everything Shared』(2000年)

 


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