Sightsong

自縄自縛日記

山内桂+今西紅雪@東北沢OTOOTO

2024-04-06 09:38:18 | アヴァンギャルド・ジャズ

東北沢のOTOOTO(2024/4/5)。

Katsura Yamauchi 山内桂 (sopranino sax, as)
Kohsetsu Imanishi 今西紅雪 (koto)

前回の共演では、山内さんの演奏から相とその変貌のプロセス(相転移)を感じ取った。もしかするとPermianの内壁がよく響くものであったからかもしれない。空間が演奏者と一体となることも相の創出にひと役買っているかもしれないからだ。この日のOTOOTOの響きはどちらかといえばデッド。それが影響したのかわからないが、演奏のありようはこの場ならではのものだった。

ふたりは擦れるような音から演奏空間の外枠を描きはじめる。箏のあざやかな音がその円環のなかに飛散し、一方でサックスが外枠の円環そのものをずらしたり破いたりするようなうごき。倍音とノイズがゆっくりと姿を変えてゆき、ときにサブトーン自体が主役に出てくる。おもしろいのは弦に付けられたヘアクリップが偶然の要素をもつよう操作されるとともに、弦自体の振動で自律的に勝手なうごきをはじめたことだ。これによって円環内の箏の小人が2人、3人と増えて踊りをみせることになった。

円環という舞台がすでにあり、セカンドセットはそれを前提とする。その内部でサックスが刷毛や筆のようにして色を塗り、箏もまたあちらからこちらへ。すなわち場全体を抱き寄せるのではなく場のなかで移動する音楽。

Fuji X-E2, 7Artisans 12mmF2.8, XF35mmF1.4

●山内桂
山内桂+今西紅雪@不動前Permian(2023年)
サガイン@なってるハウス(2020年)
千野秀一+山内桂@Ftarri(2018年)
山内桂『live at Futuro cafe』(2017年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
山内桂+マーティン・ヴォウンスン『Spanien』(2010年)
山内桂『波照間』、『祝子』(2006、08年)
山内桂+ミシェル・ドネダ『白雨』(2004年)

●今西紅雪
ヨルダン・コストフの2023年冬のツアー(2023年)
山内桂+今西紅雪@不動前Permian(2023年)
「響む 其の六」@東北沢OTOOTO(2023年)
ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪(JazzTokyo)(2023年)
フェルナンド・カブサッキ+今西紅雪@神谷町光明寺(2023年)
Entropic Hop/日本ツアー・関東の陣(JazzTokyo)(2023年)
ブライアン・アレン+田中悠美子+今西紅雪@東北沢OTOOTO(2023年)
蓮根魂@なってるハウス(2022年)
障子の穴 vol.4@ZIMAGINE(2020年)
トム・ブランカート+ルイーズ・ジェンセン+今西紅雪+田中悠美子@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2019年)
今西紅雪+S.スワーミナータン@葛西レカ(2019年)
August Moon@浜町August Moon Cafe(2019年)
障子の穴 vol.2@ZIMAGINE(2019年)
今西紅雪「SOUND QUEST 2019 〜谺スル家〜」@千住仲町の家(2019年)
タリバム!+今西紅雪@本八幡cooljojo(JazzTokyo)(2019年)
ピーター・エヴァンス@Jazz Art せんがわ2018(JazzTokyo)(2018年) 


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