Sightsong

自縄自縛日記

クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri

2018-10-13 06:35:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

水道橋のFtarri(2018/10/12)。

Craig Pedersen (tp)
Elizabeth Miller (amplified cl)
Toshimaru Nakamura 中村としまる (no-input mixing board)
Junji Hirose 広瀬淳二 (ts)

昨年来のクレイグ・ペデルセンとエリザベス・ミラーの来日である。カナダ名物のメープルシロップをいただいた。

■ クレイグ・ペデルセン+中村としまる

クレイグさんは昨年よりも表現が一方向に収束し、その意味では少し過激になったようにも思える。トランペットで息遣いのみを増幅するのだが、その息遣い自体はピストンの動きによってマイクの前に既に加工され増幅されている。ピストンを指で下から上へと押さえるのもユニークだ。途中でマウスピースを外して息を吹き込み、また別のマウスピースに付け替えもした。外して直接吹くと痛いってピーター・エヴァンスは言っていたけど、と訊くと、彼はアクティヴにプレイするからそりゃ痛いだろう、でも自分も常に痛いんだ、と。

その横で、中村さんは爆走などはしないが、ときに奇妙な音の棘があらぬ方向から突き出てきて驚かされる。静かな胎動はエレクトロニクスの息遣いなのかもしれない。しかし何かが提示されるときの加速度が速く、静かであっても周囲にマーキングをしていく。

クレイグさんも参加した、ロスコ―・ミッチェルのモントリオール・トロント・アート・オーケストラによる『Ride the Wind』も聴かないと。

■ エリザベス・ミラー+広瀬淳二

広瀬さんのプレイはとても新鮮で、頬や唇の動きであそこまでの奇妙な音を出し続けられるのかと驚いた。途中からヴァイブレイターをサックスやその横の発泡スチロール、またマウスピースにも当てた。(唇を震わせてしまい、こそばゆかったのか笑っていた)

エリザベスさんはクラリネット、机上の小道具(エレクトロニクス、ファン、磁石、マテリアルとしてのCDなど)、またクラリネットに戻って手前半分のみ、そしてまた完全形のクラリネット。

ふたりとも静かな音を繰り出し続けた。その音が、おのおのの触る楽器の近傍3センチメートル以内に限定されているように感じられた。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラー
クレイグ・ペデルセン+エリザベス・ミラー+徳永将豪+増渕顕史+中村ゆい@Ftarri(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
毒食@阿佐ヶ谷Yellow Vision(2017年)
クレイグ・ペデルセン、エリザベス・ミラーの3枚(2016-17年) 

●中村としまる
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
『OTOOTO』(2015、17年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)
中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)

●広瀬淳二
広瀬淳二『No-Instrument Air Noise』(2017年)
ブライアン・アレン+広瀬淳二+ダレン・ムーア@Ftarri(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
広瀬淳二+今井和雄@なってるハウス(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
広瀬淳二『SSI-5』(2014年)
広瀬淳二+大沼志朗@七針(2012年)
広瀬淳二『the elements』(2009-10年)


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