Sightsong

自縄自縛日記

中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』

2018-07-13 07:42:45 | アヴァンギャルド・ジャズ

中村としまる+ジョン・ブッチャー『Dusted Machinery』(2009年)を聴く。

Toshimaru Nakamura 中村としまる (no-input mixing board)
John Butcher (sax)

ジョン・ブッチャーの超絶技巧は言ってみれば「いつもの通り」であり、感嘆はするけれど、もはやこちらも驚くように驚くことはしない。それは多彩極まりない音も自己で完成されたものとして提示されるからでもある。自己の殻をやぶろうとする仕草など見せれば、毎回、聴く者にそのプロセスを疑似体験させることができるのかもしれないが、かれはそのようなことはしない。

そのブッチャーの音世界と対等に演奏している中村としまるもやはり凄い。「no-input mixing board」はコントロール自体が至難に見えるのだが、そのようにクソ重いものを操って大きな流れを作りだしている。

重いものが動くときは慣性も大きいわけだが、何の前触れもなく突然それが途絶し音風景が変わる。ブッチャーも平然とその瞬間に脱皮する。

2009年、ロンドンにおける録音。最初はスーパーデラックスでの共演であったという。こんどブッチャーが来日することでもあれば、ぜひこのデュオを観てみたい。

●中村としまる
フタリのさとがえり@Ftarri(2018年)
竹下勇馬+中村としまる『Occurrence, Differentiation』(2017年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Spontaneous Ensemble vol.7@東北沢OTOOTO(2017年)
中村としまる+沼田順『The First Album』(2017年)
内田静男+橋本孝之、中村としまる+沼田順@神保町試聴室(2017年)
山内桂+中村としまる『浴湯人』(2012年)

●ジョン・ブッチャー
ジョン・ブッチャー+ジョン・エドワーズ+マーク・サンダース『Last Dream of the Morning』(2016年)
歌舞伎町ナルシスの壁(2016年)
ジョン・ブッチャー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2015年)
鈴木昭男+ジョン・ブッチャー『Immediate Landscapes』(2006、15年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』(2015年)
The Open Secret『A Geography For Plays』(2014年)
ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』(2014年)
ロードリ・デイヴィス+ジョン・ブッチャー『Routing Lynn』
(2014年)
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年)
ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Bottle Breaking Heart Leap』(2013年)
ヨアヒム・バーデンホルスト+ジョン・ブッチャー+ポール・リットン『Nachitigall』(2013年)
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド(2010年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』(2009年)
ジョン・ブッチャー『The Geometry of Sentiment』(2007年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
『News from the Shed 1989』(1989年)

ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年) 


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