Sightsong

自縄自縛日記

三宮一貫楼の豚まん、551蓬莱の豚まん、神楽坂五十番の肉まん、神楽坂フルオンザヒルの肉まん

2016-12-11 20:23:07 | 食べ物飲み物

東の雄こと「神楽坂五十番」の肉まんを食べることができて満足していたところ、同じ神楽坂に別の肉まん店を発見してしまった。高級住宅街のなかに小さく構えた「フルオンザヒル」である。名前がいかしている。確かに神楽坂はヒルにあって、ひとつ226円の「プチ肉まん」を買って、お店の前でかぶりついていると自分が限りなくフルに見える。

それはそれとして、肉まんひとつだけなのにお茶まで出してくださって、とてもいいお店だった。プチとは言っても普通サイズで、ほどよくおやつ感覚。中身にはしっかり味が付いていてこれが東京。そんなに皮が厚くないからもたれない。ここも旨い。また汁をこぼしてしまった(フル)。

よしよし、肉まん豚まん評論家を目指そうかな(何も知らん癖に)。

===以下、同じ2016年12月。===

全日空の機内誌『翼の王国』に、長友啓典氏による「おいしい手土産」という連載があって、毎回なんとなく読んでしまう。その中に、確か、西の「551蓬莱」に対して東の「神楽坂五十番」だ、などと書いてあって、そのうちにと思っていた。ちょうど入院中の病院から神楽坂は近く、思いがけず好機到来。ひとつ買って、急ぎ足で病院に戻って食べた。

結構大きいので、まずはパカリと割ってみたら、ズボンに汁をこぼしてしまった。かなり肉汁が多い。味付けも東京もんらしくしっかりしている。汁が多くても中から皮に沁みてぐちゃぐちゃになるでもなく、ちゃんとホールドしている。割らずに、大きな小籠包だと思って食べるべきである。そして食後の充実感がある。

でも好みはやはり「551蓬莱」なのだった。

ところで、なぜ関西で「豚まん」、関東で「肉まん」なのかについては、一説によれば、かつての肉の供給状況と人びとの嗜好が関係している(小菅桂子『カレーライスの誕生』の受け売り)。つまり、日清・日露戦争が起こり、牛肉の缶詰が戦地に送られた結果、牛肉の産地を控える関西と市場に流通する牛肉が減った関東では、人びとの嗜好までが違ったものになってしまった。そして、カレーライスについても、大阪では、牛肉が8割近く用いられ(東京は3割)、逆に東京では、豚肉が4割以上用いられている(大阪は1割)。従って、肉と言ってしまえば関西ではそれは牛肉ということになってしまうから、あえて豚肉だと呼ぶのだというわけである。

===以下、2014年9月。===

所用で神戸に足を運んだついでに、三宮駅で関西豚まん対決。両方ともテイクアウト専門店である。

三宮一貫楼」の豚まんは、はじめて食べる。具がぎっしりで肉肉しいと聞いていたのだが、実際にはそうでもなく、普通の具と皮とのバランス。具材が粗めに切ってあり、汁が多い。少ししょっぱい印象もあるが、その一方で、玉ねぎの旨味が嬉しい。

551蓬莱」は大阪が本拠。以前に、伊丹空港の店舗で何度も食べた。あらためて「一貫楼」とくらべてみると、具材が小さく刻んであって粘性がある。また、皮自体がとても旨い。

対決の結果、両方旨い。というと勝負にならないので、皮が旨い「551蓬莱」がより好み。

左:三宮一貫楼、右:551蓬莱 (iphoneで撮影)

●参照
551蓬莱


向島ゆり子『Right Here!!』

2016-12-11 10:34:53 | アヴァンギャルド・ジャズ

向島ゆり子『Right Here!!』(Off Note、1995-96年)を聴く。

Yuriko Mukoujima 向島ゆり子 (vln, accordion, sample)
Kazuto Shimizu 清水一登 (p)
Ryota Komatsu 小松亮太 (bandoneon)
Kazutoki Umezu 梅津和時 (cl)
Masataro Naoe 直枝政太郎 (g)
Sachi Hayasaka 早坂紗知 (sax)
Makoto Yoshimori 吉森信 (syn, hamondo organ)
Saizo Kuge 久下昌三 (telemin,o.o.o)
Jiro Imai 今井次郎 (sample, voice)
Shigeri Kitsu 木津茂理 (voice)
Hiroshi Yoshino 吉野弘志 (b)
Takayoshi Matsunaga 松永孝義 (b)
Wayne Horvitz (p)
Tom Cora (cello)
Samm Bennett (perc)
Yoshio Kuge 久下惠生 (ds, perc) etc. 

音楽は駅のアナウンスや雑踏のサンプリングからはじまる(今井次郎?)。曲により、想像の上で立つ場所も、集まる音楽家も異なる。向島さんのヴァイオリンやアコーディオンが心を騒めかせるのはもちろんだが、それだけではない。

「The Summer Knows」を思わせる曲調の「I Miss You」では、早坂紗知の哀しいサックスから入って、吉森信のシンセ、向島ゆり子のヴァイオリンが胸を掴む。「Tango」では片トラックだけのサウンドが続き、30秒後に唐突に小松亮太のバンドネオンが入ってきて、それまで陶然としていた感情がまた揺さぶられてしまう。「ハバネラ」もまたルーツミュージック。先日のゴールデン街・裏窓でのソロでも演奏してくれた。

人いきれの音楽、旅の音楽、タンゴ、越境。なんて魅力的なんだろう。聴いても聴いてもまた動悸がする。

●向島ゆり子
向島ゆり子@裏窓(2016年)
飯島晃『コンボ・ラキアスの音楽帖』(1990年)
パンゴ『Pungo Waltz』(1980-81年)