トニーニョ・フェハグッチ『a gata café』(Boranda、2016年)を聴く。
Toninho Ferragutti (accordion)
Cássio Ferreira (sax)
Cléber Almeida (ds)
Thiago Espírito Santo (b)
Vinícius Gomes (g)
フェハグッチはブラジルのアコーディオン奏者。
まったくよどみのない指と蛇腹の動きで、少し甘いようなアコーディオンの音色が、同じ音域にあるサックスの音色と、実に気持ちよく絡んでいる。こういう音楽を聴くと、身体も心も弛緩して、街角の石畳やカフェや陽だまりなんかをイメージしてしまう。人いきれの音楽でもあり、都会の音楽でもあるんだな。
タイトル曲は「猫のコーヒー」という意味だそうで、それはジャコウネコのウンチを通過させたコピ・ルアックのことなどではなく、猫がゆるりと自分の場所を決め込んだりするカフェで飲むコーヒーのことかな。2曲目の「Egberto」は、エグベルト・ジスモンチに捧げた曲だろう。ああ旅に出たい。