Sightsong

自縄自縛日記

アンドレ・マルケス/ヴィンテナ・ブラジレイラ『Bituca』

2016-12-18 11:27:07 | 中南米

神楽坂の大洋レコードを覗いてみたところ、アンドレ・マルケス『Viva Hermeto』(2014年)、トリオ・クルピラ『Vinte』(2016年)の横に、アンドレ・マルケス/ヴィンテナ・ブラジレイラ『Bituca』(2013年)が置いてあった。

ヴィンテナ・ブラジレイラは、エルメート・パスコアールのグループにおいてピアニストを務めるアンドレ・マルケスによるビッグバンドであり、本盤はミルトン・ナシメントのカヴァー集となっている。

Andre Marques (arrange, conduct, p, fl, melodica)
その他、弦楽器、管楽器、打楽器などメンバー多数 

アルバム全体を通じて、幻惑的で魅力がある。曲ごとにさまざまな展開があって、ナシメントの曲ではあるが、同時にエルメートの音楽がもつ、汲んでも汲み足りないウキウキ感と豊饒さにも溢れているようだ。笑いながら焦って繰り返していくような感覚は何にもかえがたい。

ある曲は弦中心、ある曲は管楽器のソロを目立たせ、ある曲ではバンドネオンやアコーディオンが前に出てきて、またある曲ではコーラス中心。

マルケス自身は演奏よりもアレンジと指揮に集中しているのではあるが、6曲目の「Morro Vehlo」はピアノソロ曲となっており、抑えた導入部から最後の歓びへの展開が素晴らしい。この雰囲気はそのままに7曲目に突入する。また、2曲目ではフルートを、また11曲目ではメロディカを演奏しており、特にメロディカの甘さに惹かれる。

エルメートのグループにおいて、マルケスがどのようなパフォーマンスを見せてくれるのか楽しみだ。

●アンドレ・マルケス
トリオ・クルピラ『Vinte』(2016年)
アンドレ・マルケス『Viva Hermeto』(2014年)