Sightsong

自縄自縛日記

ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』

2016-12-24 09:13:38 | アヴァンギャルド・ジャズ

ジョン・ブッチャー+トマス・レーン+マシュー・シップ『Tangle』(FATAKA、2014年)を聴く。

John Butcher (sax, feedback)
Thomas Lehn (analogue synthesizer)
Matther Shipp (p)

シップのイントロに加えて鼓動のようなサウンド、そしてブッチャーがサックスを吹き始めるのだが、驚くほど「ジャズ」である。まるでサム・リヴァースのようである。これは演奏全体を通じてそのようであって、もちろんブッチャーは多彩な音を提示するものの、またしても「ジャズ」的な音に回帰してくる。

ブッチャーの特質は、演奏者やサウンドに合わせて自身を変態させるカメレオンのようなところにあるのだと思っている。とすれば、この演奏はシップが主導権を握っているわけである。

シップも過激ではあっても「ジャズ」であり、随時、自分のフィールドに持ち込む手腕はさすがである。DJスプーキーとの共演映像においても、「フリージャズ」の人・シップは、力技で最後は自身のサウンドとしていた。

それにしても見事な化学変化である。これがCafe OTOでライヴとして繰り広げられたとは。

●ジョン・ブッチャー
ジョン・ブッチャー+高橋悠治@ホール・エッグファーム(2015年)
ジョン・ブッチャー+ストーレ・リアヴィーク・ソルベルグ『So Beautiful, It Starts to Rain』(2015年)
ロードリ・デイヴィス+ジョン・ブッチャー『Routing Lynn』
(2014年)
ジョン・ブッチャー@横浜エアジン(2013年)
ジョン・ブッチャー+大友良英、2010年2月、マドリッド(2010年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
フレッド・フリス+ジョン・ブッチャー『The Natural Order』(2009年)
ジョン・ブッチャー『The Geometry of Sentiment』(2007年)
デレク・ベイリー+ジョン・ブッチャー+ジノ・ロベール『Scrutables』(2000年)
ジョン・ラッセル+フィル・デュラン+ジョン・ブッチャー『Conceits』(1987、92年)

●マシュー・シップ
マット・ウォレリアン+マシュー・シップ+ハミッド・ドレイク(Jungle)『Live at Okuden』(2012年)
ジョン・ブッチャー+マシュー・シップ『At Oto』(2010年)
DJスプーキー+マシュー・シップの映像(2009年)