ハノイ便り

久しぶりの海外転勤、日々の記録として書き綴ります。

コーロア城

2013-12-19 20:43:08 | Weblog

12月19日 はれ 13℃

毎朝、外においている温度計の数字が確実にさがってゆき、今日は10℃。

ただ朝からお日様がでているので、日本の秋のようにピリッとした外気と青空と美しい日差しが気持ちよい。

しかし、先週のコーロア城遠足は底冷えのする日だった。

コーロア城はハノイ市の北、ノイバイ空港の近くにある、東南アジア最古、紀元前2世紀ごろにベトナム北部に存在した都城。

お城の周囲約8km、かつては高さ3~10mもあった幾重もの城壁でらせん状に囲まれた、防御の巧妙な構造のお城が、2000年以上も前にベトナムにあったことに驚きを感じる。

お城を建てたアンズオン王が城壁を作っているときに現れた金色の亀(ベトナムの伝説に絶対でてくるのが亀)の建国伝説と、王様の娘のミーチャウ姫の落城伝説が有名だそうだ。

偽装結婚としらずに結婚させた王様の娘のミーチャウ姫が戦に敗れた原因と金亀(ここでもまた亀)に教えられ、王様は娘の首をはね、海の中に逃げ込んだ。

その、落城の原因となった美しい衣装を着て幾重もの真珠の首飾りをつけた、首のないミーチャウ姫(大きな石に衣装を着せている)を祀っているお寺がある。

いま、この大きな城壁のなかは家や畑があり、自転車がのんびり走るのどかな場所となっている。

   アンズオン王の像  アンズオン王と金亀をまつる神社    

         井戸のある池     ベトナムには珍しく、静かで美しい

 2000年以上前の城壁の土手  ここに立ってもこれがかつては城壁だったとは思えない

紀元前2世紀に、こんな大きなお城を造ることができたのは、その当時この地域にたくさんの人が住んでいたから。

それは、ベトナムのこの地域が、多くの人が住んで食べていけた豊かな地域であったということで、ハノイ近郊は昔から豊かな地域だったと納得。

日本の戦国時代末期の大阪城のようなお城と同じような戦術構想による土木工事がハノイのこのあたりで、2000年以上も前に造られていたということにこの国の歴史を感じる。

2000年以上も前に造られた土手に立った時、古代の人と同じ空気を共有できたような感じになり嬉しかった。