5月17日
トムちゃんとは、メンバーのゴルフ場の背番号001のキャディーさんである。
昨日はオットとの週末ゴルフの日。
男性はお金をかけたりして遊ぶ時、味方につけるとスコアーアップとも言われるほど、キャディーの仕事ぶりは大事で、真剣に自分にあったキャディー探しをする。
トムちゃんは、オットがメンバーになって以来ずっと指名していたキャディーさんである。
キャディーの給料はほんの少しらしく、客からのチップが生活を支えている。
出勤しても仕事の無い日は、ゴルフ場の草むしりなんかをしている。
そんなことから、彼女たちも、積極的に営業活動をして、私を使ってとアピールする。
去年の夏のことだが、平日一緒にラウンドした。
ところがその日は、ものすごく暑い日でわたしも、キャディーもへとへと。
その日以来5日寝込んでしまった彼女から、マダムストロングというあだ名をつけられてしまった。
トムちゃんは、特別に暑さに弱いということで、有名だということは知らなかった。
そのトムちゃん、このところみかけることがなかったし、オットもいつしか予約することもなくなりなってきた。
船着場に着くと、トムちゃんがいたので、嬉しくなって今日は私とラウンドして、と御願いした。
オットは、ちょっとやばいんじゃないか、僕は違うキャディーの予約をしているのに、とか小声ではなしかけてくる。
コースに行く車中、バックミラーに写った彼女の顔があまりに元気がない。
彼女のほうから、オットが亡くなり、3ヶ月の喪に服していたこと、9歳の娘と2人だけの生活になってしまったことなど、胸の喪章をみせながらはなしてくれた。
以前、家族の話をたくさんしてくれていたので、心配になり、子供はどうしてるのときくと、今日は学校にいっているけど、明日は、早朝に出勤して仕事をすませたら急いで帰るという。
彼女の仕事はじめの日に再会したこと、オットのハノイでのゴルフは彼女から始まったこと等思うと、他人事でなく、彼女にあったことが、運命と思い、またラウンドについてもらおうねとオットとはなした。
トムちゃん、元気になって、あのはちきれそうな笑顔がもどってくることを、こころからまっています。