11月19日
ハノイは大昔、海であったからか、このあたりは、どこにいっても湿地帯が広がる。
池や湖とともに暮らすための必需品、交通手段としても、小舟が必要になるのは想像できる。
海に出ることはないので、手軽、簡便なものでよいからか、身近な素材で小舟を作るため、地域によって形が違うようである。
このあたりは、岩山なので、木は思うように育たないので、竹を使うようになったのであろう。
ニンビンの観光の目玉は、この竹舟にのる舟遊びだ。
竹舟の製作日数は、およそ2週間、一艘の舟に約15本の竹を使い、舟の寿命は1年半位といわれる。
しかし、チャンアンで洞窟めぐりに使われる舟は、鉄舟であった。
こぎ手は後部にのり、これでは舟を進ませるのに力が必要だろうと、オットは心配したが、客にとっては、漕ぎ手と顔を合わせることもなく、見晴らしがよく好都合であった。チャンアンでも竹舟を見つけた。
漆喰のようなものを塗っていて、こんな舟は、はじめて。
おそらく、防水とか、腐食防止とかのためであろう。
南のニャチャンでみた、竹のざるを大きくしたような舟も印象に残っている。
生活のかたわらに水辺があり、そこに生きる人たちの知恵とたくましさを感じる。
手入れが簡単で長持ちする材料が手に入るこの時代に、まだまだ残っている自然素材のやさしいものに出会えることに、わたしはひかれてしまう。