鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2012.7月取材旅行「桐生」 その7

2012-08-05 06:05:58 | Weblog
崋山が桐生天満宮を詣でたのは10月27日。まず「紗綾市」を見学して、それからの帰途、下久方村の「天神祠」に参ってから、町の裏から田んぼの間を西行して山際に至り、そこから円満寺の妙見堂に立ち寄って、岩本家に戻っています。現在で言えば、本町通り→買場通り→本町通り→桐生天満宮→山手通り→円満寺→恵比寿通り→酒屋小路を歩いて行ったものと思われます。崋山によれば、「紗綾市」は毎月3日と7日に行われ、その「紗綾市」が行われる場所は、市日ごとに所を替えていたようです。「紗綾市」は日の出から日没まで行われ、買いに来るものは皆遠くから(七八里外)やってきたようだ。絹織物だけでなく、午後になると町中に張り店が出て、様々な雑貨日用品や食料品なども販売される。近郷の老若男女が集まり、桐生の町仲が大変な雑沓と賑わいになるのが「紗綾市」でした。桐生天満宮については、崋山は「此祠は桐生第一街」にあって、六丁目より一文字に通りが町中を貫くその行き止まりのところにあるとし、境内には松並木が黒く繁り、中に一筋の川が清らかに流れ出ているとしています。社殿には花鳥の彫刻が見事になされており、江戸などにおいてもまれな社殿である、とも記しています。 . . . 本文を読む