湧水で有名な柿田川は狩野川に流れ込む。つまり柿田川は狩野川の支流の一つということになります。しかしこの柿田川は全長およそ1200mに過ぎない。その名も清水町の、国道1号線の直下からこつぜんと湧き出します。ここが柿田川の源流。川幅は30~50m。昭和61年(1986年)の4月に、川の保護・保全のために「柿田川公園」として開園しました。「露研」の旅では、三島駅より2台のタクシーに分乗し、「泉の館」の駐車場に到着。湧水を使用したコーヒーを味わった後、国道1号線の横を通って、柿田川公園に入りました。遊歩道を歩いてまず第一展望台より「わき間(ま)」を見ました。ここが富士山周辺に降った雨や雪が、三島溶岩流の間を地下水となって流下して湧き出てくるところ。大小数十ヶ所の「わき間」から湧き出る水量は、1日約100万トンと推定され、湧き水としては東洋一だという。桜の花の下を第二展望台へ。ここの湧き水は、かつて紡績会社が井戸として利用していたという。井戸を思わせる筒状の囲いがあり、その筒の下の砂地からこんこんと湧き水が噴き出ています。水の色は鮮やかなエメラルド色。そこに数尾魚が泳いでいます。観光客は、みな展望台から前のめりになってのぞきこみ、その水の色や砂地を噴き上げる「わき間」に感嘆しています。そこからさらに遊歩道を歩いて、湧水広場を経由し、柿田川の川べりへ。木造の遊歩道より、柿田川中流の清冽な流れを見晴るかすことが出来ました。「八つ橋」より「泉の館」の駐車場に戻り、そこからタクシーで沼津港に向かったのですが、タクシーの運転手さんの話によると、柿田川も、三島市街を流れる源兵衛川も、子どもの時には中に入って川遊びをしたり魚を釣ったり出来たという。かつての方がずっとよかったとのこと。川は自然のままが一番よい。観光地化されて、自然の川のよさを失ってしまった、と言われました。たしかに柿田川は公園化され、遊歩道も整備されているものの、湧水広場を除いては川の流れと触れ合う場所はない。私個人としては源兵衛川の方が、川のそばや川の中の遊歩道を歩けて面白かったのですが、その源兵衛川も、そのタクシーの運転手さんに言わせれば、遊歩道が整備されて悪くなった(自然のままの川ではなくなった)ということになります。清流の「保全・保護」、なかなか難しい問題だと思いました。 . . . 本文を読む