ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

盆 について

2014-08-15 00:50:48 | 歴史

盆 について

今日は14日、この月はの十五夜ではありません。今日はあいにく曇り・・月は出ていない

○極楽も 地獄も盆は 月夜かな  ・・森川許六

日本人的な曖昧な感覚では、”盆”は”正月”と双璧な季節行事のイベントである。
がしかし、”正月"と違い、"盆”は国民の休日ではない。
この曖昧な感覚を、もっと合理的に説明できないかと思い調べて見た。

まず、お盆とは ・・・
お盆は、和暦(=天保暦など旧暦)の7月15日を中心に日本で行なわれる、祖先の霊を祀る一連の行事。
 旧暦なので、本来は8月13日~16日の4日間とされる。
 最近都市部では、西暦の7月13日~16日の4日間とする所も出てきたらしい

お盆の由来は、[盂蘭盆会・うらぼんえ]といって仏教の供養の儀式がもとになったと言われる。
 一般的には、13日の夕方に、”迎え火”を焚き、先祖が迷わぬように案内して、迎入れます。
 期間中には、菩提寺の僧侶を招き、経を読み、先祖に飲食を奉じ、一族も飲食して供養します。
 16日の夕方、”送り火”を焚き、先祖の霊をお墓にお帰り頂きます。
 この間は、お墓には先祖の霊は留守であります。

この儀式の由来は盂蘭盆会がもとになったとされ、「盂蘭盆会」とはインドのサンスクリット語のウラバンナ(逆さ吊り)を漢字で音写したもので、 転じて「逆さまに釣り下げられるような苦しみにあっている人を救う法要」という意味だそうです。
いまの「お盆」と少しかけ離れていて、なんか故事つけのような気がします。

・・・・・・ とここまでが、今までの私の”盆”の知識と考え方。

「盆は仏教の儀式が一般に広まった」というが果たして本当でしょうか。
”盆”には、どうも、祖先崇拝(礼拝)と供養の二つの意味合いがあるように思われます。
供養のは、仏教の得意とするところ。なるほど、近親者の供養を、よく盆に行います。近親者は、顔を見たことがあり、声を聞いたことがあり、時にはぶたれながら叱られたり、手を繋いで幼稚園や学校や動物園に行った皮膚の感覚や、あるいは取っ組み合いの喧嘩をした創の痛みの感覚など懐かしさを伴った供養の意味です。顔を知らない、声も知らない、皮膚の温もりも知らない人の供養は、嘘っぽくて体裁のみです。
供養は、どうも祖先全般を意味しないようです。
祖先崇拝は、現代では薄れてきましたが、一族の発祥や家の存立に関わる繁栄の問題と関係が深そうです。これは、神社や神道の問題のようです。
”お盆”は、どうも仏教だけでは説明しきれないようです。

では、”お盆”は昔からあったのでしょうか。
似た様なものは、かなり昔から有ったようですが、急激に普及したのは江戸時代からのようです。徳川幕府の政策に関係しているようです。天海和尚が発案者かな?
棚経=お盆に僧侶が檀家を回って精霊に経を誦し、回向すること。 棚経についての語義的いわれは、徳川幕府の宗教政策の一つである寺請制度のなかから起こったとされる。
それまでは、仏教中心に行われていた儀式が、江戸時代に庶民まで広がったというのが事実のようです。一説には、ローソクの大量生産が可能になり、仏壇や行燈とともに、ステイタスシンボルとして全国に広まっていった、というのが正直な所のようです。

盆踊りの意味
これは、地獄に落ちた亡者が、地獄の苦受から解放されて、喜んで踊る様に、生きている老若男女が加わって踊ることだとされています。従って本来は、旧暦の7月16日で、十五夜の翌日になります。満月の月明かりで、寺院の境内で夜通し踊ることが出来て、供養になったとされています。 ・・・何故か、最近は日程がづれてきて、かつ寺院の境内でないところの方が多いようにも思います。最早宗教性などなくなったのかも知れません。

灯籠流し
盆は、霊が、あの世とこの世を行き来する日です。誰が考えたのか、行き来に”乗り物”を考えました。精霊馬 ・・・しょうりょううま、というものです。野菜の茄子やキュウリに割り箸やマッチで足を付けて、飾りました。キュウリは馬に見立てて、あの世から、早くこの世へ来るように、帰りは茄子を牛に見立てて、のろまでゆっくりあの世へ帰るように、他の供物は帰る時のの土産だそうです。灯籠流しは、この乗り物の変化形でしょうか。

これらの盆行事は、懐かしいもの心を揺さぶるものも残っています。


北海道 『北海盆唄』
秋田県 三大盆踊り
 毛馬内の盆踊(鹿角市、8月21日 - 23日)国重要無形民俗文化財
 一日市の盆踊(八郎潟町、8月18日 - 20日)県無形民俗文化財
 西馬音内の盆踊(羽後町、8月16日 - 18日)国重要無形民俗文化財
栃木県 百八灯流し(栃木市)
富山県 おわら風の盆(富山市八尾地域、9月1日 - 3日)
石川県 御招霊(能美市、加賀市山中温泉栢野)
福井県 御招霊(勝山市猪野口)
愛知県 乗本万灯 -(新城市乗本) 8月15日 県無形民俗文化財
 振り万灯 -(豊田市石野地区) 8月15日
静岡県 遠州大念仏(浜松市)
京都府 五山の送り火(京都市)
奈良県 奈良高円山大文字送り火(奈良市)
広島県 盆灯篭(安芸地方)
鳥取県 傘踊り(鳥取県東部)
徳島県 阿波踊り(徳島市)
長崎県
 チャンココ踊り(五島市)
 精霊流し(県内各地)
沖縄県 エイサー(県内各地) アンガマ(石垣島)

この中には、是非行ってみたいのが幾つかあります。
さらに、秋田竿灯祭りや青森ねぶた祭りも”盆”に関係しているのではないかと思っていますが、これは確認が取れていません。

盆と正月 ・・・藪入り(やぶいり) 蛇足
「盆と正月」という言葉が聞かれるほど、日本人にとってお盆は大切な行事と考えられています。 最近は藪入り(やぶいり)という言葉も死語となってしまいました。

 

あ! 忘れていた ・・・
”お盆が、国民の休日でないわけ ?”
理由1:発祥が一宗教(仏教)行事であるため ・・・宗教の自由に反する
理由2:本来旧暦7月13~16日だが、全国的に実施日はバラバラのため ・・・絞れない
だそうです。
国民的知恵で、学校など、夏休み期間で、新暦の盆期間:8月13~16日も含まれるから、民間会社の応用的代休制度を利用して、実際には不都合が生じないように工夫もあるようです。