ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

ウクライナから、クリミヤが離れてロシアに・・・

2014-03-21 16:44:47 | 時事と歴史

ときどりの・・囀り
ウクライナから、クリミヤが離れてロシアに・・・
                                       茶屋主人 喫茶店にて

喧噪のなかに・・ようやく、”落としどころ”が見え始めました・・
これ以上の軍事衝突には広がらないように、動き始めたかのようです。

少し前まで、まるで効果の期待できない、茶番みたいな”制裁合戦”が繰り広げられていたのですが・

情報・・
○米国、ウクライナで軍事行動に関与せず=オバマ大統領
○プーチン大統領:クリミアはロシア-ウクライナ分割望まない
○経済協力は大統領選後署名 ウクライナ、EU連合協定
                   ・・ウクライナのヤツェニュク首相

 

 ヤルタ・転用  ヤルタ会談・転用 

確か、「ヤルタ」ってウクライナではなかったか・・調べて見ると・
ヤルタ会談は、1945年2月4日~11日にクリミア半島のヤルタ近郊で行われた .... 会談の結果、第二次世界大戦後の処理についてヤルタ協定を結び、イギリス・アメリカ・フランス・ソ連の4カ国によるドイツの分割統治やソ連対日参戦、国際連合の設立について協議されたほか、ドイツおよび中部・東部ヨーロッパにおける米ソの利害を調整することで大戦後の国際秩序を規定し、東西冷戦の端緒ともなった。
第二次世界大戦後の世界秩序の前提の話し合いだった。

 

 チェルノブイリ・転用

確か、「チェルノブイリ」はウクライナではなかったか・・調べて見ると・
・・・やはりそう。
福島の前に、原発事故を起こしたチェルノブイリは、ウクライナにある。

ウクライナの独立
ソ連崩壊とは、1991年12月25日にソビエト連邦(ソ連)大統領ミハイル・ゴルバチョフが辞任し、これを受けて各連邦構成共和国が主権国家として独立したことに伴い、ソビエト連邦が解体された出来事である。ウクライナもその時に独立した国家である。
ロシアとウクライナの今日的秩序は、このソ連崩壊で生まれた秩序である。

 キエフ・ウクライナの首都・転用

このウクライナは、そもそも歴史的に矛盾を内蔵しており、矛盾を内蔵したままで出発してしまったのである。
ウクライナ東南部にあるクリミア自治共和国で16日、ロシア連邦に編入するかどうかを決める住民投票が行われ、暫定結果で編入賛成が95%超と圧倒的多数で承認されるに至った。そもそも、クリミアはタタール人10%、白ロシア系90%の構成と言われる。逆に、西部は、親欧州系であり、東欧と隣接していることから、欧州経済圏に入ることを希望しています。このため、親ロシア系と親欧州系は、時折衝突します。

ロシアの軍事的拠点・・・クリミアはウクライナ東端で、北部をウクライナ、東部をロシアと接する半島です。ウクライナと違って1877年から翌年までの露土戦争でオスマン・トルコから奪取して以来、ロシアの軍事的要となってきました。特に半島南部のセバストポリはロシア-ソ連-ロシアと続く黒海艦隊の母港でロシア最大級の軍事的拠点です。

従って、このクリミア地方を失うことは、ロシアにとって軍事的生命線が脅かされることになります。まして、この地方の住民は、親ロシアの白ロシア系住民です。
それほど大切な半島がなぜロシアでなくウクライナ帰属になっていたかというと・・・・・

1954年に、ソ連のフルシチョフ党第1書記(当時)がウクライナ領に変更したから・・・。出自から「ウクライナ出身」といってもいい彼は、当時独裁者スターリン死後のソ連共産党権力闘争のまっただなかで、故郷に恩を売っておこうという腹づもりがあったのでしょう。当時のウクライナはソ連の一部にすぎなかったので、安全保障面に気を使う必要もありませんでした。ただ親ロシア感情の強いクリミアの人々は憤激し、かといってソ連の強権体制下では直接モノも言えないので、アネクドート(小話)の形で地下に広がりました。・・・・・「フルシチョフはバカだ。フルシチョフはバカだ」。・・・男はすぐに捕らえられ、懲役20年の刑に処せられた。その1年分は最高指導者を侮辱した罪、19年分は国家の機密を漏らした罪……

バカだと叫んだ男の予想通り、91年のソ連崩壊とウクライナ独立で大問題へと発展します。ウクライナがそう出るならば、クリミアも独立だという宣言は、以前にもありました。そこでウクライナとロシアが折り合って・・・
・ロシアはクリミアをウクライナ領と認める
・クリミアは国家とほぼ同等の権限(議会や政府の設置など)を持つ自治共和国とウクライナ憲法が保障する
・セバストポリはロシアが借り受ける・・・と妥協します。

 

 EU加盟賛成の20万人の反政府デモ・転用

こんな背景があって、今回の紛争です。親ロシア派のウクライナ大統領を、西欧への帰属を希望するウクライナの住民が追い出します。どうも、選挙で決めたわけでもなさそうです。
西欧への帰属を希望するウクライナの住民を、欧米が応援するのは筋だとしても、もともとの矛盾は、ウクライナ任せでも解決しません。アメリカは、ソ連崩壊時の時の秩序に戻すことが問題解決だと、本気で思っているのでしょうか。オバマの本気度が推測出来ませんが、軍事介入までは考えていないように思えます。
歴史を眺めると、クリミアが住民投票で圧倒的であるように、ウクライナから離れて、ロシア帰属の方が論理の矛盾がないような気もしますが。
ヤルタでの戦後秩序とソ連崩壊後のロシア&周辺秩序は、今回の紛争で、クルミアのロシア帰属で落ち着くのでしょうか。歴史を観てみると、その方が一番落ち着く方法のように思えてなりません。

とにかく、軍事衝突は止めて、経済制裁も止めて、ロシアも天然ガスの供給をちらつかせないで、早めに終熄するように希望します。