ときどりの鳴く 喫茶店

時や地を巡っての感想を、ひねもす庄次郎は考えつぶやく。歴史や車が好きで、古跡を尋ね、うつつを抜かす。茶店の店主は庄次郎。

「松本」学、あるいは「松本」考:7  トピックス2

2023-09-04 14:08:21 | 日記

「松本」学、あるいは「松本」考:7

7:トピックス2

古(いにしえ)は神社由来より・・・

浅間温泉の温泉街の上の方に神社がある。国道254号線の三才山トンネルの手前にも神社がある。また、美鈴湖を少し上った、美ヶ原の高原の中にも神社はある。御射神社という、・・らしい。

名前が「みさじんじゃ」といい、祭祀の様式が、キリスト教の「ミサ」に似ていることから、一説に「大陸高原の遊牧民」からの伝承の神社という説も、秘かに受け継がれているが・・・確証に乏しい。

正式名称を見てみよう。浅間温泉の上にある神社は、「御射神社春宮」、三才山トンネル近くの神社は、「御謝神社秋宮」、美鈴湖上の美ヶ原にあるのは「御謝神社奥宮」と呼ぶらしい。松本・岡田の地方誌の伝承によれば、鎌倉初期に、浅間郷の地頭であった「赤沢氏(=小笠原氏の傍流)」が稲倉城にいたころ諏訪から勧請したという記録が残るという。

だが、源氏の流派を標榜する赤沢氏が、独特な祭祀の様式をもつ御謝神社とは、どうも馴染まない。源氏であれば、「八幡神社」がほぼ氏神のようで、戦の神:諏訪神社でもいささか都合が悪い。

それでは、御謝神社の御神体を見てみよう・・・・・

御祭神・・諏訪明神(建御名方神・大己貴神・高志沼河姫神) 国常立命

建御名方神 ---・たけみなかたのかみ / 大己貴神 ---・おおなむちのみこと

そして、御謝神社は、諏訪神社のお狩場でもあるそうで・・・

御謝神社のある山は、所を変えることにより、御社山・御斎山・三才山とも呼ばれるが、「言い」のもとは、どこも「ミサ」であることは間違いなく、このことが美ヶ原や霧ヶ峰を「神の高原」とかんじさせる「ロマン」の源と思わせる。そういえば、連続性だけは認識しているのだが、美ヶ原や霧ヶ峰の境界は、いままで全く意識していたことはなく、ヴィーナスラインのカーブラインだけを覚えている。七島八島湿地は、諏訪大社の「お狩場」の聖地・・・

御謝神社の御謝は、どうやら「ミシャグジ」信仰が由来のような気がする。

ミシャグジ信仰の淵源は、

・・・・・柳田國男はこう書いている。・・・「荒神・山神・地ノ神・道祖神は、西部の諸県にもあるが、伊勢から紀州の一部を止まりにして東にしかないのは社宮司しゃぐじという神である。これについて二十年余りも前に、私は小さな本を一冊書いている。それから後に判ったことは、信州の諏訪が根源で、今は衰えてしまった土地の神の信仰ではないかということである」。つまり、もともとその土地に固有した在来神ということ」・・・

これが後からやってきた諏訪神と抗争したが敗れ、やがて同化して祭神事を共有化していった」とみるのが一番合理性があるように思う。

さて、諏訪社の祭事の中で、最も神秘的な・・というか、不思議的な「御頭祭」は、生贄の祭祀である。

「御頭祭」は、別名「酉の祭」とも言われ、正式名称「大御立座(おおみたてまし)神事」です。この行事の最大の見所は、鹿の首75頭をはじめ猪の首や魚、雉などを生贄として供えるという ------

「鹿の頭」の剥製:写真

 -----・ なんともはや・・上記は旧約聖書の言葉とほぼ同じ、、「羊」を「鹿」に置き換えれば、、「ほぼ」も無くなるし・・

上記の真偽は、よくわからないが、、--こんな神秘的な祭祀が行われていたのは確かなようで、、最近では、鹿の頭は、さすがに残酷なさまなので、生身を「剥製」に取り換えているそうだ。

美ヶ原は、文字通り「美しい高原」であるが、神々の舞台でもあったようで・・・