「県政オンブズマン静岡(静岡県庁の光と闇)~よりよき未来のために~」管理人のブログ

注)teacupブログから移転の2022年5月以前の投稿には、文字コードの違いから多くの文字化けがあります。

(無題)

2007-10-23 23:22:45 | 日記
厚生労働省の肝炎患者リスト隠蔽、防衛省の給油量の隠蔽、赤福の消費期限偽装、遠藤建築士による耐震偽装、官民で次々と明らかになる隠蔽や偽装という嘘。加えて官房長時代に法令遵守を説いていた守屋武昌前防衛事務次官の業者との癒着問題。
政治家も行政も企業もモラルを説く資格を失い、もはやモラル低下というレベルではなくモラル崩壊の状況だ。
とりわけ、肝炎患者リスト隠蔽は薬害エイズ事件と同じく殺人に等しい非道である。
早期に治療していれば救われた命もあったろう。
リストの中には国側(厚生労働省)が訴訟で「カルテが無く証明が不十分」と主張し薬害を否定してきた人も入っていたという。嘘で人を追い詰めてきたということだ。
なぜ繰り返されるのか。
一言でいうならば、役所というところは責任の所在が明確でないからだ。
特に、見て見ぬ振りをしただけではほとんど責任を問われないという役人の確信は事件が繰り返されれば繰り返されるほど強固になっていく。トカゲの尻尾きりのように一部の脇の甘い人間だけが切り捨てられるだけという現実の中、誰も自分がその中に入る、あるいは入るようなへまをするとは思っていないのだ。
よって、世論がいくら厚生労働省けしからんという論調をとって連帯責任を求めても、多くの厚生労働省職員にとってはしょせんは他人事に過ぎないというギャップが埋められることなく事件が風化していく限り、今後も繰り返されるだろう。

福田総理は官僚の相次ぐ不祥事を受けて「過去のことだが、一瞬の気の緩みで(問題が)生じることもあるので、緊張感を持って仕事に取り組んでもらいたい」(毎日新聞)と述べたそうであるが、問題の清算もしていないのに「過去の問題」などというようでは国の指導者として失格である。過去の問題ではなく今眼前にある問題として捉えなければ、この国からモラルのかけらさえも失われてしまうだろう。
道徳なんていうのは建前だとか、勝ったものが正しいなどという意見に対し、こういう現実の中では私も無力だ。