わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

彼らはなぜ、F**k tha policeと叫んだか

2016-07-07 | 英語
 昨日は、車で二時間半先の公園への往復で、今日も隣町のデイトンからリッチモンドへの道程で、NPAを聴いていました。TVは見ないので、殆どの情報はインターネットから得ていますが、運転中はもっぱらNPR。昨日のニュースやトークショーは、アメリカ国内に箇所で起きた、白人警官による黒人射殺、そして今日は昨夜の、テキサス州ダラスで起きた抗議デモ中の白人警官を狙った銃撃に集中していました。

 だから、観よう、観ようと思いつつ、3時間弱と長いので見逃していた「STRAIGHT OUTTA COMPTON(わしら、コンプトンから来たもんや!って感じ?)」を、こんな日だから見ようと思いつきました。ギャングスタ・ラップに興味のない私ですが、とても評判が良かったのと、私の愛犬、モカがコンプトンを含むLAのサウス・セントラル地区出身なので、見たいとは思っていたのです。我が愛娘は、A Girl-n-the-Hoodだったの。

 日本版の公式サイト中の予告フィルム曰く、アメリカで最も治安の悪い危険地域、コンプトン出身のヒップホップ・グループ、N.W.A.(ニガ・ウィズ・アティテュード:態度でかいクロ)が、の始まりから、悪な環境の実情を歌うことで人気を得て社会現象となるほどの人気を極めながらも、お金を巡って仲間割れして分裂、そして仲直りしようかなって矢先の主要メンバーであるEasy・Eの死によって、二度と再結成が果たせなくなるまでの軌跡を丁寧に辿っていきます。全編、音楽が流れ続けるノリの良い映画を期待していた私には、正直なとこ、ドラマ部分が長かった。


 この映画の中では、度々、主人公である黒人青年たちへの警察による差別が描かれます。5人が建物の前でたむろってるだけで警官が集まり、彼らを尋問して「トーランスから出て行け」と言うシーンがありますが、短期間だけだったけど、トーランスの住民だったから、この言葉が凄く痛い。私自身、トーランスのお隣、ガーデナに住んでいる時、普通に平日の昼間、犬の散歩をしていたら、自転車に乗って通りがかった黒人の若者が訳もなく警官に止められ、身体検査をされる場面に出くわしたことがあります。

 昨今、警官による無意味な黒人射殺が、スマートフォン等で撮影されたことで注目を集めていますが、この映画の中でも1992年の、複数形家による黒人トラック運転手のロドニー・キングへの暴行に端を発したロサンゼルス暴動に触れられていますが、この問題は今に始まったわけではない。誰もが簡単に撮影して世界中に発信できるようになったから目に触れやすくなっているだけで、たまたま撮影された事件の影に一体どれだけの犠牲者がいるのか?だいたい、アフリカから人間を掻っ攫ってきて、奴隷にしてた時代から、ずーっと差別してきてて、未だ、進化してないやん。

 アメリカでは毎日、3人が警官によって射殺されているそうです。全く、異常だとしか言いようがありません。日本で警官が容疑者を売ったら、どれだけの騒ぎになるでしょうか?今、アメリカでは、Black Lives Matter」が叫ばれていますが、黒人も、警官も、そしてイスラム教徒の人権の尊重両立し得ます。簡単なことではありませんか。でも、アメリカ人は、根本的な病巣から目を背け続けている。その病巣とは銃規制です。一般人が車のコンパートメントやポケットにインスタント殺戮兵器を持ってるから、警官も条件反射的に相手を殺してしまう。一般人が容易に家にライフルやら何やらを置いてるから、イカれた野郎が、ふとテロを起こしてしまう。今一度、言いますよ。
ばか!ばか、ばか、ばーか!!

 

最新の画像もっと見る

コメントを投稿