わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ディズニーのくるみ割り人形と秘密の王国

2018-11-11 | 映画・ドラマ・本
 予告の美しいビジュアルに惹かれて、劇場に見に行きました。先週は、近くのお気に入り映画館でのウルトラDLXスクリーン(IMAXクラスのスクリーンで、シートはヒーター付)は、最終の夜10時半からの「ボヘミアン・ラプソディー」以外は、この「くるみ割り人形」に割り当てられてたのに、今週はすでに、コロンバス近辺の映画館は皆、通常サイズに格下げ。公開週である先週末の全米興行成績は2位なのに、随分と急な落ちぶれぶりに驚きました。

 「チャイコフスキー作曲の音楽によるバレエ『くるみ割り人形』の原作としても知られる、E.T.A.ホフマンの童話『くるみ割り人形とねずみの王様』の実写映画化(Wikioedia)」で、日本の公式サイト曰く、「今、イマジネーションに富んだこの物語に、ディズニーが新たな命を吹き込み、圧倒的な映像美で少女クララの冒険を描くファンタジー超大作が誕生した」そうなのですが…



 映像は美しいけど、正直なとこ退屈で、途中で寝そうになった。今年の夏のディズニー大作、『A Wrinkle in Time』と同じで、贅沢にスターを使い、CGも駆使した目を見張るような映像だけど、それだけ。お話が薄っぺらく、主人公に共感できないという全く同じ間違いを繰り返していました。

クララ役のマッケンジー・フォイ、凛とした雰囲気で本当に綺麗なんだけど、その行動や態度に納得できないので、共感しにくい。ドロッセル・マイヤーのモーガン・フリーマンはアップが恐い。キーラ・ナイトレーとヘレン・ミレンは、エンドロール観るまで気が付きませんでした。この3人も、『A Wrinkle in Time』の、オプラ・ウィンフリー、リース・ウィザースプーン、ミンディー・ケイリングと同じ。すべてを見通すかのようなオプラとフリーマン、ウェザーストーンのWhatsit(それは何だ)婦人とナイトレーの金平糖の精は妙にテンション高く、ケイリングとミレンはミステリアスと、役柄のみならず演技まで同じ。


 お話は、敢えて周知の物語を改変し、母を亡くして、父に対して心を閉ざしたクララが、冒険を経て成長し、父への愛情を再確認して感動~、のはずが、盛り上がりに欠けるんですよね。お金がかかってるのに、深みがないから安っぽく感じてしまう。ネズミの王様は沢山のネズミの集合体で、ネズミが苦手な方にはおすすめできない。正直、うげぇ!だった。

 くるみ割り人形のフィリップは、王子様から門番に格下げされたけど、アフリカ系なのが、ディズニーらしい。映画の最中で、おなじみのチャイコフスキーの曲に乗ってバレエの場面が挿入されるのですが、これが、アメリカン・バレエ・シアター初の黒人女性のプリンシパル、ミスティー・コープランドと、セルゲイ・ポルーニン。この踊りを大画面で見られたのが良かった…と、いう事にしておこうと思います。素敵な映画になる要素はたくさんあったのに、残念だなぁ…

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