わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

超高速!参勤交代

2015-11-05 | 映画・ドラマ・本
 ネットで見つけたので観ました。期待したほどには面白くなかった

 画面下についてる英語字幕のトンデモぶりはかなり爆笑でしたが、中身の方は、たまにクスって程度で、笑ったのは、井戸に落ちて遅れをとったご家老が髪振り乱して吊り橋渡って来るとこくらい。要は、そういう映画を期待してたんです、私は。ドタバタ喜劇で、最後には勧善懲悪でスッキリってのを期待していたので、なんか思ってたのと違う、って…下の絵みたいに、お侍が必死こいて走り回るドキドキ、ハラハラしながら、大笑いって軽い映画だと思ってたけど、意外とまじめな内容でした。

 お殿様と飯盛り女のシンデレラストーリーも、いくらなんでも行き過ぎなんじゃ、と、むしろ興ざめ。斬っても切っても錆びない日本刀、敵はバサバサ死ぬのに、あれだけ斬られても生きてた秋山。そこまでファンタジーにするなら、いっそ、徳川吉宗も暴れん坊将軍並みに、悪徳家老を「成敗!」って一断、湯長谷藩を石上げして、「でかした」と、報奨金上げても良いんじゃないの?って思った。だったら続編作れないけど。同じ台詞が二度出てくるのはいいけど、「死して屍、拾うものなし」の方は、ここに出てくる隠密たちが言っても寒い…orz せめて雲隠段蔵さんレベルになってから言いなさい。

 と、いきなり苦言から始まりましたが、予告で期待しすぎて「なぁ~んだ」になっちゃったのであって、何も知らずに観たら、もっと気に入ったかもしれません。窮地になるたび助けを求められ、トンチまがいの珍アイデア(しかし成功する)を捻り出す藩一番の知恵者、家老の相馬はじめ、弓の名手、鈴木(あんた、ほんまはエルフやろ?)、堅物だけど実はちゃっかり琴姫に気に入られてた秋山(なぜ生きてる?)、お猿の菊千代と名コンビの増田等、家来たちがいい味出してるし、とびっきりのお人好し殿様は、誰も好きにならずにはいられないキャラクター。このお殿様は、史実では31歳という若さで亡くなられているのですね。寂しい…

 下にぃ~、下に~、の参勤交代、うっかり前を通った子供を切り殺したとか、延々、頭を下げていなければならず、庶民には苦行だったとか、通り道の町は搾取されたとか、私の小・中学生時代の歴史の教科書には、支配階級の権力に対する被害者の平民といった風に紹介されていました。作中で旅篭町の町人が、立派な参勤交代を見るのが楽しみと言っているシーンは、確かに大名行列は、いわばパレード。頭下げながら伺い観て、楽しんだのかも、と、気付かせてくれました。そして、街道沿いの町にとっては実は良い実入りの機会だったでしょう。そんな搾取されて苦労するなら、わざわざ店を出さないよね。しかも、産婆と飛脚は行列を抜かして行ってもいいとか、決して横暴な庶民虐めではなかった事が伺われます。「STOP」サインを出して止まっている時は、向かい側斜線も追越絶対禁止!なアメリカのスクールバスより優しい。

 それにしても、5日間走り続けるって、昔の人は体力あったんだなぁ。山道では流石にバテて段蔵にお尻を叩かれてたけど、結局、走りぬいちゃうのは凄い。続編では、更に走るらしいけど、お咲ちゃんも走るのかしら?

 でも、この映画のすべては、吉宗公の「磐木の土を守ってくれ」という言葉に集約されるのではないかと思います。いつの日か磐木を訪れ、スパリゾートハワイアンズでフラダンス見て、大根のお漬物をいただきたいです。

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