わにの日々-中西部編

在米30年大阪産の普通のおばさんが、アメリカ中西部の街に暮らす日記

ホビット 竜に奪われた王国(ネタバレ感想)

2013-12-13 | 映画・ドラマ・本
 「ホビットの冒険」を基とした三部作の第二作目、「ホビット 竜に奪われた王国(The Desolation of Smaug)」観てきましたー!IMAX3DHFR(High Frame Rate:1秒間に48コマ撮影)で、いい席を取るために開場1時間前から並んだオタク親子でございます。この映画、楽しみにしてたんですよ、ここ一年ほど。正確には、去年、「思いがけない冒険」を見て以来、ずっと。で、二作目を観終わって思うのは
 そこで終わるか!?!
です。いきなり画面が真っ黒になって、エンドロールが始まった時は、思わず「マジで?!?」と叫びそうになった。場内も「ぎゃー、ザンコク!」とか、「マジで?」とかって、ざわめいてました。

 ハラハラ、ドキドキの場面あり、大笑いしちゃう場面あり、思いがけないロマンスもあって、あっと言う間の2時間40分でした。畳み掛けるような冒険に次ぐ冒険!闇の森や湖の町エスガロスの架空の町も、ニュージーランドの大自然も、どちらも行ってみたい!竜に怯えるのも、イヤンなお代官の酷政も嫌だけど、湖の町に住んでみたい。ビルボのお家も可愛かったけど、湖の町のバルド一家の家も、質素なんだけどいい感じ。子供の頃のギムリとお母さんの絵が出てきたのは笑った。
 「えっ?そこをバラしちゃうの?」と思った日本版予告の観られる公式サイトはこちらです。以下、激しくネタバレ込みの感想ですので、読むには反転して下さい:
 竜のスマウグに奪われたドワーフの王国、エレボールを取り戻すため、はなれ山を目指す一行は、オークと大熊に追われ、ガンドルフの知り合い、最後の熊人、ビヨルンの家に逃れます。熊の時は凶暴だけど人間になると物の分かったビヨルンは、ドワーフは嫌いだけど、オークはもっと嫌いなので、ドワーフ達に一夜の宿と、闇の森までの馬を貸してくれます。闇の森の入り口でガンドルフは、石像に呪いの文字が書かれているのを見つけます。そこにガラドリエルから「ナズグルの墓を探れ」ってテレパシーでメッセージが来たものだから、一行に、勝手にはなれ山に入らず自分を待つようにと言い残して、唐突に彼らを置いて去ってしまいます。これって、けっこう酷くね?
 残された13人のドワーフ+ビルボは、案の定、森の中で迷って、あわや大蜘蛛の餌食となりかけますが、ビルボの活躍と、レゴラスと映画オリジナルの女性エルフ、タウリエル含む、突如現れた森のエルフたちのおかげで命拾い。しかしエルフに捕まえられる。大蜘蛛が何度もアップで迫ってくるので、苦手な人にはキツイかも。私は蜘蛛は大丈夫だけど、蜘蛛の糸でブランブランとか、木から落っこちるシーンでカメラが揺れて酔いそうでした。
 その頃、ガンドルフとラダガスト(頭に鳥を飼ってる茶色の魔法使い)はナズグルの墓の遺跡へ向かいます。何処で合流したのかは謎(聞き逃したのかも)。でも、ラダガストに連いてきちゃダメ、と念を押してガンドルフだけがオークたちの潜む遺跡の中へ向かい、ネクロマンサーと魔法対決。炎の中の人影を見たガンドルフは、「サウロン?」と。もう既にダークサイドに堕ちていたのか。ガンドルフ対闇の対決はガンドルフの負けで、ガンドルフは囚われの身に。「指輪」でも似たようなことやってたな。
 その頃、ドワーフたちは闇の森に連行され、トーリン以外は牢に入れられます。トーリンはレゴラス父の闇の森のエルフの王、スランドゥイルに取引を持ちかけられますが、あのトーリンがエルフと交渉するわけもなく決裂。スランドゥイル、オカマっぽすぎ。眉毛すごすぎ。でもって、イヤな奴。あの眉毛はダークサイドのせいなのか?ところで、レゴラスのお母さんって誰なのでしょうか?で、闇の森のエルフの居城って地下なんだけど、エルフが掘ったの?エルフが土木工事をしているとこって想像できない。
   

 森でも互いが気になってたレゴラスのキャプテンで下級エルフのタウリエルと牢の中のキーリは、ほのかにロマンスの予感。「あのドワーフが気になるようだな」とレゴラスに言われて、「ドワーフにしては背が高い方じゃない?」と応えるタウリエルだけど、それでも見事に蚤の夫婦になっちゃうね。タウリエルと、ドワーフのキーリのまさかのロマンスは、原作ファンの反応が興味深いけど、私は好き。指輪の付け足しロマンス、アラゴルンとアルウェンでは、アルウェンの活躍の場が少なく、受け身の女性だったのに比べ、戦う女性エルフ、タウリエル自身がレゴラス並みの戦闘能力の持ち主でかっこいいし、キーリは癒し系だし、ほのぼのしていて応援したくなる二人です。その頃、指輪で姿を隠したビルボは牢の鍵を盗むのに成功して、皆で酒樽に隠れて脱出!しかし、沢山の鍵の束から、瞬時にどの牢の鍵はどれって見分けられるのは凄いと思った。さすがは「Thief(こそ泥)」だけに、ビルボの隠れた才能?(日本語では「忍びの者」ですが)
 樽で川流れのドワーフを追うオーク、オークを追うエルフ。ドワーフの川流れのシーンは、「パイレーツ・オブ・カリビアン」を思い出しちゃうようなドタバタで、声だして笑っちゃった。そして、オークと戦うレゴラスも、かっこよすぎて既にギャグ。ここで水門を開くためにキーリが負傷し、お約束通りの展開になってまいりました。無事にオークもエルフも巻いて湖に出た一行は、人間で湖の町の住民のバルドを買収して街に入ります。
 そして、捕えたオークから、キーリが毒矢で射られたことを知ったタウリエルは一行の後を追い、また、その後を追うレゴラス。指輪の時より、60年前のはずなのに、なぜか指輪んときよりも老けてますよ?湖の町で色々あって、ドワーフ一行の一部とビルボははなれ山に着き、またもやビルボの活躍で隠れ扉の鍵穴を見つけます。ここで、ビルボが旅に参加した理由である、アーケン石を盗み出すために、竜の溜め込んだ金銀財宝の山へ。そして遂に、竜のスマウグ登場!!ドワーフvs.竜、遂に対決!しかし、顔がベネディクト・カンバーバッチな竜・スマウグは、オツムの出来はいまいちで、ちょっと当て外れだった。その頃、湖の町ではタウリエルがキーリの命を救って、二人の手が触れそうな、触れなさそうな…って、やってたら、怒った竜が街を襲いに飛び立ちましたよ。ビルボが湖の町に向かう竜を見ながら「俺達は一体、何をやっちまったんだ!」と呟いて、いきなり暗転。えーっ!?!
 原作があるので、お話の筋は判っていても、オリジナルにはない女性エルフとドワーフのロマンス(?)、弓の名手の人間バルドの子供達(勇敢な息子バインと娘二人)の活躍、ビルボを「Thief」と呼び続けるトーリンに、「彼の名はビルボだ」とバーリンが諫める場面があり、ビルボとトーリンの関係に変化が芽生えそうな予感、そして今回は狭い場所でバタバタしてたスマウグが、次作では存分に暴れる予感と、期待が膨らみます。「指輪」で自信を得たジャクソン監督と奥さんのフラン・ウォルシュさんは、「ホビット」ではずっと伸び伸びと作っている気がします。

 HD3DHFRは、滑らかな動き、クリアな画像、奥行き感が存分に楽しめました。去年の「思いがけない冒険」では、ホビット庄の画面などはレンチキューラー印刷みたいでしたが、今回は更に進化した感じで、遠景でも自然な奥行き感。臨場感ありすぎて遺跡や崖のシーンでは、高所が苦手な人なら目眩してしまいそうです。予告でスパイダーマンの3Dバージョンを見ましたが、ヌメヌメした感じで、ホビットの奥行き感や滑らかさには及ばないような。これがHFRの効果なのかしら?

 長くはない原作を三部作にしているだけに、色々と細かい肉付けが加えられていますが、今作ではタウリエルという映画オリジナルの登場人物が加わって、娯楽的魅力が増したと思います。指輪の方はずっとシリアスな雰囲気でしたが、陽気なビルボや、ユーモラスなドワーフたちのお陰で、ずっと明るい雰囲気なのも好きだな。オークは相変わらず醜いけど、「思いがけない冒険」のトロールやオークの王アゾクみたいな、画面から臭ってきそうなキャラクターはいなかったし(しかも腐った生魚が臭ってきそうなシーンはある)、私はタウリエルが大好きになっちゃったので、指輪+思いがけない冒険以上に、今作が一番好き!でも、蜘蛛嫌いの人には大蜘蛛登場シーンがゲロゲロかも。「王の帰還」でフロドをぐるぐる巻にしたシェロンが、ワラワラ出てきて、しかも3Dで飛び出すんだもん。

 締めくくりの「ゆきて帰りし物語」はまた来年末までお預け。待ち遠しい~!!

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