へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

父、病院で新年を迎える

2023年04月27日 | 父のこと
父は初めて家ではないところで新年を迎えました。

毎年、お正月は駅伝を楽しみにしていたので、

ベッド横のテレビで観るかなとテレビカードとイヤホンを用意しましたが、

一切観ていないようでした。

父は、好物のあんぱんが食べたいと、よく言うようになりました。

ソフト食なので、ご飯をわしわし食べていた父には物足らず、

甘いおやつも食べたいでしょう。

しかし父は食事制限があったため、主治医の許可が必要です。

聞いてみると、パンは窒息の恐れがあるので、

本来ならば書類に、それも承知していますというサインが必要とのこと。

どうしてもと言うのなら、家族がいる時のみ、少しずつちぎって食べる。

1人で食べるのは病院の管理問題にもなるため、残りは必ず持ち帰る、

という約束で、許可が出ました。

それから、見舞いの時にはあんぱんを持参して、ベッドに備え付けのテーブルの上に

ティッシュを敷き、少しずつちぎって乗せ、それを父が食べるという時間ができました。

私もむせられたり詰まったりしたら怖いので、

親指の先くらいの大きさにちぎり、それを完全に飲み込むまで、

見届けました。

ある日、駅から病院までの間のコンビニにあんぱんがなく、

クリームパンとどら焼きを買って行きましたが、

面白くない顔をして、クリームパンをちょっと食べてやめました。

それ以後、前もって買って、家で小さく切ってタッパに入れて持参しました。

残した分を置いて行けと言っても、病院の決まりだからと

持ち帰られるのも面白くなかったでしょうし、

だんだん、少しずつちぎった物を食べている自分も面白くなくなったのでしょう。

父はあんぱんを食べなくなりました。

父は、人が触ったり箸をつけた物を嫌がり、おかずも大皿ではなく自分の小鉢。

家族で鍋をつつくということもしませんでした。

なので、私がちぎったパンを食べている様子が不思議でもあり、

私自身、黙々と過ぎるその時間に、私何やってんだろう…と思ったことも。

正月休みも終わり、病院、在宅酸素の業者、今後の介護の事、

そしてより家から近い病院への転院など、話し合い、手続きが始まりました。









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