名前が書けなかった

書類に母の署名が必要な場合、

ずっと本人に書かせていました。

ちょっとした、デイのイベントの参加不参加を知らせる用紙などを代筆したりはしても。


書類の、ここに名前を書いて、と言えば、

老眼鏡をかけて、

「ここに書けばいいの?」「私の名前?」とききながら、書けました。



前に書いたのはいつだったかなあ…。

半年くらい前か…。


先日、書類に名前を書いてもらいました。

すると、ん?!　と思う字が。

名字の漢字ひとつが違っていました。

書いた後も気づいてない様子。


う～ん。

年賀状などは、私が紙に大きく相手の住所など書いて、

母はそれを見本に書きますが、

自分の名前はすらすら書いていました。



予備がもう1枚あったので、再度書いてもらいました。

やはり同じように誤字を書きました。気づいていません。

形に面影はあるのですが、新作漢字のようで正しくは読めません。


そうか。

母、名前を書けなくなったか。

でもまあまだひと文字だし。

今後、ふと書けるかもしれないし。

デイが休みで

台風が接近した日の朝、

デイサービスから電話があり、休みになります、と。


母に伝えると、

「ああそう。それじゃ買い物に行くのね?!」

行かないよ。台風だもの。

「あ～…じゃあ…何しようかなあ…」


しばらくして

「買い物は?」

行かないよ。台風だもの。

「あ～」


買い物…といいますか、車に乗って大き目のスーパーに行くのが大好きな母は、

退屈を持て余しています。

玄関を開けては暴風雨に閉める。家の中をうろうろ。テレビをつけたり消したり。

その繰り返し。

午後になって雨風が弱まると、

外に出てポストを開けてまた家の中へ、の繰り返し。

私もちょっと滅入ってしまったので、出かける事に。

買い物に行くよ、と言うと大喜びで「行くーー!!」


気持ちがはやって、車を出している周りをちょこちょこ動いて危ない危ない。


少し遠回りをして、スーパーで買い物。

まあまあ楽しんだようです。

とにかく出掛けるまでのせわしなさは、よくそんなに動けるな、と思うほど。

デイのありがたさが身にしみました。

箸も使わない?!

母が夕食を食べていて、突然「ぐぶっ」と。

どうしたかと見ると、ご飯茶碗を片手に持ち、口にあてていました。

直後、むせて茶碗をテーブルに置きました。


先日、母がヨーグルトを食べるのにスプーンを使わない事を記しました。

カップを口にあてて傾け、流れて来る分だけを食べる。

それをご飯にもやっていたようです。

ご飯は流れては来ないので、歯で取れる分を箸を使わずに食べていました。

母、箸は使えます。

残したおかずを小さく切ったり、並べ替えたり。

麺類の上の飾りかまぼこをデザートのりんごの上にあしらったり。

けっこう細かく動かせます。

なのに。

その時、箸を持った右手は、左の脇の下にはさんでいました。

このご飯は箸を使わず食べる、という自分ルールでも定めたかのように。


危ないなあ。

ちゃんと食べる事に横着になっているような。

ヒーコー

母と買い物に行き、パン屋さんのイートインコーナーでひと休み。

２人でパンとコーヒーを。

食べ終わって、歩き出して5分。

「ヒーコーでも飲むか」

と母。



即座に突っ込みたかったのですが、どっちにするか混乱しました。

“飲んだばかり”か“ヒーコー”か。



ヒーコー…と笑ってから、

飲んだばかり、と言いました。


「ああそう?」

と母。

スプーンを使わない

小さいカップ入りのヨーグルト。

母が好きで食べるので、冷蔵庫には常にあります。

最近は、スプーンを使わず、カップを傾けて流れて来るヨーグルトを飲む。

自力吸引できる分だけ食べる。

そして残っていても、もう食べられないとカップを自室に積み重ねる。

使い捨てのスプーンを置いたり張り紙してもダメ。

次に食べるであろうヨーグルトのフタを少し開けてスプーンを入れておくと、それをさける。


「のど乾いたからジュース飲む」

と手にしたのがヨーグルト。飲むタイプではない。

それはスプーンで食べるものだよ、と言うと、

「…ああ」

と戻し、しばらくすると部屋にある。半分残って。

もうもったいないので、食事の時に器に移してスプーンを添えるようしました。

箸で食べていました。