へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

父、1度だけホームに入ろうかと言った

2023年05月04日 | 父のこと
あらゆる介護サービスを拒否し、

デイサービスもショートスティも却下した父ですが、

1度だけ、ホームへの入所をほのめかしたことがありました。

まさに今頃、ゴールデンウイークの頃でした。

少し体調が良くなり、テレビで野球のデイゲームを見たり、

リハパンではなく普通のパンツで過ごす父。

一方、母はゆっくりでしたが進む認知症。

自分のことがわからなくなっているのに、介護が必要になった父に

どうしていいかわからない。

ずっと父の文句を言い、二言目には「お父さん施設に入れたい」

などと、状況は悪くなるばかり。

ある日、

父が大声を出したので、母が部屋に入って行きました。

多分、咳払いだと思います。父の咳、咳払いは大音量なのです。

母の「何、大声出してんの?!」父の「何?聞こえない!」という会話から、

強い言い合いが始まり、2人とも興奮状態に。

母の声が上ずってきたので、これはだめだと見に行くと、ちょうど母が出て来ました。

「お父さん、私を殴ろうとしたんだよ」

と顔を引きつらせて言いました。

昔から言い合うことは多かったですが、手をあげるとは聞いたことがなかったので、

私も驚きましたが、とりあえず母をベッドで休ませました。

すると父も部屋から出て来て、

「俺、やっぱりここ(家)にいられない。どこかに入る」と。

突然のことに驚いていると、

「殴られた」と父。

ええーーー。どっちがどう? 母は、父が殴ろうとした、のだから

殴られてはいない?

父は…母に殴られた?

私が混乱していると、父は

「前から蹴られたりされてたんだ」と告白。

「殴った後、箸持ってこうしたんだ」と、腕を振り上げる動作をしました。

ベッド横のテーブルに置いてあった、父が昼食に使った箸でしょう。

父は、漫才で頭を叩く突っ込みをものすごく嫌っていたくらいで、

私も叩かれたりしたことはありません。

母は私が子供の頃、言うことを聞かなかったことに腹を立てて、

ああその時も箸でしたが、箸をテーブルに叩きつけて割ったことが

ありました。

後は、甘えようとして伸ばした手が母の目に当たってしまい、

強く振り払われて叩かれたくらい。

認知症が重度になり、おむつ替えなどの時に蹴られたり

叩かれたりはしましたが。

話は戻り、

私が様子を見に行こうとした直前、父の「やれやれ! もっとやれ?」という

あおる声がしました。

多分母はそれでカッとして手が出たかもしれません。

父は人が怒っているのをあおって笑うところがありました。

父もベッドに戻り、母も落ち着いて、散歩に行きたいと言うので、

メモに、散歩に行って来ます。今後のことはケアマネさんに相談します。

と書いて見せました。

すると父は、相談はしなくていい、とのこと。

一瞬で気が変わったようです。ホームには入らないと。

やっぱりね。

私も落ち着きました。

殴り合いになったかと、父が家にいられないと言い出したと、

状況に混乱して、誰かに相談を、と思いましたが、

連休中でケアマネさんはお休みだろう、近縁の人々も楽しい休日を

過ごしているだろう、とあきらめました。

この先どうなるのだろうと1人もんもんとしながら、母を連れて散歩に出かけました。

母はさっきの事は忘れ、コンビニで何か買おうか、と言うと嬉しそうにしていました。













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