へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

危ない事

2017年01月27日 | 日記
買い物に出かけるのに、母が薄い上着を出して

「これでいいかな」

寒いよ。いつものコートを着て、と言うと

「いつものコートって?」


母の部屋に行くと、いつもの場所に掛けてあるはずのいつものコートがない。

どこに置いたかなあ。

どこに動かしたかなあ。

はっと思いついて、こたつの中を見ました。

ありました。


こたつの中に服を入れたらダメだよ。

ほら、こういう生地は燃えやすいから。

↑ これはもう何度も言ってます。

すると、

「わかんない。わかんないからもう言わないで」




最近の事。

母がガスコンロの火をつけて、何かあぶっていました。

見ると、

スーパーで買ったお惣菜のプラスチックパック。

すぐに火を消して、何をしているのかきくと、

「あっためてこれをはがすの」


容器に貼ってある、値段などを記載したシールです。


はがさなくていいよ。切り取ってもいいし。

火は危ないから。

そういうと、不穏スイッチが入りました。



危ない事をしているので、それは危ないと言って、キレられる。

わかんないから教えて、キレられる。

まだ元気で動けるので、思いついたらやってしまう。

できてしまう。

でもそれが危ないという認識が薄い。

ない。

自分のアイディアを否定されて怒る。

いい事を思いついてやっているのに、自分はできるのに、うるさい、と。



コートの時は、ついイライラして、私も文句を返しました。

危ないから言ってるのになんでそういうふうに言われるのかなあ。

わかんないから教えるの。

すると母、

「行かない」


買い物には行かないと。

それなら1人で行くまでだ。

予定変更して、1番近くのスーパーに行って、すぐ帰って来ようと、

玄関に行くと、バッグの中にカギがない。

あれ…。

部屋に戻って探して、ない。

おかしいな…と玄関に戻ろうとすると、

母がコートを着てバッグを持って、出掛ける用意をしていました。

行かないんじゃなかったの…。

ちょっとの時間で忘れるんですね。

母はとにかく買い物に出かけるのが好きなので。

そっちの気持ちが勝ったのでしょう。

靴を履き始めた母に、ちょっと待ってカギが…と言いつつポケットに手を入れると、

ありました。


そして普通に2人で出掛けました。

私はムカムカしていましたが、しばらくしたら気も晴れました。


それにしても、カギ探しの時間がなかったら、

きっとすぐ1人で出掛けたでしょう。

あの時間は誰かの、何かの計らいか…なんて思いました。


認知症の人への対応として、怒ってはいけない、諭してはいけないと言います。

でも私はへなちょこなのでどうしても言ってしまう。

でも、私と母の場合、それでいいと思います。

ムカムカした私とケロッと忘れた母と、買い物に出かけて、

コーヒーでも飲んでしまえば

「おいしいねぇ」

と笑い合える。


そこにある砂糖やミルクの空き容器、マドラー、ナプキンなどのごみを

ささっと自分のバッグに入れるのはもう、そのままさせておきます。






















 

元気にトイレ

2017年01月26日 | 日記
夜中、大きな物音で目が覚めます。

母がトイレに行くのです。

なにかもう、我慢の限界が来て駆け込むように、

ドアを勢い良く開け、廊下をドスドス踏み鳴らし、トイレに入る。

終わると台所に行き、冷蔵庫など見る。


びっくりして目が覚める事もありますが、

ああ元気だ元気だ、と、ほっとするようなあきれるような。

真冬は特に、夜中トイレに連れて行くようになると大変だろうと思います。

2人で転倒して、凍えるような寒さの中、立ち上がるのにかなりの時間がかかり、

体調を崩したという話を、何かで読みました。


以前、腰が痛くて動けないという母を、おんぶしてトイレに連れて行った事がありますが、

あれも危険ですね。


介護講座のイベントで、福祉用具の説明をきく機会がありました。

部屋に置くポータブルトイレは、家具調の物がいいなあと思ったら、

木に臭いが染みつくそうですね。

尿臭はきついです。


亡き父の排尿は、自力トイレ、尿瓶、リハパン&パッドの3パターンでした。

父亡き後、すぐ介護ベッドを撤収してもらい、祭壇を設置してもらったので、

カーペットを取り換える時間がなかったのですが、

尿瓶置き場の尿臭が何をやっても取れませんでした。

49日が過ぎて祭壇が片付けられ、やっとカーペットを取り換えました。


そういえば母は、父の部屋をそっとのぞいては、

「お父さん、こうやってこうやっておしっこしてるんだよ~」

と、尿瓶使いの身振りをまじえていちいち報告してきました。

今私、ご飯食べてるんだけど…

と言ってもおかまいなしに。






袖が短い?

2017年01月21日 | 日記
通院日。

待合室にいる時、母がしきりにセーターの袖を引っ張っていました。

どうしたの? ときくと

「袖が短くて恥ずかしい」



薄いセーターの上に重ねて着ていた、袖がひじ位までの長さのものです。

下のセーターの袖を見せて着るのです。



それはそういうデザインなんだよ、と言っても、

どうしても気になるらしく。

朝はなんという事なく着たのですが。


ベストに少し袖がついたようなタイプだと、何も言わないのですが、

中途半端な丈のせいか、長袖が縮んだと思ったのでしょうか。

腕を組むようにして、隠していました。


せっかくかわいいデザインなのになあ。




要介護認定

2017年01月20日 | 日記
母の要介護度の認定通知が来ました。

変わらず要介護1。

何の疑問もなく淡々と受け入れました。


認定調査の日、調査が終わって、係りの人とちょっと話した時、

「お母さんの今の状態を見ると、今の娘さんの対応でいいんだと思います」

と言われました。

いやいやいや…


謙遜ではなく、まったく身に覚えがないので苦笑しました。

母の、元気で人当たりがいい状態が続いている限りは好印象で、

家族との関係も良好と思われるのでしょう。


母の部屋でベッドでの寝返り、起き上がりなどの動作をチェックした際、

母にやさしく声を掛けつつ、部屋のチェックというか、素早く視線の止まる所があるな、

と思いました。


話した時、

「お部屋のボードなど、よく工夫されていますね」

と言われました。

日付や母の年、予定などを書いたりピンで留めているコーナーの事です。


ああ…

あれももう惰性になっていて、特に張り合いもないので苦笑しました。


それでも。

誰かに良い印象で気に留めてもらえて、言ってもらえるのは嬉しいですね。

ちょっとだけ、

ああいいんだ、とほっとしましたし、

救われました。