へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

歯医者でOK

2017年04月27日 | 日記
歯の治療で通院がしばらく続く母。

先日、

「痛かったら手をあげて下さいね」

と言われ、治療が始まりました。

すると、手がちょっと浮いている??

痛いのかな??

と思いよく見ると、

指でOKサインを作っていました。

ずっとそのままなので、OKサインが出ている間は大丈夫と、

先生も判断している様子。


ずっとそのままだったのは1度くらいで、

後は

「大丈夫ですか~」

ときかれるとOKサイン。

ちょっと長目の治療では、休み休みですが、なかなか頑張っています。



私は歯の治療中、大丈夫かときかれてもOKサインを出すアイディアはなかったなあ。

口を開けたまま、

あい、と発するくらいで。

母、カッコいい。






デジャヴはあるある

2017年04月25日 | 日記
母の着替え。

段々わからなくなっています。


肌着のシャツと薄手のセーターを私が用意。

重ねて置いたので、シャツを着てセーターを着ればいい。


しばらくして母を見ると、薄手セーターの上に肌着シャツを着ていました。

あれれ違うよ。

シャツが下だよ。

「ん?!」

もう1回脱いで。

こっちのシャツを先に着て、次にこれ。

「ああ」



着替え中ですので他の事をしつつ待ちます。

できた? と見ると、

薄手セーターの上に肌着シャツ。


こっちが先だよ。

もう1回脱いで。

「……」



今度は肌着シャツを渡して先に着させました。

介護にデジャヴはつきものですね。









治療と延命

2017年04月22日 | 日記
人に母の事を尋ねられ、

まあまあ元気ですが、点滴に通ったりします、認知症になりました、などと言うと、

「80なかばだもんね」

仕方ないね、そんなもんだよね、という感じで言われます。

中には、

「もういいじゃない」

と言う人も。



知人と、親の延命の話になり、

母は延命は一切しないという希望があると言ったら、

投薬や点滴も延命になるのではないかと言われました。



そういう考えもあるのだなあ。

私は、薬飲んだり点滴したりすると体調が良くなるのだから、

今の生活を続けるためと思っていました。

といいますか、そんな事考えもせずに、当然の流れで

体調が悪くなれば病院に行って治療、でした。


それももう延命なのだとしたら、母の望まない事をしている?!

いや、まだ治療をして回復できるのだから。


とは言え、年々そうなって来ているように、ますます回復の度合いも落ちるでしょう。

それは仕方ない。


ちょっと、治療と延命の境目を考えてしまいました。













私には介護者はいない

2017年04月21日 | 日記
若年性認知症に関するブログや雑誌記事なども、

読む事があります。

でもやはり、母と年齢の近い内容の方に興味があります。

若年性…とタイトルにあれば、母には関係ないな、と。


最近、はっとしました。

母には関係ないけど私には関係あるじゃないかと。

何を今さらはっとしてるんだ。


誰だからなるならない、

何を食べて何をしてるからなるならない、

そんな定義などないので、

可能性は大いにあります。



母中心の生活なのは仕方ないですが、

このまま母と一緒に老いていくばかり…という感じも。


自分の食事、運動…

趣味…

気をつけないとなあ。


気をつけてもなる、自分で気がついたらどうするか、

その通り道も探しておきたい。

私には介護者はいない。

『老乱』

2017年04月20日 | 日記
気になっていた小説

『老乱』久坂部羊

図書館で借りて読みました。

この著者の本は初めてなので、どういう作風かわからず

なんとなく数ページめくるうち、止まらなくなって、

たちまち完読しました。


レビー小体型認知症の70代男性の話で、

別居する息子の嫁が異変に気づき、あれこれ進める。


社会的なニュースにからめてあったり、

リアルな状況、心境の描写があったり。


患者本人の日記形式の独白に、

母もこんな気持ちなのだろうな…と思ったり。

身体が衰弱していく様子に、亡き父が重なったり。


ネタバレになるので詳しくは書きませんが、

ここをもっと掘り下げて欲しかった、という部分も。

でも読後、私自身いろいろ思うところ、思い直すところがありました。

読んでよかったです。