へなちょこかいご

アルツハイマー型認知症・80代の母との暮らしで思う事。
母は2021年秋に亡くなりました。父の事も少し。

父、訪問看護師さんに悪態をつく

2023年05月06日 | 父のこと
家族以外の人に接する機会があった方がいい、

また、体調をチェックするために、訪問看護師さんと契約をしました。

父の介護においては、ケアマネさんと訪看さんが頼りでした。

私は家で、体温計、血圧計、パルスオキシメーターでチェックしていましたが、

訪看さんは24時間対応で、体調の変化があったら連絡、相談、

その電話は最初に訪問看護ステーションにつながり、

夜間など誰も出ない時は個人の電話につながり、

それでも出ない時は病院に、という困ったら確実に指示がもらえるシステムでした。

救急の時も救急車を頼んだら、かかりつけの病院に搬送を頼めるので、

その手順や電話番号が書かれた書類を、クリアケースに入れて、

いざという時に慌てないよう、何度も何度も確かめました。

契約の日、訪看さんが父の部屋に入り、あいさつや今後の説明をすると、

父は「金かかるならやらない」「帰って」

暴言、悪態が続くため、その日は終了。

戻って来た訪看さんに謝ると、

「警察呼ぶぞって言われたこともあるので大丈夫です」

ああ父はその次くらいにパンチのきいた患者なんだなと思い、

本当に申し訳なかったです。

週1の契約で、2回目にも「元気だから帰って」などと言っていましたが、

バイタルチェックには応じていました。自分の体調も気になるので、

そこは把握しておきたかったようです。

そしてさらに、「庭木の手入れをしたい」とも話したようで、よしよしと思いました。

母は訪看さんに、おもてなし。

ティーカップをソーサーに乗せ、ゆっくり運んで来ました。

え〜お茶を入れてくれたの? と見ると、カルピスでした。

原液を水道水で薄めたのでしょう。訪看さんも予想外という表情でした。

その後、父は訪看さんに素直に応じたり、悪態をついたり。

自分が訪問時間を勘違いしたのに

(訪問看護師さん2時と紙に書いて壁に貼ったのを父が自分ではがして捨てた。
その上で間違えた)

1時に「まだ来ないのか!!」と激怒。

訪看さんが来ると、「何時だと思ってんだ!! 1時間も遅れて!!」と激怒。

予定を書いた紙をゴミ箱から拾って父に見せたら黙りましたが、

何か言わないと気まずいようで悪態をつき、その後、バイタルチェックを

やってもらいました。

薄気味悪いくらい愛想良く応じる日もあれば、

若い訪看さんに延々と説教じみた話をする日があったり。

「女が2人(母、私)いるのに看護師が来て、重病だと近所に思われる」

「週に1回も来て毎回同じこと聞いて迷惑」

「そういうのを望む人もいるけど俺みたいな人がいるっていうことを覚えておいて」

訪看さんが足にクリームをつけようとすると「家族にやらせるからいい」→やらせない

「俺は簡単明瞭な人間だから」→自分が思っているだけ

「食べ物の好き嫌いはない」→うそ

「家族で手に負えなくなったら頼むから」→もうすでに

「テレビは若い時からニュースと天気予報以外見ない」→うそ

などという父の話に「はい」「はい」と小さく答える訪看さんが気の毒でしたが、

私は割って入る気力もなく、隣室で放心状態で聞いていました。

契約の時に、訪問看護はご家族を休ませるためでもあるので、ゆっくりして下さいと

言われたよね、いいよね、と思いながら。

その後、父の文句により、訪問は週1から隔週1になりましたが、

父は次の訪問を受けることなく亡くなりました。

家で気を失い、反応が悪いので、私は訪看さんからの指示が書かれた紙を出して

まず訪看さんに電話。状態を伝えると、救急車を呼んで、搬送してもらって下さい、

病院で待っていますと言われ、そのようにしました。

搬送先が決まっていること、訪看さんがそこで待っていることが本当に心強かったです。

訪看さんは、何名か交代で来て下さいましたが、

どなたも父のことがトラウマになっていませんようにと本気で願いました。

そんな父でしたが、訪看さんが来る日の朝には、こっそりひげを剃っていたのでした。



















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