拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

テレビのシンガー

2008-03-15 14:37:12 | 音楽
「最近、『あー、私と同じような人だ』って思ったのが中川翔子ちゃん。テレビ出てる時のあの浮き具合?周りからちょっと浮いてて、なんかテンパっててまばたきも多くて目も泳いでて、声がうわずっちゃってんの(中略)周りに気つかってて、言うこととかもすごい考えてて、その居心地悪そうにしてる感じが『あー同じだぁ』って。きっとこのコ、変な汗かいてるよって」

ラジオで宇多田ヒカルの新曲を初めて聴いた瞬間は、大体「あわわ、名曲だわこりゃ」と盛り上がる。でもテレビで本人が新曲を歌ってるのを聴くと、大体「歌いこなせないならそんな難しい曲作るなよ…」と盛り下がる。宇多田ヒカルの生歌、聴いてて本当にヒヤヒヤする。彼女の作る曲はメロディーを構成する音の一つ一つに高低差が異常にあり、そのおかげでありきたりではない、借り物ではないメロディーが、独自の浮遊感が生まれている。でもそれを完璧に歌い上げるのは本人すら難しいらしい。テレビで彼女が歌うのを見ながら、「次のフレーズ結構高いけど大丈夫か!?」と心配してしまう。切なく震えるあの声質は非常に魅力的だけど、他のアーティストに比べると安定感が無さ過ぎる。安心して見ていられない。昨日「これから宇多田が沢山テレビに出る、嬉しい」みたいな記事書いたけどさ…。
テレビで、こわばった表情で殆ど棒立ちで彼女が歌うのを見る度に、「この人にはエンターテイナーの血が殆ど流れてないんだなぁ…」と思う。素晴らしい音楽を作り続け、CDに作品として残す才能には恵まれてるけど、それを生でパフォーマンスする才能にはあまり恵まれていない。もちろん、彼女が披露した生歌の中には心を打たれたものもあったけど、やっぱり不安定な時が圧倒的に多い。
デビュー10周年を迎えても、常に地に足が着いていないかのような安定感の無い振る舞いは10年前と変わらない。歌だけでなく、トークの時もぎこちないままだ。多分、「音楽を作る」という本業以外での彼女は常に一般人と同じ感覚で生きているのだろう。一般人だから、何度MステやHEY!HEY!HEY!に出演してタモリやダウンタウンと共演しても、その絡みはぎこちない(唯一、うたばんで庶民派アイドルの中居君と喋ってる時は結構馴染んでいる気がする)。スタジオ裏でも「おい、一般人が紛れ込んでるぞ………あ、よく見ると宇多田さんじゃないか!」とスタッフに騒がれる事が少なくないらしい(本人談)。輝かしい実績の割にオーラが無いアーティスト、宇多田ヒカル。ミュージックステーションのような、一度に沢山のアーティストが出る番組などに出演してる時の宇多田の「その場に溶け込めてない感じ」。宇多田より全然キャリアの短いYUIとかの方が溶け込んでるもんなぁ、Mステに。もう何度も出てるハズなのにいまだに慣れないんだね…。
そのことは、本人も理解している様子。冒頭の言葉は音楽雑誌で、テレビ番組に出てる自分を自己分析した発言である。 宇多田が言うようにテレビに出てるしょこたんも本当に浮いている。挙動不審だ。キョドりすぎて行方不明の人を死人扱いするという失敗もしてしまった。個人的に、テレビ慣れした宇多田やしょこたんなんて見たくないから、適度にキョドったままで居てほしいとおもう。