拝啓 夏目漱石先生

自称「漱石先生の門下生(ただのファン)」による日記

「天の光はすべて敵、ですか?」

2007-09-24 20:39:03 | テレビ
『天元突破グレンラガン』、ついに来週で最終回、ですか…。本当、リアルタイムで半年間ずっと見続けてきたアニメって初めてだから感慨深い。毎週夢中になって見てたから、終わっちゃうと虚無感に襲われそうだな(笑)。どんな困難に見舞われても全てを「気合い」で解決する、今時珍しすぎる怒涛かつ王道な展開に、何度も励まされましたよ…。毎週、見終わった後しばらくドキドキしてるもの。
このアニメは4部構成。全27話が4つのパートに分けられている。アニメのテーマの一つに「世代交代」があるようで、それは各パートの作風に現われている。1話~8話にあたる第1部は70年代の熱血アニメのテイストで描かれており、毎回毎回気合いの入った名ゼリフと、無鉄砲すぎる戦闘シーンがいっぱい。問答無用でテンションが上がるパートであった。9話~16話の第2部は、80年代のロボットアニメのテイスト。1部よりもシリアスな展開であるが、戦闘シーンは1部より迫力とスケールがさらに増しており、爽快感すら味わえる。17話~22話の第3部は90年代のロボットアニメのテイスト。1・2部とはガラっと作風が変わり、人間ドラマの要素が加わってさらにシリアスになったものの、1・2部で張られていた伏線が次々に回収されて行き、このアニメのストーリー構造が明らかになっていく様に舌を巻いた。普通に観てたら「伏線」だと全く気付かないものばかりだったので、1・2部を新たに見直すと、なかなか刺激的だったり。そして現在放送中の、23話から最終話までの第4部は、現代のアニメ。第1部が泥んこ遊びに見えるような、技術を総決算したような、「これ…映画かよ!!」とつっこみたくなるような、やり過ぎ一歩手前の戦闘シーン満載である。巷では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版・序』の戦闘シーンがやたらと絶賛されているが、それなら子供向けアニメでここまでやった『グレンラガン』に対してもっと騒ぐべきだと思うんだけどなー。
以上のように、たった27話に日本のアニメ史を凝縮した、とにかく無茶なアニメ『グレンラガン』。製作者の「あぁ、エピソード詰めたいけど時間が足りねぇぇ!!」という叫びが毎回伝わってくるぐらい展開が速いが、その分間延びすること無いので良い。当然「ここもっと深く掘り下げて欲しいなぁ」と思う点もいくつかあるが、そんなの、やってる場合じゃないんだろうなぁ。初期の段階から「気合いと勢いの多寡が勝負を左右する」というこのアニメのルールを明確に提示し続けたお陰で、「掘り下げ不足」の件は諦めがつく気がするよ。枝葉や飾りは振り切って一本道を突き進むのがこの世界の正義なんだよね…。その分、構成が本当によく練られているから、過去のストーリーを復習すると本当に面白い。第一話冒頭なんてもう何度見たことか。
「勢い」と言えば、『グレンラガン』を毎週見続けて思ったのだが、このアニメ、毎回ラスト3~4分の勢いが凄まじい。特にシリアス展開に入り始めた2部以降に顕著なのだが、序盤を見ていて「ん?なんか今週つまんないかも?」と思っていても、後半に入り、ラスト4分ぐらいに突入すると、気付けば画面に張り付いてしまっている。押し切るんだよな、勢いで。ラスト4分だけを集めて編集した映像でも作りたくなるぐらい、秀逸なストーリーの締め方だなぁと毎回思う。大体の場合、脇役のヴィラルが全てを持っていくね。昨日なんてさ…。

というわけで、ラスト1回となったこのタイミングで言っても仕方のないことではあるが、おすすめです、『グレンラガン』。時間ができたら全話レビューでも書こうかねぇ。既にDVDレンタルは始まってるんじゃないかしら。ニ○ニ○動画で観るという手もあるし、10月からは早くも深夜の再放送が決定している。もう再放送…?エヴァンゲリオンみたいだねぇ。とりあえず第一話は必見。




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